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神々廻空の死

「なんだここは!?」

其処は大空だった。思わず驚きと感嘆の声を上げてしまったのも仕方のないことだった。何故なら目の前には見たことのないような景色がいっぱいに広がっていたからだ。

開発の進んだリアルワールドでは絶対に見られないだろう馬鹿でかい木々が生い茂った超広大なジャングル、そして此処からでも分かる何万、何十万種類と生き物が住んでいるような生命の誕生の地、海、その奥にある数々の大陸。そして何より各種族のものと思われる国がそれぞれ遠く離れた場所にある。確認できるのは3つのようだ。その時

「なんだ!?」

異世界への興奮で気づかなかったが後ろにに大きく嫌な力を感じ振り返る。

空の視線の先ずっと遠くには明らかに他とは違う力、そう闇だ。この世の闇、禍々しいほどの絶対闇に包まれている一帯が見える。

こんなに早く見つけられるとは…俺がこの世界に来た、神奈を連れ去った、俺たちの人生をめちゃめちゃにした原因をこの目で見ようとルシファーの力を目に集中させる。

「ルシファー、少し力を貸してくれ。」

直ぐに力が目に集まってくるのがわかる。だんだんと闇に包まれた一帯、その中でも他とは比べ物にもならない恐らくそこが元凶だろうというものが見えてくる。あれは…城、城だ。まるでお伽話の中に入ったような本来神秘的でとても綺麗であるはずの城が闇によって暗黒なオーラを発生させている。そして空は人影を見た。その城の最上部、天に向かって伸びた塔からこちらを嗤って見ている奴を。そしてその隣で縛られ助けを求めている神奈を。

「ッ!?」

「神奈!」そして元凶と思われる奴の姿を見て最大のショックを受け背筋が凍った。

「…嘘だろ、あいつが、俺が…神奈、神奈!」

しかし、空の気持ちと反対に視界がだんだんと霞んでいく。

「なんだ!?…くそっ」

いつの間にか、闇の霧が空を囲んでいた。

「くそ…囲まれた、ルシファー!頼む!力を貸してくれ!」

しかし、いつもはすぐに答えてくれるはずのルシファーが答えてくれない。

「ー!?ルシファー?頼む!どうしたんだ!?」

いくら呼びかけても答える気配はない、怯えている、そうルシファーが何かに怯えているように感じる。

そして急に霧が丸く霧散し、視界が開いたと思ったら黒く巨大な闇の槍が空の胸に突き刺さった。

「ぐ、あぁぁぁぁあああああ」

ルシファーの時より濃く、強大な力が流れ込んでくる。ルシファーの力がない今の空ではとても太刀打ちできなかった。

「あら、ルシファー(レプリカ)じゃない。くす。私に怯えているの?」

巨大な槍から女の声が聞こえると共に体の中のルシファーの力がさらに小さくなった。それに反対し槍から出る闇は一気に膨らみ空の意識を奪っていく。

「あぁぁあぁぁ……神奈、、必ず助けるから…だから、待っててくれ。」

城にいたもう一人の俺の姿を頭に焼き付けながら闇の風に吹かれ落ちていく。己の弱さを痛感したのは何度目だろうか、神奈…神…

…奈……、

絶望を意味する不吉な黒い雨が体に染み渡る。そして今日、神々廻空は死んだ。


-城-

同一人物とはとても思えない自信に満ちた嫌な声が響く。

「神奈、あとは君が僕に心を渡せばそれで全てが整うのだよ。」

「空くんは何処?」

今度は消え入りそうな儚い声が響く。

「だから何度も言っているじゃないか、僕が空だよ。神々廻空。この世を統べるものだよ。この魔王(サタン)と共にね。くくくハハハハハハハハ。」

そう言うと共に空の中の闇が莫大に増幅し魔王(サタン)が顕現する。

「違う!外見は空くんそっくりだけど貴方は絶対違う!きっとすぐに空くんが助けに来てくれる!」

いつも肝心なところで鈍感な空くんだけど今はきっと来てくれる、そんな気がした。

「やっと手に入れた向こうの世界への干渉源。だがやはり、堕とすしかないか絶望の闇に。…あれは?クククちょうどいい、窓の外を見てごらん君の愛しい空くんがこっち見ているよ。」

空がほんの少し闇を神奈の中に入れた。決して気づかれることはなくしかし必ず神奈を堕とす闇を。

空が指をさした方には確かに強い意志と愛と憎悪を持った彼がいた。

「空くん!空くん!!」

やっぱり、やっぱり空くんは来てくれた!

神奈が歓喜の声をあげ顔にも希望の色が出てきた。

「心に響くね〜、そんなに2人が愛し合っていたなんて…最高に壊しがいがあるよ!」

城から無数の霧状の闇が空に向かって放たれる。

「やめて!空くんに何をするの!?ねぇ!お願いだからやめて…」

「いいねぇ、それだよそれ、その顔が見たかったんだよ。そして止めはこれさ。魔王(サタン)、記憶を貫く槍となれ。」

空の後ろにいたサタンが闇となり、集まり、全長5mほどの巨大な槍となる。

魔王(サタン)邪魔する奴を貫け。」

城の最上部にいる空が狂気に歪んだ顔で笑う

「やめて…やめてぇぇえ」

巨大な槍は霧を貫き空へと一直線に進んでいく。

ズシャッッ

確実に刺さった鈍い音とともに空の絶叫が聞こえた。

そして、神奈は見た。巨大な槍から生まれた黒い波紋が世界に広がり黒い雨となって不吉に注ぐその中に、ボロボロになって落ちていく空の姿を。最後まで自分の名前を呼んでいる空の姿を。

「空くん!空くん!…あ…ぁぁ…何で、なんでこんなことを!」

神奈の体から目の前の空と同じような歪んだ黒い靄が出てくる。それを見た空はニヤリと笑い

「くくく、いいぞ見えるぞ君の絶望が。フェイズ1終了。フェイズ2に移行。

さぁ、こっからが本当の絶望の始まりだよ。時が来るまでゆっくりと睡るがいい。くくくハハハハハ。」

城内に響き渡る歪んだ嗤い声に共鳴するように黒い風と黒い雨が世界に吹き荒れる。またわ降り注ぐ。

そして空の背後からぞろぞろと配下と思われる歴代の猛者や最凶の魔王が現れる。

「世界中の全種族共。神々の時代は終わった。今から変革が始まる。全種族を巻き込んだ戦争が。」


とても遅くなり誠に申し訳ないです~_~;

学生なのでしかも受験生!勉強が忙しくてー…って言い訳ですね。

取り敢えず書くペースガタ落ちすると思いますが出来るだけ頑張ろうと思うので暖かく見守っていただけると幸いです。

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