初護衛依頼
フローズヴィトニルに護衛指名依頼があった。
ラン「フローズヴィトニルに護衛依頼が来てます。受けないと実績が下がるペナルティがあります。受けますか?」
マリン「そりゃ、受けるよ!」
アイビス「ちょっと!内容聞かずに決めないで!」
スミス「そうだね。アイビスの言うとおり。」
シスカ「マリンさん~ダメですよ~」
イースも頷く。
マリン「あ、ごめん。ランさん!護衛の内容は?」
ラン「内容は商団を首都まで護衛する依頼です。依頼人はマルモケ商団のゴクスさんです。報酬は大金貨2枚です。商団の規模は馬車が三台、商団の人が10人くらいです。首都の手前にあるカイダの森に盗賊団がいるようで、護衛すれば、盗賊団が襲ってくるのは必須条件です。盗賊団は生け捕りにしなくても構いません。」
マリン「なるほど!商人を首都に着くまで守ればOKね!」
アイビス「あんた本当に聞いてた!?盗賊団におそわれるかもしれないのよ!」
スミス「生け捕りじゃなくて良いという事は極悪人とはいえ、人を殺す可能性があるね。皆は殺しの経験ある?俺は無いよ。」
他の四人も経験は無かった。
スミス「良い経験になるかもしれないね。いざって時のためにね。」
マリン「受ける?」
アイビスとシスカは悩んだ結果、黙って頷く。
イース「俺・・・才能あ・・・る人には・・・勝て・・・ないよ。役に・・・立たな・・・いかな。」
四人は「何言ってるんだ!こいつ!」みたいな顔をイースに向ける。
スミス「いやいや。できるでしょ。」
イース「無理・・・だよ。才能・・・無し・・・だよ。最弱・・・だよ。」
イースは本気で勘違いしていた。
イースの育った環境から言えば、しょうがなかった。
才能あるやつにボコボコにされ、学校にも行けず、一般的な教養もなく、魔獣の知識もない。
そのせいで人付き合いもできなかった。
自分が倒しているのが、魔獣とも分からない。
世の中の才能ある人は、皆、自分より強い。
それがイースの当たり前だった。
イース以外の四人は集まってこそこそ話し始める。
マリン「そういう事で。ランさん!依頼受けるよ!」
スミス「イース。後で渡したい物がある。」
イースはうなづいた。
こうしてフローズヴィトニルのご援助依頼が決まった。
出発は一週間後。
マリン達はイースに秘策を授ける言葉にしたのだった。




