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おれ異世界でもトラブルが絶えないのは何でだろう。  作者: じむ
一章:旅と仲間と魔法学園とトラブル
9/51

8:そろそろ独り立ちしなk(ry

読むかたがいるか疑問過ぎるこの「おれ異世界でもトラブルが絶えないのはなんでだろう」シリーズ(めんどくさいのでryして"おれトラ"で)ついに主人公の武器やらなんやらが決まり、冒険者として旅に出る前までやっちゃいます!……もしかしたらあと一話増えるかも、ですけど…そんときはそんときで!笑

サイド:ハク


無事に冒険者登録してもらったおれは、ギルドカード片手に、あることを考えていた。

(思えばおれ、シーウォールに生まれてから16年、トラブルばっかだったな)

そう。

おれは、ぶっちゃけこの国で良いことがあったというと、妹が出来たことといろいろ学べたこと以外ないのである。

ほかはなんというか、

犬と大男足した奴たおすとか、

ヤクザモドキと全面戦争とか、

ワイバーン命がけで倒すとか、

受付お姉さんにもやし思われたりとか……

え?半分くらい自分でくび突っ込んでるから自業自得だって?

いやだって 、女の子襲われてるとか、お婆ちゃんを助けるとか、そういうおれのお人好しセンサーを刺激するもんばっかなんだもん!

わかるか!?目の前に襲われてる女の子がいる時の心情!

……こほん。

まあ、ともかく、良いことがないわけで。

そこでおれは考えた訳だよ。

別の国行けばトラブル起きないんじゃね?と!

思えばおれがトラブルに巻き込まれるのは地元ばっかりだ。

前世は地元から離れたことはないし、今もシーウォールに生まれてから一度も外に出ていない。

つまり、地元限定でトラブルに巻き込まれるのではないか!

ということは、他の国の町や村などを転々としていれば、トラブルに巻き込まれる可能性がグッと減る訳だよ!おれってばアッタマいー!

ならば、おれが取る道は1つ。


「そうだ、遠くへ行こう」


それから少し経って。

家に帰ったおれは、都合よく休日である父さんの書斎の前なうである。

父さんに旅に出ることを伝えるためだ。

おれはそっとドアをノックする。

やっぱ父親の書斎に入るときとか緊張するよね。


「ん?入っていいよー」


父さんの声におれはドアをあける。

相変わらず綺麗な書斎には、いつも通り机に肘をついてこちらを見る父さんの姿が。


「ん?ハクか、どうしたんだ?」


父さんの言葉に、おれは頷いて、言った。


「父さん、おれ、旅に出たいんだ」


「え……旅に?そりゃまた、どうしてだ?」


おれの言葉に、父さんは驚いたようだ。当然か。

そりゃ息子が「旅に出る」とか言ったらそうなるわな。

おれは理由を言おうとして……固まった。

あれ、理由これなんて言えばいいんだ?ええと、ちょっと考えてみよう。


1:トラブルが起きないように、他の国に行きたいんだ。


……ダメだ、これじゃあなんか、おれがトラブルメーカーみたい「……ハク?どうした?」じゃないか。

え?あながち間違ってない?やかましい。


2:地元にいなければもうトラブル起きないと思ってさ。


……これもダメだ。

これだと「……おーい、ハク」おれ、地元から一刻も早く離れたがってる悲しい奴「聞こえてるか?」だ。

どうしよう。なにか「……」ないか。


……ええい、こうなりゃぶっつけだ!いっちまえ!


「……父さん」


「むお!?なんだ?」


なんか驚いてる父さんに、おれはなにも考えずに言う!


「おれは、この世界を旅して、いろいろなものを見て回りたい。そして、いろんなことを知って、いつか父さんみたいに立派な男になりたいんだ!そのためにおれは、旅に出たい!」


……意外となんとかなるもんだね、アドリブって。


「……」


父さんが沈黙しております。

……やっぱ無理があったか?アドリブ。


「感動したぞ、我が息子よ!」


「え?」


……うん?なんか感動されたが……なんで?


「見聞を広めて立派な男になりたいとは、素晴らしい心がけだ!いいぞ、行ってこい!帰る場所は俺たちが守ってる、いつでも帰ってこい!」


「あ、ああ……ありがとう、父さん」


……よくわからんが、多分おれの言葉を鵜呑みにして感動した父さんが問答無用で許可してくれた、と。

……。

…………アドリブってスゲエ。


そして。

なんやかんやで許可をもらって、おれは大量の金貨(100万G相当)を持って商店街に立っていた。

なんでも「息子がでかい男になる第一歩だ、道具やら装備やら、それでいろいろ買ってきなさい!」とのこと。

……うん。

おれも今、スゲエ申し訳ない気持ちでいっぱいだよ。

アドリブでてきとうに言ったこと鵜呑みにさせちゃったんだもんな。

……まあ、今さら「ウソですテヘぺろっ」とか言えないし……てゆーか言ったら父さんが自殺しかねん。

ここはまあ、大事に使わせて貰おう。

まあ、おれには装備を買うために、金貨を使う必要はないんだけどな。

え?なんでって?

なぜなら、おれには装備を貰う アテ がある。

おれは金貨をポーチにしまいこみ、商店街の外へ足を向けて歩き始める。

歩いていくうちに、商店街の賑やかさは遠のくが、まあ気にせずに進む。

おれがついたのは路地裏の前。

このいかにも怪しげな場所にあるその"アテ"というのは──。


「おい、そこのガキ。お前こんなところでなにやってやがる」


突然後ろから聞こえた図太い声に、おれはニヤリとして振り返った。


「よお、元気かヤクザオヤジ」


そこには、紋付き袴を無理矢理西洋っぽくしてみましたねって感じの、ゴッツイ2メートルのおっさんがいた。

おっさんはこっちを見ると、少しだけ眉を上げると、ニタァ、って感じの悪役的な笑みを浮かべて、言った。


「相変わらずヤクザって意味わかんねえ呼び名で呼びやがって……ククク。何のようだ?クソガキ」


ああ、そーいや、この国に「ヤクザ」って概念はないらしい。

盗賊か、闇商人の2つが基本のようだ。

まあ、他にもあるのかもしれんが。

まあ、そんなことはどうでもいい。

おれはヤクザオヤジに目を向け、用件を言う。


「ああ、ちょっとおれ旅に出ようと思ってさ」


「ふん、てこたぁこの国でお前を見るこたぁ無くなるワケだ。清々するぜ」


「言ってろ。まあ、それで装備を貰いてえんだけどさ。防具は機動性の上がる魔法効果が付いてて、かつ強靭なやつ。武器は魔力の伝導がよくて、手入れのいらない状態維持魔法がかけてあるヤツで頼むわ」


おれが言うと、ヤクザオヤジはまたピクッと眉を上げると、今度は苦笑を浮かべた。


「けっ、贅沢なこと言いやがって……まあいい。お前にゃあ借りがあるしな。ついてこい。お前に渡すために置いといた物がある。」


オヤジは言うだけ言うと、身を翻しての歩き始める。

……客への配慮はゼロかよ。まあ期待してねえけどさ。

おれが苦笑しながらついていくと、路地裏を奥へ奥へと進む。

魔法効果が付いた武器は、エンチャント武器と呼ばれる。

もちろんアホみたいに高い上に、場合によっちゃ違法だ。

たとえば、相手が切られた瞬間絶命するようなヤバすぎるエンチャント武器とか。

防具の関しても同様である。

しばらくオヤジについていくと、ついたのはいかにもヤベエ感じの工場然とした建物だった。

そこをさらに奥へ進む。

やがて一番奥の扉につき、そこをあける。

その前にあったのは、若干デカイ……大剣?

いや、大剣にしては若干幅がない上に剣のような重量感はない。

言うなれば剣鉈を2つくっつけて剣の形にしてみましたって感じ。

柄部分はなにやら機械チックな感じで、その剣の刃と刃の間まで支えのように伸びている。

柄の真ん中にはクリスタルとおもしき球体が嵌め込まれている。

オヤジがおれのほうに振り返って言う。


「こいつが、おれが苦労して手に入れ剣だ。刃には東洋の"カタナ"とかいう奴に酷似していて、それを2つ合わせて剣の形状にしているらしい。この刃なら鋼鉄でも切れるだろうな。重さも、お前なら扱えるだろう。」


おお、刀か。そいつはスゲエ。

この国刀がないから稽古中にちょっとものたりないと思ってたんだよな。

いや、刀とか前世でも使ったことないけど。

日本刀ってやっぱ燃えるよな。

……まあ、これは2つ合わせて剣の形にしてるみたいだけど。


オヤジは複雑な表情のおれを見ると、「あー」とかなんとか言って先を続けた。

「で、まあ、エンチャントなんだが……状態維持と成長…らしい」


「らしい?おいオヤジ、なんでそんな適当なんだ」


おれは聞いたことに首を傾げて、なんだか知らんがとりあえず文句をいう。説明しやがれヤクザオヤジ。

その曖昧な説明を説明しやがれ。


「うるせえ。こんなエンチャント、滅多にねえだろうが」


「え?そーなの?」


「いや、一般的にねえだろう。考えやがれ、アホガキが」


「いや、エンチャント武器自体、見たことねえよ」


おっさんの言い分に、おれは言い返す。

このおっさんの常識はどうなってるんだろうか。

あれか、武器もってんのが普通な感じか。


「ったくこれだからなんも知らねえガキは……それに、成長ってのがどんなエンチャントなのか、知らねえんだよ」


「は?」


何でだ?闇商人と言えども品の説明はするだろう。

しないんだろうか。


「うるせえな。これを手に入れたのが偶然なんだから仕方ねえんだよ」


なんでか知らない?さっきからなんだこのおっさんは。

「苦労して手に入れた」とかなんとか言っておいて、「偶然手に入れたから仕方ねえ」だって?

……ボケたか。可哀想に。


「わかった。わかったよおっさん。今日はゆっくり休もう?きっと疲れてるんだ」


「……なんか知らねえが、てめえを殴りたくなったぞおい。

……まあいい。俺だって知らねえってのはな、おれがいい武器探して移動してた頃……あー16年前か?にねぐらにしてた神殿で見つけた物だからなんだよ。エンチャントについては、その剣の下にあった紙に書いてあったんだ。なんでも"この剣を携えた者とともに成長"がウンタラカンタラ、だな」


16年前か。おれが生まれた年だな。

いやどうでもいいけど。

まあつまりこの剣を扱う奴が強くなるとともに、これも性能を上げるとか、そういうエンチャントなんだろう。


「それにしても、んなもんもらっていいのか?」


「ああ?ああ、もともと、売ろうと思ってたんだけどよ、その剣が成長する条件ってのがわかんねえから売れ残ってなあ。ならお前にくれてやろうってとっといたもんだ、気にすんなや」


オヤジは軽くいう。

……なにやらおれにそれの扱いを丸投げしているように見えるが、まあもらえるならもらっておこう。


「そっか。サンキューオヤジ」


おれが礼を言うと、オヤジはそっぽを向いて手をヒラヒラとふり、おれに言った。


「うるせえ、だまって受けとれ。さあて次は防具だな。まあ、その剣みてえに不思議なもんはねえが、高性能な奴ならあるぜ。おら、さっさと来やがれバカ野郎」



なんっとかできましたね。さて、まあ防具については後々書くとして、次回はシーウォールを出るとこまで行きたいと思います。

感想やらなんやら、待ってます!


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