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教会の闇


シスカと話していた神父のケビンは考えていた。


シスカお嬢様が、なぜあんな事を言ったのか。


今日のシスカお嬢様の様子は明らかにおかしかった。


ケビンは誰もいない壁に話しかける。


ケビン「しばらくお嬢様を監視しろ。悪い虫がついたかもしれん。」


?「御意」


壁の黒い影がいっしょ動く。


実は神父の役職は偉い。


上から教皇、枢機卿、神父(聖騎士長)、副神父(副聖騎士長)、聖騎士、聖騎士見習いの順だ。


要はケビンは教会の菜かでは大幹部なのだ。


返事をしていたのは、教会の影「逆十字」。


教会に都合が悪い者を消す者達だ。


ケビン「考えすぎなら良いのだがな。」


ケビンはため息をついた。


次の日、シスカは冒険者の仕事をして、町に帰る前にイースのところによっていた。


イースは相変わらず、岩を使って筋トレしていた。


内容は、岩を背負って全力ダッシュだ。


シスカはあまりの光景に絶句する。


すると、イースがイスカに気付き頭を下げてきた。


シスカも反射的に頭を下げる。


そして、その光景を教会の影「逆十字」は見た。


?「あれが悪い虫か。」


影は静かに呟くと、すぐに姿を消す。


そう。


イースは教会に目をつけられたのだ。


それからイースは監視を続けられ、1日の生活リズムが分かってきた。


朝、起きてから、町へ薬草を納品、日用品の購入。

午前中は、山で薬草採取と魔獣狩り。

昼に平原に戻り、昼ごはん。

午後は岩を使ったトレーニング。


夕方には、川の水で水浴び、洗濯。

夜にはご飯を食べて就寝。

夜中、魔獣に襲われた時は、瞬時に起きて迎撃し、また、すぐ寝る。

服も外では、革製の服を着ていて、町に行く時は綿の服に着替えている。

不思議なのは、魔獣の素材を売らないこと。


監視結果は当然、魔獣の素材を集めて何かしようとしている異端者かもという感じのため、疑われるところがあれば、抹消対象だ。


天の声はフォローするよ!

伝わらないけどね!


イースは自分が狩ってるのが動物だと思ってるから、素材価値が無いと思ってんの!


人付き合い苦手で聞けないんだよ!


悪いやつじゃないんだよ!


って誰か伝えてよ!


天の声より。


だが、天の声は教会には聞こえる事は無い。


その夜、イースが焚き火にあたりながら野宿をしていた。


服装は自分で作った皮の服上下、皮のブーツに、寒いので狼の毛皮の外套を着ていた。


イースの服は全身黒で、とっても怪しい。


第三者が見たら魔王の手先と思われても仕方ないシチュエーションだった。


イースが焚き火に薪をくべていると、町の方から複数の鎧の音が聞こえてきて、どんどんイースに近づいてくる。


イースは一体何事かと考えたが、平原にいるのは自分だけ。


間違いなく、自分に用事があるのだろう。


しかも、夜に来る。


絶対良い話じゃない!

厄介事だ!


イースは決めた。


逃げる!


と。


イースは、必要最低限の荷物をバッグに詰めると、すぐに森の中に走り去ったのだった。


数十分後、教会の影「逆十字」の隊員達が焚き火の周りに配置した。


隊長の合図と共に隊員が焚き火の場所に突入した。


が、イースの姿は無く、逃げられた事に気付く。


隊員達はイースの野宿場所にあったテント等を壊し、荷物を散乱させる。


一見して盗賊に襲われたように見せるためだ。


作戦は失敗に終わり、教会の影「逆十字」はすぐに撤退した。


イースは離れた森の中から教会の影の様子を見ていた。


イースは才能無しの自分では盗賊(教会の影)に勝つのは無理だと感じ、森の中に拠点を移す事にした。


天の声的には、イースは教会の影と戦っても良い線行くとは思う。


しかし、やっぱり隊長、副隊長クラスの隊員には勝てないし、集団戦になれば、イースは不利になる事を考えると、イースの選択は正解だった。


こうして、翌日からイースは新しい拠点を探して、森の中を散策する事になったのだ。

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