7:そろそろ独り立ちしなきゃ!ストーリーの進行的に
お久しぶりです!うす!……とかいってそーでもないっすねー笑
とゆー訳でやって参ります少年編。
なんかトラブルのあとっていっつも数年経ってね?と思われている読者様。
ここから先は「何かあったら数年後現象」は起きません!多分!f(^_^; もともとこの歳のハクからがほんとの冒険ストーリーだと思って下さい!
サイド:ハク
あの王国モンスター襲撃事件から6年……。
あれからは特になにもなく、おれはというと持ち前のトラブル引き寄せ体質で……
ようやく解禁してもらった魔法で偶然通りかかった所にいた女の子をゴロツキから助けて、おかげで闇商人の頭と一人で全面戦争することになったけど結果的に和解して仲良くなったり、
病に倒れた近所の婆さんのために一人で霊峰オーロラールって所に行ってワイバーンを仕留めて薬の素になる角を持って帰ってきたり。
……とまあ、大したこともなく5年間は終わった。
……なにも言うな。
一つ一つ話が長い上に地味にスケールでかいから話せんだ。
……ワイバーンの時はは死ぬかと思ったなあ…実際死にかけたし。んーいい思い出。
ばいざうぇい。
そんなこんなで二度目の高校二年生年齢になったおれは、ギルド加入許可年齢になったわけだ。
父さんや母さんにギルドに入る旨を伝えると、二人とも快く受け入れてくれた。
んー、いい家族持ったなあ。
そう言えばギルドについての説明をしてなかったな。
めんどくさいとかで。
まあ、せっかくだしいい機会なんで、ギルドについて説明を致しまshow time!
……。
………………こほん。
えーとまず、この世界には冒険者という職業が存在している。
……まあ、脳筋のイカツイおっさん共が武器持ってクエストに出て荒稼ぎするアレだと思って欲しい。
そんな冒険者を統括するのがギルドと呼ばれる組織である。
ギルドにはもちろんギルドランクなるものがあり、F~Sまでの7つに別れている。
ただ、Sランク冒険者なんてものは国が動くレベルの偉業を果たした、生ける伝説みたいなとんでもない集団ということらしい。
例えばデウィーネに来たドラゴンを一人で倒したとか。
ヤバすぎて各国も手に負えなかった盗賊の一団を倒したとか。
……いやそれ人間じゃないよね。
災害でしょって連中だと思えばいいか。
まあ、そんなシステムでできているギルド、そのシーウォール支部の前に、おれなうな訳で。
え?何でかって?そりゃあもちろん、ギルドに加入して収入源確保するためだよ。
……なによ、その目は。
おれだって無理だってわかってるよ。見た目もやし並に細いし。
しかし、まあおれだってただ5年間過ごしてた訳じゃあない。
おれはこの5年間、魔力のコントロールや武芸を父さんから直々に教わり、普段は人並みの魔力の魔法を使うようになった。
……実際使ってみたが、おれが普通の魔法の威力に使う魔力を使ってもまるで魔力の減少を感じない。
どうやらとことん土台はチートスペックらしい。
それはともかく。
武芸に関してだが、正直そんじょそこらの冒険者のイカツイおっさん共より強いと自負できる。
……いやだっておれ、今まで騎士団の隊長やってる父さんとビッシビシ稽古しながら、ヤクザみたいな奴らの集団とか、ドラゴンほどじゃないけど村一個なら潰せるようなワイバーンとかと一人で殺り合ったんだよ?
おかげで15歳の見た目では計り知れない力と魔法の扱いを身につけた。
……ほんとだよ?
ばいざうぇい。
そんなこんなでおれは冒険者に登録しようというわけだ。
「……よし」
意を決してギルドの中へ。
そこは、なんともガヤガヤとした、そしてムサイおっさん共がわらわらといる、なんというか想像通りの酒場然とした所だった。
……酒臭え。昼間なのに。
そんな喧騒をそのまま形にしたようなギルド内を、おっさん共を避けながら進む。
そして「受付」とかかれたカウンター前に行く。
「あら、こんにちは。冒険者ギルドへようこそ」
カウンター前に着くと、ギルド内の喧騒とは壁を1つ隔てたようなふんわりとした雰囲気の、笑顔満点な受付嬢のお姉さんがお出迎えしてくれた。
……やべえ、可愛い。
ムサイおっさん共のいるギルド内で唯一の癒しを発見した。
……はっ!そうだ見とれてないで用件言わなきゃ!
このままだと受付前に立ってボーッとしてる変態じゃねーか!
「あのぉ…なにかご用件ですか?」
「あ、はい。あの、冒険者に登録したいんですが」
不思議そうにこちらを見る受付嬢のお姉さんに慌てて用件を伝える。
するとお姉さんは少しだけ目を見開いて、こちらを見た。
……ん?なんかおれ変なこと言ったかな?
「あの、なにか問題ありましたか?」
「え……あ、ああ。すみません。久しぶりに若い方が来たので、驚いちゃって」
おれが訪ねると、受付お姉さんはハッとしたようにピクッと反応すると、慌てたように笑みを浮かべた。
……もしかして。
「あの、もしかして見た目がちょっとアレだからですか?」
「へ、ええ!?い、いいいいえぇ?、だれもそんな見た目が細いとかそんなことはっ!?」
「……あの、細いとかは言ってないんですけど……」
「……あ、ああっ!?」
指摘されたことに驚愕の表情を浮かべる受付お姉さん。
……ビンゴだよ畜生。
「あ、あのぉ……すみません……」
受付お姉さんが謝ってくる。
「あ、いえ、いーんです。自覚はありますから。それより、登録の方は大丈夫ですか?」
おれは苦笑をこぼしつつ、気まずい空気にならないように話を進める。
受付お姉さんはホッとしたように息をつくと、また笑みを浮かべて頷いた。
「ええ、大丈夫ですよ。それではギルドカードを発行しますので、こちらにお名前と年齢をお書きください。代筆は500Gになります」
そういうと受付お姉さんはなにやら紙をだし、おれにペンを渡してくれた。
おれは礼を言いつつペンをもらい、代筆はいらないと伝えると、紙に名前と年齢を書く。
書き終わってから紙をペンと一緒に受付お姉さんに返す。
これでも騎士団隊長の息子だ。文字は書ける位の学ならある。
「はい、ではギルドカードを発行……あら?」
受付お姉さんは紙を受け取って目を落とすと、驚いたようにこちらを見た。
「あの、もしかしてハークレイって、霊峰のワイバーンを一人で倒したっていう、ハークレイ・ウィンス君、ですか?」
……あーそっか、一応すごいことしたから噂にはなってるんだな。
まあ、だからって大した問題もないだろう。
おれは頷き、はいとだけ答えた。
すると受付お姉さんは楽しそうに笑みを浮かべ、やや早口で言った。
「そうなんですかぁ!あの一件はギルドでも1時期話題になったんですよぉ!あなたなら、とても優秀な冒険者になれますよ、きっと!」
興奮ぎみな受付お姉さんに苦笑をこぼしつつ、ありがとうございますとだけ言っておく。
そこまでの騒ぎだったのか。
「ではギルドカードを発行しますね。少々お待ちください」
ニッコリ笑顔を浮かべた受付お姉さんは、紙を隣の機械(的なナニカ)にいれる。
ほどなくして、一枚の鉄製のカードが出てきた。
受付お姉さんはそれを取ると、こちらに渡しつつ説明してくれる。
「そちらがギルドカードになります。ではご説明させて頂きます。
まず、ハークレイ様はFクラス冒険者となります。
ランクアップは同じクラスのクエストなら10つ個、1つ上のクエストなら5つ、2つ以上上のクエストをする場合は2つでできますが、2つ以上ランクが上のクエストは命の危険があるため、あまりおすすめは出来ません。
また、ギルドカードは破損、盗難等による再発行には500Gかかりますので、紛失には充分お気をつけください。なお、ギルドカードはパスポートや通行証の役割もあり、三国全てに自由に出入りできます。クエスト中に重要施設に入る場合などの身分証明にもなりますので、肌身離さずに持っていてくださいね」
おお、通行証にもなるのか。知らなかった。
……説明は終わった。
これから冒険者としての生活が始まるんだろうな。
そんなこんなちょっと感激してるおれに、受付お姉さんはにこやかに言った。
「ふふ、頑張って下さい、応援してますね。それでは──」
──新冒険者に幸あらんことを!
ぬああああ、旅に出るまでいきませんでした、すんません!
次回こそはしっかりやりますね.旅だちのはじめまで!
感想、レビュー待ってます!よろしくお願いです!