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え、・・・で?

掲載日:2026/02/04

短編です

 朝からずっと、待ってるのに、いっこうに名前が呼ばれる気配がない。

「○○さん、どうぞ~」

 私の隣に座る女性が呼ばれた。

 この病院いつも思うけどすごく混んでる。朝早く来たつもりだったけど、すでに待合室の席は超満員。ようやく空いたその女性がいた場所に座ろうと思ったら、お爺さんが来て、思わず席を譲ってしまった。せめてお礼くらい言ってもらえたら、私もそんなにイライラしないのになぁ。

 内科、整形外科、耳鼻咽喉科、小児科、他にもさまざまな科があって、それぞれのドアの前にたくさんの人が座っている。この街で唯一の病院だし、混むのはわかっていたけど、病院が始まってからすでに3時間も経っているのに、呼ばれる気配がない。

 目の前を通った看護師さんに声をかけたけど、無視されてしまった。忙しそうにバタバタしているから、仕方ないかもしれないけど、「ちょっと待っててください」とかそういう言葉を言ってくれればいいのに。この病院、スタッフの態度が良くない気がするなぁ。まぁでも、大きな病院はココしかないし、ここに来れば、検査は一回で済む。その便利さを時間を払って買っているようなものだ。

 待ちくたびれて、病院の入り口付近にある自販機でコーヒーでも買おうかと思って一歩踏み出そうとしたら、頭がグワリと回った様な気がした。視界が歪む。なんだか気持ちが悪い気がする。あぁ、体が支えられない。


 気が付くと私は床に寝そべっていた。冷たい床。というか砂?土?が手と頬についている。私、病院にいたんじゃ?

「お待ちしておりました」

 スーツを着た男性が、いつの間にか私の頭の近くに立っていた。

「え、・・・っと、誰?」

「△△様ですよね」

「えっと、はい、そうですが」

 男性は私の名前を確認すると、にっこり微笑んで私を起こしてくれた。

 私は体中に着いた土を払って、男性を見た。ニコニコとしているけど、なんとなく優しい笑顔というよりは、笑顔が張り付いているだけのように見えて、怖かった。

「あの、」

「どうぞこちらへ」

 説明を求めて口を開いたけど、私は男性に促されるまま歩き出した。

「ここはどこなんですか?」

 聞いたのに、応えてくれない。いったい何なのだろう。さっきの病院でも、無視をされたし、私もしかして視えてない?

「こちらでお待ちください」

 男性はそう言って、門の前に私を連れてくると、どこかへ行ってしまった。

 結局説明は受けられないまま、門の前で待つ。また待つのか、もう待つのは疲れたんだけど。

「△△様、中へどうぞ」

 今回は名前を呼んでもらえた。よかったよかった。

 そう思って中に入ると、正面に豪華な装飾の服を纏った体の大きな男の人が立っていた。傍にはさっきの男性に似た、細身の男性もいる。

「△△さん、あなたは今の状況が理解できていますか?」

「状況?」

 まったく理解できない。

「△△□□さんですよね?」

「いえ、私△△□〇です」

 そう答えると、急に場がざわついた。


——え、・・・で?——

え?・・・ん??

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