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ザ・勘違い


イースとマリンは、戦闘後、家の中でお茶をすすりながら、話していた。


マリン「ねぇ。さっきの戦い方凄かったね。オーラ使ってる私と互角の勝負するなんて。誰かに教わったの?」


イース「師匠に少し教わっただけ。あとは動物の動きを真似してるんだよ。大した事無いよ。」


イースは、そう言うと、キセルを吸い始める。


マリン「師匠って、それくれた人でしょ?」


イース「うん。教えてもらったら動き良くなったよ。」


マリン「イース。ぶっちゃけ魔獣倒した事あるでしょ。」


イース「無いよ。会ったことないもん。才能無しの俺が勝てる訳無いでしょ。」


マリン「さっき見た強さなら余裕で魔獣倒せるはずだよ。本当に魔獣と戦った事無いの?」


イース「無いよ。会ったことも無いよ。それに才能無しの俺が強い訳ないでしょ。」


マリン「そっか。・・・」


マリンは、村でイースに強いと言った時にイースの機嫌が悪くなった事を思い出す。


イース「才能無しでも生きてかないといけないから出来る事をやらなきゃね。狩猟や解体、料理、裁縫何でもね。」


マリンはイースの真剣な眼差しを見て、イースが今までそうしないと生きていけなかったんだと察する。


マリン「イースはメンタル強いなぁ。・・・かっこいいし。」


イース「え!?かっこいい?」


イースは照れたように笑う。


イース「確かにメンタルは強いよね。あ!今までの強いってメンタルの事?じゃぁ、俺強いかもね!」


マリン「え!?強いって・・・」


マリンはイースの戦闘能力が強いと言っていたのだが、イースにこれ以上言っても通じないと思い、それ以上言わなかった。


マリン「ザ・勘違い。だね。イースは今のまま頑張れ!私は応援するよ!」


イース「うん!俺、頑張る!俺もマリンを応援するぞ!」


マリン「うん!」


二人は顔を見合わせながら笑い合うのだった。


イースの勘違いは、いつ直るのかは誰も分からない・・・


マリンは昼には、町に帰って行った。


イースはマリンを見送る時、少し寂しい気持ちになった。


そして、イースのいつもの日常が戻る。


イースは、早速、トレーニングを始める。


生きるために。

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