表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おれ異世界でもトラブルが絶えないのは何でだろう。  作者: じむ
一章:旅と仲間と魔法学園とトラブル
17/51

16:入学前の買い物準備とかスゲエワクワクするよね。トラブルなければ

風邪から完全復活いたしました、じむです。

体温計片手に、どちらのキャラにしようか迷いに迷い、執筆が遅れてしまい申し訳ありません!

それではどうぞ

サイド:ハク


「ね、ハク。買い物いこっ?」


「買い物?」


突然のお誘いに、おれは振っていた剣を止めてルリーアに聞き返す。

ちなみにここは宿の庭にある鍛練場である。

宿の人が自由解放しているらしい。

他の冒険者達とも知り合えるし、

稽古を一緒に出来るので、

おれとしても飽きない場所だ。


……まあ、そのおかげで知り合いにむさっくるしいオッサンが増えて、ルリーアの虫除けがたいへんだったりもするんだが。


おれの聞き返しに、ルリーアは頷いてから口を開いた。


「あのさ、もうあと数日で入学式だけど、ハクも私も必要なもの持ってないでしょ?ペンとか、羊皮紙とか、さ。」


「……あー。そういや持ってないな。」


納得して頷く。

ここのところ色々あって、買い物なんて全くしてなかった。

クエストもあったし、冒険者とハデな喧嘩したりもしたし。


あ、ちなみにチャラ男冒険者の件は

軽薄な行動をしたあいつのせいって事になって、

チャラ男冒険者のランクを1つ降格して丸く収まったらしい。

まあ、ギルドに行ったときの気まずさは酷かったけどね……

ともかく、買い物なんて全くしてなかったわけで。

頷いたおれに、ルリーアは「それでね?」と続けた。

……なんか恥ずかしそうにモジモジしてるのが可愛いんだが。


「ガウァースに言ったし、今日はお仕事無くしたから、ハクと買い物行きたいんだけど……ダメ、かな?」


ぐぅっ!?ここでまさかの上目遣い……だと……!

このベタな美少女からの誘いがこんなに似合うなんて……なんて怖い娘なの!

こうなると男として断っちゃいかんだろう!

いや断る気もないけどさ。


「おー、よろしく頼むわ」


おれが承諾すると、ルリーアは一気にパァっと明るくなった。


「ほんとっ?じゃあ、私着替えてくるねっ!」


笑顔でそう言うと、自分の部屋にトテトテ走っていった。

……危なかった。思わずワシャワシャーっとなで回すところだった。

とりあえずそうしなかった自分に

内心でスタンディングオベーションしつつも周りをみると、

なんか周りの冒険者達がこっちを見ていた。


「ん?どうかしt「「爆発しろコノヤロオォォォオォオ!!」」


訂正。他の冒険者達が飛びかかってきていた。


「のおぉお!?どうしたんだオッサン共!?」


あまりの迫力に思わず強化魔法(ブーストマジック)をかけて逃げる。


「「小僧を、殺せエェエエェエエ!!」」


その騒ぎのせいで、出発が10分ほど遅れた。

まったく訳がわからなかった。


そんなこんなで、おれたちはデウィーネの商店街に来ていた。


「んで、最初はなに買うんだ?」


「うーん……」


おれの質問に、ルリーアは唸りながらも考える。


「やっぱり、最初はペンとか羊皮紙とかインクとか、基本的に使いそうなものを買おっか。一番使うだろうし」


「そうだな。なら雑貨店か?」


「うん。じゃあ、行こっか」


考えて出た結論に同意して、最寄りの雑貨店に向かう。

向かってる途中で、おれはふと疑問に思ったことを聞いてみる。


「なあ、ルリーアはおれと違って、最初っから学園に入るためにデウィーネに来たんだろ?

ならなんでペンとか持ってないんだ?」


「あー、それはね、バッグに羊皮紙とかペンとか入れると、

すぐに破けたり歪んだりするからって、

お父さんに止められたの」


ルリーアの言葉に「あー」と言いつつ頷く。

まあ、おれのポーチはそんな事おきないけど、ルリーアも女の子だし、あの大きめのバッグは

やっぱり色々入ってそうだもんな。仕方ないのか。

……イロイロ、ねぇ。

……。


「……ん?ハク、なんだかすごい私限定で恥ずかしい事考えてない?」


「……そんな馬鹿な。なにを根拠に」


「……ふーん?まぁ、今日は時間がたっぷりあるし、なに考えてたのか、

ゆーっくり訊いていくよ」


ジトーっと可愛らしい半眼をこちらに向けてさらっとエスパー発言をしたルリーアは、

ちょうど着いた雑貨店の中に入っていく。

今日は、すごい長くなりそうだった。



──────────────────


結論から言うと、買い物は長かった。

いや、ほんとに。

いや精神的にもそうだけど、物理的にも長かった。

ペンを買って、羊皮紙とインクを買ってから、「あれ、そういやガウァースになんか頼まれてなかったっけ?」

とルリーアが言ったので、

麦酒(的ななにか)と刺身(的ななにか)を買いに行って、

その帰路に雑貨店のオバチャンに呼び止められて「あんたら色々買ってくれたから、おまけだよ!」って言われてまた色々貰ったせいで、

買い物袋を3つほどもつはめになった。

まあ、生モノや割れ物(ガウァースの酒の瓶)はポーチに入れているが、

それでも大変な量になった。


「あう……いっぱい買っちゃったねぇ……」


強化魔法(ブーストマジック)って便利だな……」


その大変な量の買い物袋を、ルリーアは1袋、おれは2袋持つ事になった。

それぞれブーストマジックで持ってるため重さは全くないけど、デカイのでルリーアはヨタヨタ歩いてる。

なんか必死っぽい感じが微笑ましい。


「でも、良かったね。いっぱいもらっちゃった」


「そうだな。流石にブーストマジック使って袋持つ事になるとは思わなかったよな」


必死にヨタヨタ歩きつつも笑って言うルリーアにおれも笑い返して、今日の買い物について色々話していると。


「お待ちなさいな、そこの男!」


──突然、アホみたいなデカイ声が飛んできた。

驚いて振り返ると、そこには……

……お嬢様っぽい女の子がいた。

長いウェーブのかかった金髪に、活発な印象を持ちながらも気品を感じさせる服装、意思の強そうなエメラルドグリーンの瞳。

その眉毛はキリッて感じでつり上がり、いかにも「お嬢様!」ッて感じだ。


女の子はビシイ!って感じでこっちを指差して、そのままこちらに歩みよってきた。

いや指おろさないと疲れるよ?とか思っていると、


「貴方ですわね?先日、冒険者ギルドの外で騒ぎを起こしていたのは。証拠はあがってますわ!さあ、あのような行為をこの歴史深いデウィーネで起こした懺悔を──」


女の子はまたもやビシイ!っと指を指し直して捲し立て始めた。

それを聞いて、まず一言。


「とりあえず、その話長い?」


「……はい?な、なにを──」


「いやほら、長いなら買い物袋置いていいかな?」


「え、ええ……良いですけれど……」


それならば、とおれは買い物袋を床に下ろす。

ルリーアにも下ろすように言うと、困惑気味に買い物袋を下ろした。

そしておれは女の子に向き直る。


「それで、えーっと、名前は?」


「は、はい?」


「いや、君の名前」


「あ、は、はい、私の名前は……って、違いますわよ!」


とりあえず名前を聞こうとしたら、ムキー!って感じで怒られた。

ワタクシって言ってるんだ。やっぱりお嬢さんなんだろうか。

とか思っていると、女の子がまたお得意のビシイ!をしながら言う。


「貴方、先日の騒ぎの中心になった張本人ですわね?」


「あー、あのチャラ男冒険者の?」


「……チャラオ?なんだかよくわかりませんが、あのジャラジャラした

グリスという男の事を言っているのならそうですわ!

それで、一騎討ちをしたハークレイというのは貴方ですわね?」


「あー、多分そうだけど」


へー、あのチャラ男グリスって言うんだー、とかちょっと豆知識を知って感動していると、女の子は得意気に話し始める。


「やっぱりですわ!では改めて、あのような騒ぎを起こした懺悔を──」


「あー、ちなみに、なんだけどさ」


話し始めた女の子にはちょっと悪いが、またもや話を遮っておれは言う。

女の子は2回も遮られてちょっと不機嫌そう。

けど、これも一応言っておくべきだろう。


「……なんですの?私の話を2度も遮って……」


不機嫌そうに言う彼女に、おれは一応言ってみる。


「いや、あの件なら、もう終わったよ?」


──瞬間、世界が、固まった(女の子限定で)。

あー、ほんとに知らなかったんだ、と思いつつ女の子をみると、


「……え?」


とか言って固まっていた。


「いや、あのジャラジャラのせいって事になって、あいつのランクを1つ降格して丸く収まったんだとか」


おれは苦笑して女の子に言うと、

女の子は次第にムチャクチャ恥ずかしそうに顔を真っ赤にして、フルフルと震え始めた。

あー……なんかいたたまれない。


「う、嘘ですわ、そんな事……ハッ、そうですわ!賄賂ですわね!?」


と、女の子が急に叫び始める。

おれとルリーアが顔を見合わせると、女の子は顔を真っ赤にしたままおれに捲し立てる。


「ギルドに賄賂を渡して騒ぎを丸く収めたんですわね!?私は騙されませんわ!」


「え、いやあの──」


「いつか……!いつか近いうちに必ず!貴方の尻尾をつかんであげますわ、ハークレイ……!」


おれの呼び掛けもむなしく、女の子は最後にもう一度ビシイ!をしながら、ズダダダっとどこかに走っていった。

……。


「えーっと……あの娘、結局なんだったの、かな?」


「……さあ」


結局、なんだったのかはわからないまま、おれたちは買い物袋を提げて帰ったのだった。



はい、というわけで後書きでございます。


結局、フワッと無口キャラも魅力的でしたが、猪突猛進、お嬢様キャラにした方が後々(というか次回)面白くなりそうなのでそうしました!

提案してくださったulysses様、毎度毎度助かります!ありがとうございます!

というわけで次回、ようやく入学式でございます!お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ