表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

幼少期の思い出・手品?

 あれは、私が小学校低学年で、弟(二男)が幼稚園生くらいだったと記憶している。

 当時、家に小さいパチンコ台のおもちゃか、野球ゲームだったかがあったが、それには、当然パチンコ玉がアイテムとしてついていた。

 ある日、自宅の部屋に二人っきりでいた時、弟が突然、「兄ちゃん手品を見せてやる」と得意げに言った。

 なにをやるのかと思って見ていたら、その手には、例のパチンコ玉。

 弟は、それを手に取り、「今から、この玉を消して見せるけん、見とってよ。」と言って、左右の手を何度か交差して見せた。

 そして、その球が自分の手から消えたことを、両手の掌を開いて見せた。

 凄い。玉が本当に消えてしまったと感心した私は、弟に「どがんしたと?」と聞いた。

 ちなみに、私達兄弟は、生まれも育ちも佐賀県。そう、「SAGA」の佐賀である。

 だから、当然のことながら、佐賀弁で話している。

 話を元に戻そう。私が弟に手品の種明かしを聞いたところ、単純な弟は(幼稚園生だから単純は当然か)、おもむろに自分の鼻の穴に指を突っ込んだ。

 そう、弟は、手を交差した時に、瞬時に?パチンコ玉を鼻の穴に入れたのだった。が、しかし、馬鹿な弟は(幼稚園生だから仕方ないか・・・)、鼻の穴に指を突っ込んだことで、パチンコ玉を鼻の穴奥深くに押し込んでしまったのだ!

 もがく弟、それを何ら心配することなく見守る私。でも、もがけばもがくほどパチンコ玉は、弟の鼻の穴奥深くに潜り込んでいく。

 端で見ていた私は、不覚にも、もがく弟の姿を見て「馬鹿が。なんしよっとや。」と笑ってしまった。

 しかし、パチンコ玉が鼻の穴から出でこないことをやっと悟った弟は、大声で泣き出した。

 でも、私が弟の指より太い指を突っ込めば、更に事態は悪化すると考え、両親に助けを求めた。

 何を隠そう、後で聞いたところでは、弟にこの手品を教えたのは父だったが、父は、パチンコ玉を取り出す方法までは弟に教えていなかったのだ。

 父が、ちゃんとパチンコ玉の出し方を教えていれば、このような事態を招くことはなかったのに・・・

 事は単純、皆さんも分かると思うが、パチンコ玉を鼻の穴から出すのであれば、「フンッ」と勢いよく鼻をかむ要領で、鼻から息を吐き出せばいいだけのこと。

 それを弟は知らず、破滅の道をたどったのだった。

 結局、弟の鼻の奥にあるパチンコ玉を誰も取り出すことはできず、大泣きする弟を病院に連れていくことになったが、病院という言葉を聞いた弟の断末魔の叫びは更にエスカレートするばかりだった。

 ところが、玄関を出ようとしたその時、弟が「あっ、出るかもしれん。」と言って、勢いよく「フンッ」と鼻から息を吐きだしたところ、大量の鼻水とともに、テカテカ光ったパチンコ玉が飛び出した。

 そう、大泣きしたことで、大量の鼻水が湧き出し、その鼻水のおかげで、パチンコ玉がヌルヌルと鼻の入口まで下りてきたのだった。

 家族一同大喜びの中、弟に馬鹿な手品を教えた一番の大罪人の父が一言「馬鹿が」

 いや、馬鹿は、年端もいかないガキに余計なことを教えたあんただろう。

 弟の幼少期は、こんなことばかりだったが、それは追々書くことにしたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ