15:お仕事って目立ったらいけない。嫉妬が殺到する。
今回はちょっと気の向くままに書いてみました。
……え?いつもと変わんないだろ?
……解ってらっしゃる。
それではおれトラをお楽しみください!
サイド:ガウァース
──ゴォッ!
背後を光がかける。
同時に上がるすぐ後ろのモンスターの悲鳴に満足して笑い、
魔法使いの少女の大声の文句に苦笑しつつ、
俺は俺の役割を果たすべく、森をかけながら自慢のアックスを振り上げる。 アックスの振り下ろされる場所には何もない。
が、その周りにはいる。
今回の"仕事"のターゲット、ハーピイの群れだ。
ハーピイは腕がコウモリの羽のようなモンスターで、鳥のような足に武器を持って戦う。
7体程いるだろう。
アックスから1,2メル離れてる上空にいる程度で安心しちまってまぁ……可哀想な連中だ。
苦笑しつつも、力を込めて振り下ろす。
「ふん!」
振り下ろしたアックスは何もない地面を割って……
俺を中心に扇状に割れを広げ、ハーピイの群れを強襲した。
〈地割り・扇〉
──GYAAA!?
突如下から岩をぶつけられたハーピイ共は悲鳴をあげる。
まぁ、バランス無くしても武器をこっちに向けてるのは評価に値するな。
さぁて、俺の"仕事"はここまでだ。
あとは若いのに任せるとしよう。
──俺が後ろに退くと、丁度入れ替わりでその"若いの"が飛び込んできた。
……イキがいいねぇ、ククク。
笑いつつ、巻き込まれては堪らないので速度を上げる。
"若いの"の名前はハークレイ。
「おれの足場くらい残せってのっ!」
こちらに叫びつつも
"カタナ"の刃を持つ剣を振ってハーピイ共に死を配るその動きは
速く、鋭い。
攻撃を流し、受け止め避け、
しかし一度攻に転じれば確実に命を刈り取る。
1体の首を裂く。
振り抜いた先の1体の剣を
そのまま剣で払い、流れに任せて1歩を踏み、心臓を突く。
そして槍を突き出す1体に向けて即座に、
しかし軽快にクルリと回転し槍を撫でるように避け、1体を斜めに切り伏せる。
速い、疾い。
こいつはあと数年もすりゃあすげえ冒険者になるな、などと思いつつ、俺は悠々とペンと一枚の紙きれを取り出す。
ハーピイ大討伐:ランクB
討伐数:□□/50
※ノルマ:20討伐
そう書かれた紙の□の枠に、
それぞれ5、0を入れながら
「さて、今回のターゲット全殲滅……と。ハーピイ共も運がなかったな」
俺が呟くと同時、
最後の一体の断末魔が、森に響いた。
†
サイド:ハク
「……ふう。ガウァース、おま、剥ぎ取り手伝えよ!お前1番慣れてんだろーが!」
おれはハーピイの角を剥ぎ取りつつ、叫ぶ。
叫ばれた本人は「おお、悪いなハク」 とか言いつつやって来る。
……絶対思ってないよねこいつ。
おれたち"フォーチュン・デザイア"のメンツは今、デウィーネの外にある"トリッキー・フォレスト"に来ている。
理由は簡単。
おれたちは今、ギルドのお仕事なうなのだ!
パーティー名を決めたあと、おれたちは学園の始業式までの間、ギルドの仕事に慣れよう、という話をしていた。
そしてそれから2日、今回2度目のクエストだ。
……1回目(昨日)はCクラスの討伐クエストだったのだが、対象が老衰っていうかなんていうかで死にかけていたため、
結局たいした苦労もなく終わってしまったのだ。
……うん、まあ、んで、今日は気を取り直してBクラスクエストやちゃおーぜ!って話せるである。
「ったく……つーか、お前あのときルリーアが魔法弾撃ってなかったら危なかったぞ」
「まぁな。けど援護はお前さん達に任せてたから、安心して前進したんだぞ?」
おれが剥ぎ取りつつ嘆息気味にガウァースに言うと、
ガウァースも剥ぎ取りを始めながら言い返してきた。
……いやそれ半ば無茶ぶりだろ、とか突っ込もうとしたときに、
「まったく、調子いいこと言って……正直、危なかったんだからね?」
呆れた様子のルリーアが割り込んできた。
普通に市販のワンピースみたいな淡い色のローブ
(ローブって言っていいのか?魔法使い
用のだからいいのか)を着て、
おれたちが剥ぎ取った角を魔法で綺麗にしていきながら、
ガウァースを可愛く睨む。いや本人は本気なんだけども。
どう見てもむくれてるようにしか見えないルリーアの姿に、
「あー、そうかそうか。そいつぁ悪かったな。今度から気を付ける。だからほれ、むくれない むくれない」
「もーっ!また子供扱いするっ!」
ガウァースが本気に謝るはずもない。
得意の悪役笑いさえしてる始末。
……まあ正直、おれからみれば
ルリーア:父親にワガママを言う娘
ガウァース:うまく宥めて流してる父親
の画にしか見えん。
……まあ、ハーピイのグロい角を
持ってるのを除けばなんだけど。
「ほら、ハクもなんか言ってよ!
ガウァース全然反省してないよっ!」
と、ボーッとしてたら急にルリーアから援護要請がきた。
おれは慌てて言葉を考える。
「ま、まあまあ。ガウァースも気を付けるって言ってんだし、そうむくれるなって……あ」
まあ、そのせいで墓穴を掘る訳だが。
よくよく考えたら、
これ援護じゃねえし。
しかし「あ、やっべ」と思った時には既に遅し。
「も、もぉーっ!子供扱いしないでよぉー!」
先程とはうってかわり、可愛い絶叫が森にこだました。
─────────────────
……それから少し経って。
「ていうか、ホントにこの2日でCとBのクエストやっちゃうとは思わなかったよ、私。2人は強いなあ」
クエストからの帰路、ルリーアは俺たちを見てしみじみ言った。
おれは苦笑しながら口を開く。
「おれもさすがに2日でやるとは思わなかったよ。でも、ルリーアには助けられた。ありがとな」
「ふぇ?わ、私は特に何にも大したことしてないよ?」
「それじゃぁ、俺の背後を守ってくれたのは"大したこと"じゃねぇってか。頼もしいねぇ、ククク」
ルリーアの謙遜に口を開いたのはガウァースだ。
その言葉にあうあう言いながら、恥ずかしそうにするルリーア。
やっべ、ちょー可愛い。
萌えの伝道師ってこういうこと言うのか。
違うか。
そんな平凡な感じでギルドに帰ってきたおれら。
「ぁあ、ガウァースさん達!お帰りなさい!」
ギルドに入るや否や、元気のいい声が迎えてくれた。
「あ、ファーリーさん。クエスト報告なんですけど」
「もう、ただいまくらい言ってほしいです!」
おれの言葉にぷっくり頬を膨らませる受付のお姉さん。
ファーリー・ルーウィットさん。ギルドの受付嬢であり、おれたちがパーティー名を決めたときの受け付けお姉さんである。
歳の割にやたらと幼い動作をするが、それがまた何故か似合っていて可愛いと、デウィーネの冒険者には
アイドルのような感じだ。
まだ2日目なのにこの人と仲が良いのは、
おれらがFランクなのに初日にCとかを簡単にこなして、話が弾んだから、って感じだ。
「あー……ただいま」
「はい、お帰りなさいっ♪」
おれが「あー、忘れてたわ」みたいなノリで言ってもちゃんと笑顔で応対してくれるあたり、かなりいい人だろうとは思う。
……ただ、周囲の冒険者達の殺意が半端じゃないからやめてほしい。
「それで、クエスト報告なんですけど」
「あ、ハイハイ、それじゃあ報酬書を……ってぇえっ!?ハーピイ大討伐、全部やったんですか!?」
「あー……まあ結構一ヵ所にいたんで」
声をあげるファーリーさんに言う。
……あれはビビったなあ。雑談しながら茂み抜けたら集落のど真ん中に入ってたんだもんなあ。
……いやなんで気付かなかったのかなおれたち。
雑談って時として残酷だわ。
苦笑しつつもポーチからドッサリと角を50本入れた袋を差し出す。
また驚愕された。
そんなファーリーさんにおれたちは笑いつつ、報酬を申請する紙にペンをはしらせる。
これでガウァースが報酬を申請して、
それを2階の報酬窓口まで取りに行ってはい終わり、ってなるわけだ。
ガウァースが報酬窓口のある2階に上がって、おれたちは話している。
「いやー、今回は頑張ったな。ルリーアが治癒魔法使えて良かった良かった。やっぱルリーアの両親から教えて貰ったのか?」
「うん。でも、やっぱりハクとガウァースが強いお陰だよ。私だけならとっくにリタイアしてたもん」
あはは、と笑いながら、ルリーアが言ってくる。
おれも笑いつつ、なにか言い返そうとして──
「それってホントに"パーティーの"実績なのかなあ?ただ単にそこのオッサンに丸投げしてんでしょお?ぼくちゃん達はなーんもしてないんだから、いい身分だよねえ?」
声が、けっこーなボリュームで飛んできた。
冒険者達が喧騒を止めて、別のざわめきと共にこちらに目を向ける。
声があがったのはカウンターのすぐ隣の席。
そこにいたのは革の軽装備を着込んで鎖をじゃらんじゃらん付けた、見るからにチャラい感じの冒険者だった。
チャラ男冒険者(仮)はこちらに歩み寄ると、ジロジロとおれとルリーアを睨む。
特にルリーアは執拗に見ている。
……あー、うん、解ってる。
これは、よくファンタジーゲーのイベントであるあれだ。
デキルヤツに嫉妬でムカついて
とりあえずネチネチ言っとこうって奴がケンカ吹っ掛けてくる、的なイベントだ。
……まあ、なんていうか、テンケーテキだなあ。
と、ルリーアがおれの後ろに隠れて、袖を握ってきた。
それを見たチャラ男冒険者は一気に剣呑な顔になる。
……いい忘れてたけど、ルリーアは美少女だ。
透き通るような金髪の髪のサイドテールがよく似合う、赤茶の目がくりっとした、いわゆる"女の子"を絵に描いたような感じの。
そんな可愛い娘が、目の前の他力本願(だとチャラ男冒険者は思ってる)なおれの後ろに隠れる。
……ぇ、これおれ八つ当たり喰らうんじゃね?
「ヘエ……ぼくちゃんそんな可愛い娘つれ回しちゃって、
ホントにいい身分だよねえ?
なにその子、ご自慢のお父さんに買って貰ったのお?ペットお?ギャハハハ!」
……カ ッ チ ー ー ン 。
……まあね?解ってる、解ってるよ?ただのヒガミだってことは。
でもさ、人間、言っていいことと悪いことがある。
言葉によっては人を侮辱されて傷ついたり、怒りまくって手のつけられない事になったりする。
だって、今のおれたちがそうだから。
ルリーアはちょっと震えておれの袖をぎゅうっと掴んでいる。
きっと傷ついただろう。可哀想に。
んで、握られてるおれは。
「……」
無表情。
もうこれ以上ないくらい、無表情。
ただ、無表情で突っ立ってるだけではなく、一個だけ動作はしてる。
──コツ、コツ、コツ──
剣を、指で、弾く。
腰の後ろに斜めにかけてるそれは、右手の指の動きに合わせてカチャカチャ揺れる。
──コツ、コツ、コツ──
それを見て、面白そうに声をあげるチャラ男冒険者。
「ぇ?あれ?なに、キレた?どーすんの、剣抜くの?カッコイー、ギャハハハ!」
──コツ、コツ、コツ──
音は続く。
おれは、ただもうこれ以上ないくらい無表情で、突っ立ったまま、指を動かす。
「ぁれ?こないの?やっぱオッサンに頼ってばっかだから怖いの?」
──コツ、コツ、コツ──
「……お、おい、なんだよこいつ、気持ちわリーな……」
チャラ男冒険者はいつまでも剣を、指を動かして殺気も漏らさずに自分を見ているおれに、さすがに怖くなったようだ。
だけど、まだやめてやんない。
──コツ、コツ、コツ──
音を途絶えさせない。淡々と、指を動かす。
目は無感動に、他はなにもせずに。
いつのまにか、ギルド内のざわめきさえ鳴りを潜めて、音だけが響く。
ルリーアは呆然とおれを見ている。
やがて、待ち望んだ時がきた。
「……おいおい、やけに静かだと思ったら、お前さんか」
報酬を受け取りに消えてたガウァースだ。
すると、チャラ男冒険者がここぞとばかりにガウァースに話しかける。
「おいオッサン、こいつさっきから俺様のこと見ながらずーっとあれなんだよ。あんた保護者だろ?あれどうにかしてくれよ。あれ」
いけしゃあしゃあとのたまうチャラ男冒険者。
周囲から呆れと憐れの混じった視線がチャラ男冒険者に殺到する。
ガウァースはチラリとこちらを見る。
おれは一瞬だけ視線を合わせる。
形は無感動に、だがこいつはおれにやらせてくれという気持ちだけはしっかり視線にのせる。
すると、ガウァースはニヤっと笑って、クツクツと笑い始めた。
「お、おいオッサン聞いてんのかよ。笑ってんじゃねえよこっちゃメーワクしてんだよ!」
そんなガウァースの態度が気にくわなかったのか、チャラ男冒険者はガウァースにまくしたてる。
が、ガウァースはまだクツクツと笑っている。そして、やっと口を開いた。
「ああ、悪い、悪い。ところでお前さん、ランクはいくつだ?」
「はあ?Dだけど、んだよ?なんかあんのかよ」
「そーかそーか、Dか」
チャラ男冒険者の答えに、ガウァースは何度も頷く。
そして、チャラ男冒険者に明るく言う。
「いや、うちの若いのが迷惑かけたなあ、スマンスマン。
それでよ、詫びといっちゃあなんだが、こいつも駆け出しだ。
慢心からこうなっちまうこともよくある。
だから、こいつにもちぃっとばかし痛い目に逢えばわかると思うんだわな。だから、こいつと一騎討ちしてやってくれねえか?なあに、お前さんはD。こいつぁF。負ける要素なんてどこにもねえしよ、ビシッとやっちまってくれや」
いきなり一騎討ちの提案をするガウァース。
──コツン。
音を、止める。
ルリーアは話についていけずに、袖を握る手を緩めながらポケーっとしている。
対するチャラ男冒険者は、ガウァースを見ていぶかしげな顔をするも、おれのランクを聞いてニタニタし始めた。
そして、わざとらしく周りに聞こえるように言う。
「そーだなあ、やっぱここらでシめてやんなきゃダメだよなあ?
んーオッサン話がわかる人で良かったわ。んじゃ、とりあえずオシオキすることにしよう。
おいぼくちゃん、とりあえず通りに出ようぜ?ここじゃメイワクだろ?」
馴れ馴れしく話しかけてくるチャラ男冒険者をシカトして、おれはルリーアを連れて外に出る。
外に出ると、シカトでまたちょっとイラッときたのか、チャラ男冒険者は荒っぽく言った。
「んじゃ、さっさとぶちのめしてやるからなこのクソヤロー」
そしてチャラ男冒険者は剣を抜く。
それを見た回りの連中がまた騒ぎだした。
我慢できなくなってチャラ男冒険者に叫ぶ冒険者やら、呆れ果ててる冒険者やら。
そんな周りにはなにも感じてないのか、チャラ男冒険者はニヤニヤしてこちらを見ている。
……軽く神経の図太さにビックリしたのは内緒である。
「……」
対するおれは、剣を抜かない。
それを見て何を思ったか、チャラ男冒険者はますますニヤニヤしてこちらを見ている。
と、ガウァースが間にたつ。
「お前さんら、準備はいいか?」
「あ~あ、さっさとやろーぜオッサン。ぼくちゃん逃げんなよお?ギャハハハ!」
「……」
ちょっと呆れてしまったのも内緒である。
それでも、目で相手を話さないおれを見たガウァースが、手をあげる。
「……それでは──
──始め!」
そして手が降ろされ、ガウァースが離れる。
ポケーっとしてついてきてたルリーアも慌てて飛び退いて、一騎討ちと称したケンカが、始まった。
「ほーらよぉ!」
最初に動いたのはチャラ男冒険者。
こちらに余裕綽々と走ってきて、愚直に上段からのシミターを振りおろす。
それをおれは半身でかわす。
すぐ横をシミターが通る。
「……」
そして無表情。
無表情。
無表情。
これ精神的にくるんだろうなーとか思ってたら、案の定チャラ男冒険者は気分を激しく害したっぽい。
剣呑な顔で剣を振る。
肩を狙ったシミターの横凪ぎを、しかしまた半歩下がることで避ける。
「ケッ!ぼくちゃん逃げてしかいないよぉ!?」
避けてばかりのおれを挑発したいのか、チャラ男冒険者は唾を飛ばして叫ぶ。
対するおれは。
無表情。
無表情。
無表情。
あれ、これ意外に落ち着くなー。
「……くっそが!」
なんて考えてると、またチャラ男冒険者はシミターを振り回す。
どこでもいいからおれに手傷を負わせるための乱撃。
これはそこら辺の人なら1回は当たるかもしれないなー。
なんて思いつつ、強化魔法を使うまでもなく最小限の動きで避ける。
ブンブン振り回すシミター。
それを避け続けるおれ。
ある程度たつと、その動作の中に一定のリズムが生まれてくる。
「ちいっ……!」
当たらないことに苛立ちを覚えて、力任せに振り続けるチャラ男冒険者。
おれはそれを見て、乱撃のリズムを見極めて、動く。
──そろそろ反撃 するか。
おれがシミターを避けながら、始めて口を開く。
「──壱」
「ク、ソッ!さっさと諦めてやられろよ、ンの野郎!」
おれが言った意味が解らなかったんだろう。チャラ男冒険者はシミターをブンブン振り回す。
だが、周りの連中はハッとした顔をした。
意味がわかったようだ。
これは……カウントダウンだ、と。
「──弐」
乱撃を止めないチャラ男冒険者は気付いていないだろう。
──徐々に開いていく、鯉口の音に。
「──参」
「ク、ソッ!クソッ!当たれよこの、クッソ野郎がああ!」
流石に焦りを見せて、チャラ男冒険者はシミターを振り上げる。
その瞬間、おれは、笑った。
──バカだなあ、至近距離で振り上げるなんて、隙を作ってるのと変わんないだろ。
それを見たのか見てないのか、一瞬だけチャラ男冒険者が驚愕した気がした。
まあ、時すでに遅し、だけど。
「──死!」
瞬間、剣を抜く。
瞬間、勝負は決した。
「……な……ぁ……」
声を漏らすチャラ男冒険者。
その喉元には、おれの剣があった。
「──勝負あり、だなぁ。よし、行くぞお前さん達。
ほらハク、そいつをしまえ」
「……ああ」
騒然とした空気のなかで、おれは剣をしまう。
それを見届けると、ガウァースは今度は面白そうに、呆然としているチャラ男冒険者に歩み寄って、言った。
「あー、ちなみに、だが。こいつらの今回のハーピイ討伐数は、お前さんと一騎討ちしたのが20、俺ぁ14、そこの可愛い嬢ちゃんは殲滅魔法で16、だ。
……ああ、忘れてたけど、これであいつらランクEだったわ。悪い悪い。ククク」
それだけ言って、お得意の悪役笑いをしながら、ガウァースはおれとルリーアを引っ張って宿に向かい始めた。
……いや、この騒ぎどうすんだよ。
はい、とまあそういうわけで、モンスターと戦闘からのチャラ男と戦闘からの壱弐参死と。誤字ではないですよ。厨2です笑
ではでは次回のお話はヒロインとハクとの日常パートでございますが、ここでボソッと
「新キャラフラグ出るよ」
とだけお伝えさせていただきます!
そこで皆様にリクエスト募集第2段でございますが、
新しいキャラは女の子なのですが、なにキャラにしましょうか?
……いえ、スミマセン正直に言います。決まってません。キャラが。
今のところ候補がありまして、
1:ほわぁーッとしてる無口系キャラ
2:~ですわ!な高飛車お嬢キャラ
3:ハクが突っ込みまくる天然キャラ
4:ハムスター的小動物キャラ
の4つです!
皆様のリクエストをお待ちしておりますので、どうかよろしくお願い致します!