斬る極意
スミスとソドの1ヶ月の修行は突然終わる。
フェンリル「基礎はこんなもんで良いか。さて、本格的に技を教えるぞ。」
スミスとソドは
今さら何言ってるの!?
みたいな顔になる。
フェンリル「お前達の武器は刀と大剣だ。当然、斬るわけだ。じゃぁ、斬るって何だ?」
スミス「刀を振るえば良いじゃないですか?」
ソド「力を入れて斬る。」
フェンリル「そうだな。じゃぁ、これを斬ってみな。」
フェンリルは右手を前に出して、直径2メートルはある氷塊を出した。
氷塊にはオーラで強化されている。
スミス「これは無理ですよ!硬すぎます!」
フェンリル「ん?硬いとなぜ斬れないんだ?まぁ、やってみろ。」
スミスはため息をつきながら、フェンリルの言うとおり、氷塊を刀で斬ろうとする。
カァーン
スミスの刀は氷塊に弾かれる。
ソドもスミスの後に同じように斬るが斬れなかった。
フェンリル「今、どうすれば斬れたと思う?」
スミス「もっとオーラと力、速さがあれば、斬れるかもしれません。」
フェンリル「まぁ、そう思うよな。じゃ、見てろ。」
フェンリルは氷塊の前に立つ。
オーラを右手に集めると、力まずにゆっくり氷塊を引っ掻く。
サッ、ガッガッガガガガガ、ドォーン
氷塊に横斜めに線が入ると、ゆっくりずれて崩れた。
スミスとソドは驚きを隠せない。
フェンリル「どうだ?ゆっくりでも斬れたぞ?」
フェンリルは不敵に笑う。
フェンリル「さて、答えを言おう。斬るのに必要なのは「鋭さ」だ。要はオーラを薄く鋭く纏う事が大切なんだよ。」
スミス「オーラの形とかを変えるんですか!?そんな事できるんですか?」
フェンリル「今、見ただろ?できるさ。実際、お前らにやってもらうぞ?」
ソド「こんな技術が・・・」
フェンリル「この技術は「絶爪」と呼ばれている。これを極めると、魔法の防御壁やどんなに硬い防具でも斬れるようになる。避けられなければ、一発で大ダメージだ。」
スミスとソドは、真剣な眼差しでフェンリルを見る。
フェンリル「良い面だな。さぁ、始めようか。オーラを変化させるのは大変だぞ?体力もいるからな。でも、この1ヶ月で基礎はできてるから大丈夫だろう。」
こうしてフェンリルの技の修行が始まる。
スミスとソドはオーラを体から放ち、操ろうとするが、全く動かない。
フェンリル「そう簡単にはいかないさ。がんばれ。二人とも。」
フェンリルが笑うのだった。




