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駄文ども  作者: 転寝猫
4/4

水無月のことども

△月△日 はれ

転寝猫は、祭好きである。

日本代表、と聞けばサッカーでもバレーボールでも観るし、以前オリンピックの時など、フェンシングのルールなど全く判らないのに、とにかく勝ったらしい負けたらしいと大騒ぎしたこともあった。フィギュアも食傷気味だと言いながら、結局日本選手は全部観てしまうという、ツンデレぶりを発揮したりもする。

従って、AKB総選挙の生放送も、あたまからおしりまで、全部観た。


AKBよりももクロだ、という意見も多く聞くが、転寝は俄然ともちん推しである。

最近はソロの活動も増え、AKB内の順位争いをプッシュするコアなファンも減ってきたのではないかと危惧しており、ハラハラしながら見守っていた。しかし、『真夏SOUNDS GOOD!』に投票券が入っていたことを、開票日まで知らなかったので<妙に売れているが、あっちゃんラストだからだろうか、と思っていた>、一票も入れていない罰当たりであることは疑う余地もない。

結果は、NHKの9時のニュースでまでやっていたので、皆さんご存知のことと思うが、ともちんは現状維持の8位であった。神7に返り咲いて欲しかった。残念。

「歌が大好き、ダンスが大好き」というともちんのスピーチを聞いていて、なんだかたまらない気持ちになった。周囲に何を言われようと、彼女は夢に向かって一生懸命なのだ。

これからは、いたたまれなくなっても、チャンネルを変えたりせずに見守ってあげよう、と心に誓った。「そうやって、コアなファンは形成されていくんだね」と相方。


こんなことを書いておきながら、本当にファンなのか?という意見は、どしどし受け付ける。来年があったら、是非とも投票しようと思います。


余談だが、まゆゆ18歳に驚いた。<あっちゃん・たかみなと同じくらいかと勘違い>


△月◆日 はれ

活動報告でも延々書いたが、『断章のグリム』読了。

17冊もあった。若干グロにひきつつ、震えながらも面白かった。

グロ系に関しては、血だらだらはそこそこ大丈夫そうだし、ざくざく斬りもまだセーフ、どろどろ溶けていっしょくた、もなんとか慣れた。が、作者は一枚も二枚も上手であった。

転寝はさすがに腐敗が無理だった。蛆は駄目だ、さすがにきついと思った。


小学生時代、ライトノベルはかなり読んだ。

しかし、最近はとんとご無沙汰であり、<『GOSICK』はもとラノベであるので、読んだと言えば読んだのであるが>久々のラノベ体験はかなり有意義であった。

ちなみに『神様のメモ帳』も最新刊まで読んでいる。『池袋ウェストゲートパーク』みたいで面白いと思う。


ずっと追いかけていたシリーズの完結編だったので、余韻がボディブローのように効いており、なにもやる気が起きない。執筆も出来ないし、本も読めない。本や漫画を読んだ後、こういうことはままある。ある程度覚悟していたので、やらねばならないことを全て片付けた上で着手したのであるが、懸命な判断であったと思う。


ところで、今年に入ってから読んだ本が100冊を超えた。

軽いの重いの、薄いの厚いの、さまざまであるが、人生で一番読書をした半年である。

ジャンルがあまりにバラバラなので難しいが、こう書いたからには、ベスト10を選ぶべきかと思うので、頑張ってみる。


1.海辺のカフカ 村上春樹

2.暗号解読 サイモン・シン

3.重力ピエロ 伊坂幸太郎

4.断章のグリムⅢ・Ⅳ-人魚姫 甲田学人

5.5番目のサリー ダニエル・キイス

6.宵山万華鏡 森見登美彦

7.子供たちは夜と遊ぶ 辻村深月

8.夏期限定トロピカルパフェ事件 米澤穂信

9.GOSICKⅧ-神々の黄昏 桜庭一樹

10.神様のメモ帳4 杉井光


うーん、意外と軽かったな。


△月◆+1日 あめ

神狩屋ショックから、まだ脱しきれていない。

なんとか本は読めるようになってきたので、ぽつぽつ読書を始めている。


エレベーターに乗っても乗っても目的階に着かない、という悪夢にうなされた。巨大なビルで、西側に2つ東側に3つのエレベーターがあり、慌てて飛び乗ったエレベーターが一個下の階までしかいかない、別のエレベーターに飛び乗ったら一気に最上階まで上がってしまう…などなど。早く行かないと、事務所が閉まってしまうというのに。しかも、受けたくもない講習会の申込書を提出し、2万5千円の会費を払いに行くところなのだ。

色々と具体的で、大変不快な夢であった。


△月◆+2日 くもり

いい加減しつこい感のある、神狩屋ショックである。

GOSICKの時<そういうこともあったのである>は、最終巻を何回か読んだら脱出出来たので、昨夜は『断章のグリム』の人魚姫と白雪姫を拾い読みしてみた。

結果、ショックは断然濃くなってしまった。ちょっと泣いたし。一体どうすればよいのであろうか。

とりあえず、日常生活に支障はないので、執筆を再開した。

気分をあげるために、久々にニコニコ動画でKOTOKOメドレーなど聴いてみる。あがるというより恥ずかしくなるのは、さすがに年なのだろうか。


△月○にち くもり

ゴルフのレッスンに通い始めて、かれこれ2年近くになる。

とはいっても、近所の屋内レッスン場で、ゴルフバーのようなスクリーンに向かってボールを打つ、というものだけで、打ちっぱなしにすら行ったことはない。つまり、打球が飛んでいくさまを、リアルに見たことがない。

最近、コンピュータが『右4.3度に、113ヤード飛んだよ!』と教えてくれても、眉唾のような気がしてきたので、いい加減腹をくくってラウンドしてみることを決心した。


ゴルフに行くには、道具がいる。

クラブは、随分前にスクールでそそのかされて買ったのだが、ウェア、とかボール、とか、もろもろ必要なものが出てくる。

周囲にゴルフ愛好家がいれば良いのだが、生憎両親もゴルフはせず、道具など何一つうちにはない。

毎週のように職場の仲間とゴルフに出かける叔父がいるが、『家族を顧みない悪い癖』のように白い目で見られるフシがあったので、ゴルフは悪の根源であると思っていた。それ

なのに、毎週バーチャルなグリーンに向かってボールを打ち続けているのだから、人生とは奇遇なものである。


そうこういう訳で、レッスン講師に必要なものを聞き、AKIBAヨドバシのゴルフショップに買い物に出かけた。


我が父は、ゴルフはしないが、なぜかマンシングのペンギンが好きである。何着か所有しているペンギンロゴのポロシャツを、掠れるまで着ている父を見て育ったため、『ゴルフをするからにはマンシングだろう』という意識が強かった。

しかし、マンシングは高い。セール品のコーナーにポロシャツ一着すらない。せめてゴルフバッグはペンギンのついたものにしたかったのだが、他ブランドの類似商品より1万前後高いため、却下となってしまった。今後、更に精進し、ラウンドを余裕で回れるようになったら是非検討したい。


ドライバーのヘッドにつけるカバーが、バラエティに富んでいて面白かった。

赤いぬいぐるみを腕につけ、一緒に来ていた相方に見せたところ、一瞬固まってしまった。

やっぱり駄目か、と戻しにかかったところ、「ちょっと待って!」と言うではないか。

もしや買うかと期待しつつ待ったところ、出てきた言葉は以下のようなもの。

「ムッ…いや…ガチャピン!?………やっぱガチャピンだよね」

「………ムックだよ」

惜しい。


△月☆日 あめ

職場復帰に向けて、目下肩慣らし中である。

ひきこもり生活が思いの外長引いてしまったため、日中は外で過ごすというミッションを決行することとなり、職場の近くの図書館に通い詰めている今日この頃。


職場の知り合いに会うと気まずいので、行きと帰りは眼鏡を掛けて変装している。

この眼鏡、いわゆる伊達というやつで、度は入っていない。それだけでは存在価値がないと製造元が考えたのかどうかは知らないが、UVカット加工が施されており、暗がりで掛けていると大変目が疲れる。

以前先輩から、すっぴんで外出する際に、知り合いに会っても気付かれないよう伊達眼鏡で出かけたら、友達に遭遇し、元気よく声を掛けられてしまったという残念な話を聞いたことがあるが、某逃亡犯が眼鏡を変えたせいで印象がガラっと変わっていて、連行される映像に慄いた経験上、ある程度の有効性はあるものと確信している。


というわけで、毎日せっせと眼鏡をかけて出かけ、図書館に着いたら邪魔な為外すのであるが、眼鏡をとると一瞬視界が暗くなるのに、先ほど気づいた。

繰り返すようだが、眼鏡のレンズはただのUVカットのプラスティックであり、フレームが無くなる分、視界がクリアになるのが通常のはずである。これは一体どういうことであろうか。


転寝は視力が異常に低い。幼少期より分厚い眼鏡を掛けており、メガネザルなるジャーナルスタンダードな呼称をほしいままにしていた過去もある。周囲にレーシックを推奨する声もあるが、眼球にメスを入れるなんて、想像しただけで気分が悪くなるので無理だと諦めている。

コンタクトレンズにして久しいが、寝る前一時間程は眼鏡で過ごしている。昔の恋人に『のびたくんみたいだね』と言われたことがある。


以上のことから推測するに、転寝の脳内には、『眼鏡をとる=見えなくなる』という図式が出来上がってしまっているのではなかろうか。

このため、耳に掛かった眼鏡のフレームが外れると同時に、何らかのセンサーが働いて、『見えにくくなるから気をつけて!』という信号が脳に流れているのかもしれない。

あまねく人間の行動は錯覚に満ちているので、仮にそんなことがあってもおかしくないような気がする。


とはいえ、最近認知心理学とか、心理学とかに傾倒し、そんな本ばかり読んでいた影響も大きいのかもしれない。


△月✕日 くもり

相方は毒舌である。

そして、それが非常に的確であるというお話。


転寝の小説に一切興味を示さず、それどころか遠ざける素振りを見せるので、以前理由を問うたところ

「そんな、身内の妄想を具現化したようなもの、気持ち悪すぎて読む気がしない」

という答えが返ってきた。


また、イラストを初めて見せたときには

「思ってたよりうまいこと描けてる」

と一旦持ち上げた後、

「でも、一昔前のエロゲみたいな絵だね」

と辛辣なコメントを述べてくれた。


最近のクリティカルヒットは、以下のようなもの。

転寝は根暗なので、小説でもダークサイドをがんがん押してしまうのだ、と話したところ、

「萌えないラノベなんて、酔えないお酒と一緒じゃん!」

と一蹴された。


返す言葉もございませんといった次第である。

相方を酩酊させられるような小説が書ける日は、果たしてやってくるのだろうか。


△月●日 はれ

ゴルフ場デビューの日である。

とはいえ、レッスンプロ同伴であり、本格的にコースをまわりましょうというものではないので、気楽な気持ちで臨んだ次第。


到着したゴルフ場は、比較的難易度の高いコースであったらしい。

アップダウンの激しさに、一瞬我が目を疑った。一応『こっちだよ』というポールは立っているものの、連なる急な丘に隠れて、旗が見えない。一体ゴールはどこなのだ。

バンカーも、馬鹿じゃないかと思うくらい深かった。うっかり落ちたら大怪我ものである。

しかし、いざラウンドしますよとなったら、泣き言を言っても無駄。ひたすら丘陵を上りまた下り、ボールを探して走りに走らなくてはならない。そして暑い。恐れていた程ではなかったが、紫外線の天下であったのは疑う余地もない。

ゴルフが趣味のオジサンといえば、ゴルフウェアのポロシャツからメタボのお腹をぽっこりのぞかせ、休憩となればビールを飲んで、赤い顔してカートに乗って、というイメージであったが、休みの度に斯様に過酷な環境に身を置いておられるのか、と思うと、ちょっと見る目が変わる。好き好んでしょっちゅう行く方など、ストイックにもほどがある。


今回初めて行ってみて、自分にはまだラウンドは無理だ、ということがはっきりわかった。

しかし、楽しかった。充実した日曜を過ごした、という静かな感動があった。

行くぞ、またいつか。


△月◇日 くもり

寒い。暑い暑いと常々思っていた図書館の空調が心地良い。

最近、ダニエル・キイスの多重人格ものにはまっている。

24にも人格が分裂してしまったら、一個一個を覚えるのも大変そうだが、実際の人間がいるような感覚なのだろうから、そうでもないのかなと思ったりする。


そろそろ職場復帰が見えてきて、ながなが休んでいたくせに、やりたかったことのうち、読書くらいしかやっていないことに気づいた。とんでもない怠け者である。

復帰後、また仕事漬けになってワーカホリックになって自滅するのはまっぴら御免であるので、なんとかワークライフバランスとやらを充実させるにはどうしたらいいかと考えていて、ふとビリー・ミリガンに思い当たった。


転寝は、帰属意識の強いタチであると自認している。

だからこそ社畜と成り下がってしまうのであるが、やりたいこと、やるべきことがそれぞれ、独立した一つの部活動であると考えれば、どうであろうか。

具体的には、執筆活動を『文芸部』、読書を『読書クラブ』、仕事関係の勉強を『勉強会』などと称したものを組織し、それらの独立した活動とみなして行動するのである。

はたして、うまくいくかものかどうか。

相方に大まかな概念を聞かせてやったところ、

「熱心に語ってもらったのに大変申し訳ないが、意味が全くわからない」

と言われてしまった。本人もよくわかっていないのだから、もっともな指摘である。


名案を思いついた気になり、非常にすっきりしたものつかの間、『これもしかして、森博嗣先生がHPでやってるやつか』と気づき、ちょっとだけがっかりした次第。

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