マリン、高等部卒業!・・・その後
イースがジョーカー連邦で働き始めた一方でマリンにも環境の変化があった。
春になると、マリンは王立クローバー学園を卒業して村に帰って来たのだ。
マリンは、王国騎士団や王都の冒険者ギルドから誘いがあったが全て断った。
なぜか。
それはマリンはイースが好きで一緒に冒険者をやりたかったからだ。
イースが魔獣と戦ってる姿を見ているが、マリンの足を引っ張る程弱くはないし、何かあってもマリン自身が守れば良いと思っていた。
マリンは高等部を卒業した後は、やっとイースに会えるとルンルン気分で村に帰って来た。
マリンが村に帰ってくると、村の人達に暖かく迎えられた。
マリンは実家に帰ってきた。
マリン「ただいま!やっと終わった!」
両親「お帰りなさい。疲れたでしょ。」
マリン「まあね。でも、イースに用事あるからイースの家に行ってくるね。」
マリンは荷物を玄関に置くと、すぐにイースの家に向かって走り出した。
ソウ「え!?待って!イース君は・・・」
マリンはソウの言う事を聞かずにイースの家に行ってしまったのだった。
マリンはイースの家に着く。
マリンは久しぶりに大好きなイースの顔が見れると、ルンルン気分だった。
マリン「こんにちわ!」
家からクレアが出てくる。
クレア「あらあら。マリンちゃん、お帰りなさい。大きくなったわね。」
マリン「お久しぶりです。ところでイースいますか?」
クレア「イースなら半年前にジョーカー連邦に行ったのよ。この国じゃ仕事につけないからね。」
マリン「え!?」
マリンの表情は一気に暗くなった。
マリンはイースを一緒のパーティーに誘って冒険者をやろうと考えていた。
イースもこの国では仕事につけないから、この提案を受けると確信していた。
イースがパーティーに入れば、マリンは一生養う気満々で、その流れで大好きなイースと結婚して幸せに暮らすはずだった。
それが、まさかのイースが国を出たという結果にマリンは落胆したのだった。
マリンは小さい声でクレアにあいさつすると帰宅して、自分の部屋にこもり、何かブツブツと呟いていた。
マリン「何で?イース?何で何も言わずにいなくなるの?家、隣でしょ?・・・」
マリンのぼやきは止まらず、部屋の外で両親は心配していた。
そのうち、日が暮れた。
ソウがマリンに夕食ができたと伝えに部屋に来た。
ソウ「ご飯できたわよ。」
マリン「・・・」
マリンは返事をしなかった。
ソウが黙ってリビングに戻ろうとした時。
マリン「・・・そうだ!私もジョーカー連邦に行けば良いだけだ!イースもきっと私が来るのを待ってるんだよ!イースも私の事が大好きって事じゃん!イース大好き!大好きだよ!」
ソウはマリンの言ってる意味が分からなかった。
だが、ソウはマリンに話しかける事はできなかった。
なぜなら、マリンは顔を赤くして笑みを浮かべていたが、どこかどす黒い雰囲気が出ていて、話を聞ける状態じゃ無かった。
マリン「お父さん!お母さん!私、明日、村を出てジョーカー連邦に行くね!さて、準備しなくちゃ。」
マリンはそういうと荷造りを始めるのだった。
マリンの両親は、その様子を見ているしか無かった。
翌朝、マリンは村を出発してイースのいるジョーカー連邦に向かった。
マリン「イース大丈夫だよ。すぐに行くから泣かないで。私が守るから。」
マリンは恋心をこじらせ、暗い笑みを浮かべて呟いた。




