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帰還


イース達はドロップ品を見ながら、話していた。


マリン「売っちゃって良いかな?」


シスカ「使えない物は、お金にしちゃいましょ~」


スミス「それで素材買えば、お前らに武器作ってやれるな。」


アイビスが真剣な顔をして皆を見る。


アイビス「皆。それ、私、欲しいだけど。ここに来たのも、それが目的だったんだよ。」


アイビスは黒い王冠を指差す。


マリン「いいんじゃないかな。皆は?」


イース、シスカ、スミスは頷き、了承する。


アイビス「え!良いの?皆で勝ち取ったんだよ!そんな簡単に・・・」


スミス「事情あるんでしょ?」


シスカ「気にするなです~仲間じゃないですか!」


マリン「じゃぁ、王冠はアイビスね。後は売って分配で良い?」


皆はそれぞれ返事をして了承した。


マリン「アイビス。いつか事情を話してくれると嬉しいな。仲間なんだから。」


マリンは笑顔でアイビスに言うと、アイビスは目をうるうるさせていた。


アイビス「皆、ありがと。」


アイビスは満面の笑みで言った。


五人はドロップ品を持って、漆黒城を出て、冒険者キャンプに向かう。


キャンプに戻ったころには、辺りは暗くなっていた。


五人は夕食を食べると、疲れたようで、すぐにマリン、シスカ、アイビスは、テントに入って寝てしまう。


イースとスミスは焚き火の番をして過ごしていた。


スミス「イース。町に戻ったら武器を作ってやる。お前だけ、武器無いからな。」

イース「うん・・・あり・・・がと」


イースはキセルを吸い始める。


スミス「イースのそれ、カッコいいよな。」


イース「師匠・・・に・・・もらっ・・・たんだ。」


スミス「師匠いるんだ。名前は?」


イース「知ら・・・ない。森・・・にいた。」


スミス「何かすごい出会いだね。機会があれば紹介してね。」


イース「うん。」


イースは師匠に貰ったネックレスの銀細工を出して、ボーッと見つめる。


スミス「それ何?」


イース「師匠・・・にも・・・らった。弟子・・・の・・・証。」


スミス「すごいね。見せてよ。」


スミスが銀細工を見ると、三日月の形をしていた。


スミス「!?」


スミスは驚いた様子だったが、何も言わなかった。


イース「師匠・・・の攻撃・・・は早す・・・ぎて見・・・えない・・・し、力も・・・強い。本当・・・に強い・・・人・・・だよ。」


スミス「そっか。良い人と出会ったんだな。それにしても、もうそろそろ慣れて、普通に話して欲しいな。」


イース「ゴ・・・メン。話す・・・時、緊・・・張し・・・ちゃう・・・んだよ。」


スミス「マリンには普通なのにな。」


イース「マリ・・・ンは幼・・・なじみ・・・だから・・・だよ。」


スミス「まぁ、そのうちな。それにしても、キセル、俺も欲しいな。作るか。」


イース「タバ・・・コ吸・・・うの?」


スミス「吸った事ないよ。」


イース「紙・・・巻け・・・ば吸・・・えるけ・・・ど吸う?」


スミス「うん。吸ってみたいな。」


イースはタバコの葉を紙で巻いてスミスに渡す。


イース「火を・・・近づ・・・けたら・・・吸って。火、つく・・・から。」


スミスは頷いて、タバコを吸った。


スミス「ゴホッゴホッ」


スミスは咳こんだ。


スミス「苦しいな。あと、少しクラクラする。」


イース「最初・・・は・・・そんな・・・もん・・・だよ。」


スミス「でも、キセル、カッコいいよな。絶対作ろ。」


イースは頷く。


二人はタバコを吸いながら、焚き火を眺めながら見張りをした。


翌朝、五人は町に戻ると、ギルドにダンジョンクリアの報告をした。


ラン「漆黒城のクリアですね。お疲れ様でした。」


マリン「王冠をかぶったボスがあんな強いなんて思わなかったよ!」


ラン「え?王冠?何の話ですか?あそこは亡霊近衛騎士が五体くらいのはずですよ。」


マリン「ううん。玉座に座ってたやつ1体だったよ?」


ラン「まさか、ネームドですか?ちょっと詳しく聞かせて貰います。」


五人は会議室に案内される。


ランは、マリン達から漆黒城のダンジョンボスの内容を聞いていく。


ラン「ネームドですね。出現率がとても低いですが、稀に出るんです。ネームドの強さは、BからAランク、それ以上のボスもいます。皆さん、無事帰還してくれて良かったです。この情報は漆黒城を探索する冒険者達に情報共有したいのですが、よろしいですか?」


五人は黙って頷き、承諾する。


ラン「ありがとうございます。無駄な死者を出さなくてすみます。あと、漆黒城の難易度設定を低級から上級に切り替えないといけませんね。それでは話はこれで終わります。情報料として、フローズヴィトニルに大金貨3枚、パーティーランクBに昇格します。パーティーランクBの特典により、フローズヴィトニルには、クランの設立が認められます。さらに上級ダンジョンへの入場許可もおります。」


クランは、複数のパーティーが同じ目的のため、手を組んだグループの事で、この世界にも大から小まで色々なクランがある。


マリン「すごいね!」


シスカ「やりました~」


アイビス「まぁ、私達ならこんなもんよね!」


スミス「うん。頑張ったよね。」


イース「うん。」


ラン「それでは、報酬をお渡します。どうぞ。」


マリンが代表で報酬を受けとると、五人は会議室を出て、ギルドをあとにした。

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