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40階層

金毛巨狐を撃破した後、スミスが皮を剥ぎ取り、イース達は階段を降りていく。


スミスは機嫌良さそうに鼻歌を歌っていた。


スミス「このダンジョン、良い素材ばっかで最高だな!」


イース「よかっ・・・たね。」


イースは苦笑いする。


31階層に降りてくると、風景が変わる。


そこは熱帯雨林いわゆる「ジャングル」が広がり、所々から魔獣の鳴き声が聞こえた。


アイビス「ジメジメして暑い!」


マリン「むわってするね!」


ソド「何か来る。」


ソドが言うと、草周りの木の影から狼や猪等の魔獣が現れ、イース達を威嚇する。


イース「行く・・・よ!」


イース達は、それぞれの魔獣を倒し始めるが、明らかに上層より魔獣の数が多くなっていた。


ルシア「きりないな。「召喚」」


ルシアの周りの地面に黒い影が広がると、中から何十体もの鎧を着た骸骨が剣や斧、槍を持って現れる。


ルシア「やれ!」


ルシアの骸骨達が一斉に魔獣に襲いかかり、撃破していく。


スミス「流石だね。」


ルシア「修行の賜物だよ。さぁ、どんどん行くぞ。」


ルシアの活躍で、イース達はどんどん進んでいく。


40階層に着くが、扉は無かった。


マリン「あれ?てっきり10階ずつ扉があったからボスエリアだと思ったのに無いね?」


その時、イースはジャングルから発せられた殺気を感じ取った。


イース「何か・・・いるぞ!」


ジャングルの中から大きなものが飛び出し、スミスを襲う。


が、スミスはすぐに反応し、バックステップで避け、オーラを放ちながら刀を構える。


目の前に出てきたのは、全長10メートルくらいの黒い大蛇で、口からは長い牙と黒い炎が出ていた。


ヘルスネークジャイアントだった。


スミス「それにしても難易度Sランク魔獣ばっかだな。じゃ、今回は俺がやるね。」


スミスは刀にオーラを圧縮する。


しかし、ヘルスネークジャイアントは、スミスのさっきに気づいたのか、またジャングルの中に消えていく。


スミス「ありゃ、頭良いね。」


スミスがオーラの圧縮を解いた瞬間、ヘルスネークジャイアントが飛び出して来て、スミスを襲う。


スミスも反応して避けると、ヘルスネークジャイアントはジャングルの中に消えてしまう。


スミスが警戒を解かないでいると、ジャングルの中から黒い炎がスミスに放たれる。


スミスが避けても、黒い炎は止まず、辺りを焼け野原に変えていく。


スミス「きりがないな。早く終わらせるか。「エリアサーチ」」


スミスからオーラが半円状に周囲に広がっていく。


そして、スミスの体からもオーラが放たれ、刀に圧縮される。


スミスは刀を鞘に収め、腰の辺りに持ってくる。


スミス「見っけ。これで終わりだな。」


そこに黒い炎が何発もスミスに放たれていた。


スミス「断絶」


スミスから右の方向に向かって何かが飛んだ。


ようは居合いである。


すると、何かが飛んで行った方向にあった黒い炎やジャングルの木々に線が入り、斬れていく。


300メートル先まで木々が斬れて景色が開けていくと、真っ二つに斬れて絶命するヘルスネークジャイアントの死体があった。


アイビス「ま、ま、まぁまぁやるじゃない!」


アイビスは驚きながらも誉める。


スミス「ま、ま、まあね!」


スミスも誉められたのが恥ずかしかったのか、顔を赤くして答える。


マリン「はいはい。まだ、先は長そうだよ?イチャイチャしてないで行くよー」


アイビス「別にイチャイチャしてないし!」


アイビスの顔も真っ赤だ。


この二人がくっつくかどうかはまだ分からないが、良い雰囲気である。


こうして、平和な空気の中、戦闘は終了し、イース達は40層をクリアしたのだった。

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