やっぱり、イースは勘違い
それから別世界で一年が経ったころ、イースのトレーニングは続いていた。
リリィ「次!次!次!」
イースはリミッター外しの感覚を覚え、暗黒石を一発で砕けるようになっていた。
リリィ「次!最後!」
イースが最後の暗黒石を砕くと、リリィがトレーニングの終わりを告げる。
リリィ「一年で第一段階クリアか。ペース遅い。少し休憩とってから第二段階に入るよ。」
イース「疲・・・れた。」
イースが体を仰向けに倒し、休憩しようとした時。
リリィ「はい!休憩終わり!」
イース「えー!」
リリィ「第二段階は暗黒石のゴーレムと戦ってもらうから。動くし、攻撃もしてくる。難易度は岩を壊すより断然高いからね。さぁ、スタート!」
リリィは、そういうと魔方陣が浮かび、全長5メートルくらいの暗黒石ゴーレムを数えきれない程、創造していく。
リリィ「ちなみに一体だけじゃないから!」
イース「ふ・・・ざけ・・・んな!」
イースは文句を言いながらも、暗黒石ゴーレム達に向かっていく。
イースは全身の筋肉のリミッターを外せるようになっていたので、走ったりする時も一瞬、使ったりと大分応用ができてきていた。
イースはまた一体、また一体と暗黒石ゴーレムを倒していくが、数が減った気がしない。
ただイースは全力を尽くすのみだった。
1日もかからず、イースは暗黒石ゴーレムを粉砕した。
リリィ「今度は早いね。さて、休憩した後、第三段階いくからね。」
イースがため息をつきながら、座ろうとした時。
リリィ「はい。休憩終わり!さぁ、次行くよ。」
リリィが右手を地面にかざすと、魔方陣がいくつも浮かび上がる。
リリィ「次は人形の暗黒石ゴーレム1000体ね。さっきのと力は同じ、スピードは約10倍、武器も使うからね!さぁ、始めなさい!」
リリィが創造した人形の暗黒石ゴーレムが一斉にイースに攻撃を仕掛ける。
イース「クソッ!ふざけんなよ!」
イースは悪態をつくと、すぐに暗黒石ゴーレムを相手にするが、暗黒石ゴーレムの動きが速く、全然、攻撃が当たらない。
リリィ「死ぬ気でやらなきゃね。頑張れ。」
リリィは大きな胸を揺らしながらエールを送った。
イースは複数の暗黒石ゴーレムにボコボコにされながらも、徐々に避けたり、攻撃を当てたりできるようになるが、攻撃を受け流されるため、なかなか暗黒石ゴーレムを破壊できなかった。
それからの時間は長かった。
約一年かけて、人形の暗黒石ゴーレムを破壊していった。
イース「これで最後!」
イースのスタッグキックが最後の暗黒石ゴーレムを捕らえ、バラバラに破壊した。
リリィ「素晴らしいね。休憩挟んで、第四段階だよ!」
イースは、さすがに寝転がって休もうとした時。
リリィ「はい。終わり。第四段階行くよ。1000体の暗黒石ゴーレムはさっきと一緒。それに私のオーラを付与すると。」
1000体の暗黒石ゴーレムが創造されると、暗黒石ゴーレムから黒いオーラが溢れだす。
リリィ「これは強いよ?油断すると死ぬからね!」
イース「もう!休憩無しってまたかよ!暗黒石ゴーレムも何かヤバイし!」
イースは三年目に入り、リリィとは普通に話せるようになっていた。
そんな事を考えている暇もなく、イースは1000体のオーラ付きゴーレムと戦う。
だが、頑丈になった暗黒石ゴーレムはそう簡単には壊せない。
半年くらいは全く相手にならず、ボコボコにされるイースだった。
それ以降はイースの攻撃が当たるようになり、リミッター外しのタイミングも完璧にマスターしたためか、ゴーレムの数が減っていった。
そして、一年後には最後のゴーレムを破壊して、イースの第四段階のトレーニングが終わったのだった。
イース「これで才能ある人より少し弱いくらいなったかな。」
うな訳無いだろ!
お前、大分強いから!
勘違いも良い加減にして!




