イースが~夜なべをして~
イースは拠点に戻ると、焚き火をつけ、椅子に座る。
初めての仲間とのパーティー活動。
大変だけど、楽しかった。
思わず、イースはニヤリと笑ってしまう。
部屋の角に狼の毛皮が積み重なっているのが見えた。
狼の毛皮は、ダークグレー。
マリンに頼まれていたパーティーお揃いの外套を作るための毛皮だ。
イース「疲れたから、今度にするかな。」
イースはそう言いながら、パーティーメンバーが外套を着た姿を思い浮かべる。
めっちゃ良い!
カッコ良すぎる。
イースは、中二病を発症しているのもあったが、外套をお揃いで着たい気持ちが強くなっていく。
イース「やるか!」
イースは裁縫箱を出すと、狼の毛皮を加工し始める。
マリン、シスカ、アイビス、スミスの事を思いながら、手を進めていく。
途中から鼻歌を歌いながら、時間も忘れて作業していった。
翌日、ギルドにマリン、シスカ、アイビス、スミスが集まっていたが、イースだけ来ない。
マリン「イース遅い!」
スミス「イースが寝坊なんて珍しいな。」
マリン「皆でイースをお越し行こう!」
シスカ「はい~」
アイビス「しょうがないわね!」
こうして、四人は町を出て、イースの家に向かった。
イースの家が見えてくると、いつもより静かな気がした。
マリン「あれ?イース大丈夫?」
マリン達は、イースの家に入ると、床にうつ伏せで倒れているイースを発見する。
まさに、火○サス○ン○!
マリン「イース!」
マリンが声をかけても返事は無い。
スミスがイースに近づいて様子を見る。
イース「スースー」
スミス「あ、寝てるわ。」
アイビス「寝てるんかい!」
シスカ「あらあら~」
マリン「心配かけて~」
スミス「イース!起きろ!」
イース「う、え、あ、おは・・・よ。」
四人「おはよう!」
イースは起き上がる。
イース「ごめ・・・ん。朝・・・まで・・・外套・・・作って・・・たら寝・・・ちゃった。お揃・・・いだよ。」
イースは、壁にかけてある狼の外套5着を指差す。
外套はダークグレーで、狼の頭のフードがある。
というか外套というより、制服に近い。
なかなかオシャレだ。
マリン「すごい!出来たんだね!」
イース「うん。」
イースは照れ臭そうに笑う。
スミス「皆で着てみようか。」
五人は外套に袖を通した。
アイビス「なかなか絵になるじゃない。」
シスカ「いいですね~」
皆、気にいったようだ。
マリン「これがフローズヴィトニルのメンバーの証だね!」
こうして、後にSSSの上、Xランクパーティーのシンボルの狼の外套が誕生した瞬間だった。
狼の外套を着た五人組。
なかなか中二病っぽくて良い!




