6:まとも戦闘とかおれかっけくね?(キラッ☆
ああ、えーと、サイドのことですけど、そのうち多分味方やらてきやらのキャラが出てくるので別のキャラのサイドで話すことがあります。ってことで。
サイド:ハク
四つの咆哮がシーウォールの空を突き上げる。
それを僅かに顔をしかめてやり過ごしたおれは、喧しい犬を横目に武器になりそうなものを探した。
折れた棒切れなどでは突き立てたところであの固い皮膚と筋肉に折られてしまうだろう。
視線を張り巡らせるおれに、一体のハウンドマンが動いた。
一体が高速でおれに肉薄し、腕を振りかぶる。
首を一瞬で刈り取る気だろう。
認識するやいなや、おれは素早く屈む。
頭上で金属がレンガを引っ掻くような耳障りな音と火花が弾けあった。
見ると中ほどまで爪が食い込んでいた。
「……マジか」
呆然と呟くと同時、今度は視界の端に何かが見えた。
咄嗟に前に体を投げ出し、ハウンドマンの足をくぐって背中に逃げる。壁が砕ける音がした。
蹴りを放ったようだ。壁が粉々に砕けるのを意識から追い出し、視線を巡らせる。
と、視界に飛び込んできたのは蹴りの衝撃で壁から千切れて転がってきた、鋼鉄製と思われるパイプだった。
反射的にそれを拾う。
と、蹴りをはなったハウンドマンが再び突進してくる。
おれはパイプを構え、迎え撃つ。
「さっさと倒して、助けに行かせて貰うぜっ!」
突進してくるハウンドマンに叫び、おれは行動を開始する。
反撃開始だ、犬野郎。
まずは先程と同じように繰り出される爪の一撃。
おれはそれをパイプを使って受け流す。
パイプは少し削れたが、問題なく扱える。
受け流され、バランスを崩したハウンドマン。
その隙に、おれは思い付いた作戦を実行する。
「氷魔法!凍てつく刃を作れ!」
父さん直伝の魔力の把握を活用し、加減をしつつ魔力を消費し、氷を生成する。
この世界の魔法は、すなわち想像力"イマジン"としてイメージしたものをはなつということが基本となっている。
そのために詠唱は存在しないが、想像したものを言って頭に思い浮かべた内容に魔力を込めることが詠唱の代わりとなるのである。
今回生成するのは氷の槍先。
冷たい光を放つそれは矢のような形状をとる。
そしておれは、その鋭利に尖った鋼鉄の先の凍てつく槍先を、巨大な獣人の心臓に向け深々と突き刺した。
ハウンドマンが目を見開く。
そして己の胸から生えたパイプを見、全身を震わせてから、恨み言を呟くようにうめき、倒れてピクリとも動かなくなった。
おれは乱暴にその槍を抜くと、凶暴な笑みを残りの三体に向ける。見た目10才が様になるかな、などと思うが。
三体の狼狽は一瞬。
次の瞬間には地を蹴り、高速で殺到してきた。
それを見て、おれは対策として考えていたことを実行する。
「土魔法!彼の者の立つの地を返せ!」
イマジンとともに魔力を込める。
すると、想像通り、いや想像より少し大きく、ハウンドマン三体の踏んだ道がめくれあがった。
勝機を見いだしたおれは、ハウンドマン達に止めをさすためにイマジンを始める!
「風魔法!彼の者共を天地を駆ける風の刃により──」
イメージするのは、複数の真空波。
万物を切り裂くカマイタチで、前のめりになっている三体の首を跳ねる。
「──切り裂け!」
それを実現させるため、魔力を込め、放った。
込めた魔力は先程と同じように、三体の首を刈る絶対の刃と化す。
その瞬間、三体の獣の運命は決まった。
それを見ていたおれは
「……え?」
首を刈りとったのに、なおも暴れて建物を一瞬で廃墟にした風の刃に唖然とした。
座り込んでいる母さん の顔と、その後ろからきた騎士団らしき集団の足音が、やけにむなしかった。
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次回はまた一気に少年まで成長します!ギルド加入して旅に出ます!