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Tale of Despair  作者: ナシ・ミゾレ
緋色と灰の物語
10/15

10.証 ─STIGMA─

 カニスの起こした事件から数日後。

 平和とも思える程静謐な水面の様な日々が続いていた。


「あの、カリーナは…」

「また来たのかい? 男は全員、面会拒絶だと言っただろ?」


 ディアとルクはあの日からカリーナには一度も会っていない。カニスから救い出されたカリーナの身体は酷く穢され、そしてカニスが彼女に投与した薬物により精神的にも異常を来たし、今では男性を見るだけでも気を狂わせてしまうと申告されていた。


「ルク、カリーナとモニカは?」


 ディアの言葉にルクは首を横に振る。そして酷く申し訳なさそうな表情で口を開いた。


「駄目だった。二人とも会えないみたい」

「そっか…」


 ディアは解っていてもどこか落胆した様子で俯く。自分で会いに行けないもどかしさは、想像以上に少年の心を焼いた。


「それにしてもお前が助けたっていうのにあんまりだよな。手に痣があるってだけでしょ?」


 ルクはそう言ってディアの左手を見る。その左手の甲に刻まれた反転した五芒星は旧神イシュタリアを信仰する者の証によく似ていた。マキナスに与する者ならば誰もが知るそれは「烙印(スティグマ)」と呼称され、マキナスの信徒の間では畏怖懸念の象徴であると同時に異教徒の敵対者である。アスタロトの瞳に刻まれた紋章と同じ紋章。その因果関係はディアにとっては解り得ぬ事でありながらもマキナスの信徒である修道院の人間が彼を冷遇するのには十分すぎる理由だ。


「ボクが烙印者だから、彼女たちに会わせるわけにはいかない…か。」


 ディアは記憶の中でアスタロトを想起する。おぼろげな姿であるが彼女は確かにディアに力を与えた。それは覚えている。そしてその力を与えられた日に、ディアは人間を食った。あの感触は否が応でも自動的に思い出され、自分の中の大きく渦巻く様な何かが足りないと吠え叫ぶ忌むべき衝動だ。だがしかし、ディアはその力でカニスの魔の手からカリーナを救い出した事は紛れもない事実であり、複雑な面持ちでただ俯くむことしかできなかった。


「神様の教えってそんなに大事か?」


「そうはいっても仕方ないよ。ここは修道院なんだ。そういう考えの人が多いのは当然だよ」

「だからってディアを除け者いい理由にはならないだろ? それにディアは今まで真面目に修道院の仕事をしてたし、カリーナを助けたのもディアじゃないか! なのに今までの事を全部無視して…そんなに目に見えるものが全部かよ! ディアが虐められてる時は無視したクセに烙印者になったって瞬間に…こんな牢屋なんかに閉じ込めてさっ!」


天井から零れた水滴がディアの頬を伝った。錆びた鉄格子を介した二人の視線が混ざり合う。全身を覆う火傷痕だけでも軽蔑や差別の眼を免れられない少年が、異教徒の信者である紋章を身に宿した烙印者だと発覚したのだ。ましてや神を強く進行するマキナスの使徒たちが身を寄せている中で、たった一人異端者が紛れ込んだとすれば、その波紋は計り知れない。子供とは言え、宗教は決して寛大では無い。当然の様にディアの始末を要求する声にルクとモニカが抗ったおかげで彼は今、牢屋に身を繋がれるだけで済んでいた。


「…仕方ないよ、ルク。殺されないだけ運が良かったって今は思ってるから」


イシュタリアを「人々を見捨てて去った神」と誰もが口にする世界で、そんな旧き神を信仰する存在は、「見捨てられた人々を救った神」を信仰するマキナスの使徒たちにとって、邪教の他に変わりない。ディアはこの瞬間に、彼等の思う〝ヒト〟の中からも零れ落ちようとしていた。


「そんな…! こんな事あっちゃいけないんだ! 殺されないだけ運が良かったなんて…! お前はカリーナ達を助けたんだぞ!? 何も、何も悪い事なんてしていないのに…!」


「こんなの間違ってる!」


 ルクの言葉は子供の我儘でありながらも、ディアの心を照らすようで彼の言葉の一つ一つが胸に染み入った。


「…駄目だよ、ルク。そんなこと言ったら、ルクまで異端になっちゃうよ」


「なったって良い!」


 即答だった。ディアは鉄格子を強く握るとディアを真っ直ぐと見つめる。


「異端だろうが何でも良いよ!」


彼はきっと、ディアと友達でいる事を何時か異端と苛まれるだろう。だが、そんな未来等目に見えていないのか、気にしていないのか。無鉄砲なようにも視え、無邪気にも感じられる言動の中には絶対が揺らいで見える。きっと彼なら後悔はしないし、たとえ後悔しても誰かを攻めることはないのだろう。


「でも異端になる必要は無いよ、ルク」

「…え?」


「僕達はずっと友達だ。変わらないよ。例え僕が烙印者だったとしても、君なら友達でいてくれるでしょ?」


「…それは、そうだけど…俺はただ、皆にディアが良い奴なんだって知って欲しいだけなんだ」


「僕には、君やカリーナ達がいれば、もうそれで充分なんだ…」


 その言葉は誰からも疎まれ続けたディアの口から発せられるには、重たすぎるものだった。ルクはその認識を改めて思い知らされ、口を噤んだ。誰とでも仲良くなってきたルクと、誰からも嫌われてきたディアの価値観は絶対的に違うのだと知る。


「だから、誰かに好かれなくたって、良いんだよ。このままだって良い」


「そんなの…そんなの寂しいよ」


 エゴだと理解している。だがそれでもルクはその綺麗事を唱えたかった。だが、言葉の上だけならルクのその思いはディアの心を慰めるのには充分であり、ディアは「ありがとうルク」と儚げに笑って見せる。


「ディア…俺は…」


 ルクがディアに何かを告げようとした時、修道院の鐘が鳴る。それは帰りの時間を告げる合図であり、何時もならカリーナとモニカと、ディアの三人がまた会う約束をして別れる時間でもあった。だがそれはもう失われ、永遠に戻る事の無い溢れ零れた落花流水。


「……また、来るよ。」


「うん…。待ってるよ」


 ルクの言葉にディアは微笑んだ。ルクは晴れない気持ちのままゆっくりとその場を立ち去る。その一人寂し気な背中の意味を彼等以外が理解することは無い。ディアは彼にそんな思いをさせたことを悔やむ様に自分の左手を忌々し気に眺めながら「ごめん」と呟いた。


 そうして夜の帳が下りた頃。地下牢には月明かりなんてものは無く、星も無ければ窓も無い。ただそこには暗澹刻々たる静寂のみが横たわり、ディアの不安を掻き立てる。あるとすればそれは時折巡回する修道士の僅かな明かりと彼等がディアへと送る忌々し気な視線だけが存在していた。


「はぁ…ったく怠りなぁ、ガキ一人にこんな時間に巡回だなんてな! お前のせいでいい迷惑だぜこっちは!」


看守の修道士はわざと声を荒げるが、その問いに対して返答はない。伸びきった沈黙だけが返って来るのに対し、看守の修道士は「つまんねェ」と舌打ちをした。

一方のディアは前後不覚の暗闇の中でただ茫然と壁に寄りかかり、羊を数える様な気分で時間が立つのを考えていた。時間が立てばまたルクに会える。この環境は間違いなくストレスで気が狂いそうになるが、その恐怖心にも勝る彼の様な存在にひたすらに縋った。それ以外の物全てに蓋をして考えないように心の外へ追いやる。しかしもう限界だった。結局は少年であるディアの心は成熟し切っていない。暗闇の中で心を守る術を持たない彼の心をじっくりと蝕む様な感覚が這い上がる。そんな時だった。コツコツコツ、と石畳を叩く靴の音が響く。炎の明かりがゆっくりと自分の足元を照らす。修道士が虫をした腹いせに自分の事を殴りに来たのかと思い視線を上げる。ディアはそこに立っていた人物を見て思わず目を見開いた。


「ルクッ?!」


「シッ…、大きな声出すなって」


 ルクは手で誰かに合図をすると牢屋の鍵を手にしたモニカが得意げな顔でやって来た。


「モニカまで…! こんなことバレたら…!」


「大丈夫。見張りの人は魔法で眠らせたから」


 モニカはそういって胸を張る。


「そんな魔法いつの間に…」


「言ったでしょ? わたしは魔法使いになって、皆を助けるって! 魔法はシサイ?のオジさんが教えてくれたし! すごいでしょ」


「大したもんだよ、モニカはさ…よし開いた」


「さぁ、ディア、付いて来て。来て、お姉ちゃんに会って欲しいの。」


 キィと、渇いた音を立て牢の扉は開かれた。ディアは灯された明りの元へと歩み出る。こんな危険を冒してまでもモニカとルクはカリーナへ自分を会わせたいと思い行動したのだ。それを無下にするディアではない。ディアは「うん」と頷くとモニカの案内に従い、寝静まった修道院を歩く。その日の夜は蒼い満月の夜だった。その蒼く照り付ける光の前に星々は姿を隠し、静謐な紫紺が広がっている。


「お姉ちゃんね」


 モニカは歩きながら慎重に言葉を選び、申し訳なさそうに一つずつ言葉を紡ぐ。


「お姉ちゃんね、ディアの事…わかんないかもしれないんだ」


 ルク伝いで漠然と聞いていた言葉。カリーナは薬物と精神的なショックにより、男性を皆カニスと勘違いし恐慌状態に陥る事もあったそうだ。精神的にも不安定且つ、記憶に対して干渉された影響かディアやルクの記憶のほとんどが消滅し、彼等は最早知らない人までになってしまったという。記憶の混濁。カニスという存在はカリーナを長く蝕む痕となり彼女に深く刻み込まれた。


「わたしがね、ディアのお話をしたらね…? お姉ちゃん、モニカのお友達? って…」


 モニカの言葉はその時の心細さを語るには余り在るものがあった。姉の為に振り絞った勇気。その結果取り戻した姉は自分が知って居る姉ではあったものの、同じ日々を過ごした人では無くなっていた。知っている人が知っている人でなくなっていく様な感覚は、幼子には理解できない痛みとなってただモニカを苦しめる。


「だから、今のお姉ちゃんはディアの知ってるお姉ちゃんじゃないかも知れない…それでもね、会って欲しいんだ」


「…それでも会うよ。僕もカリーナに会いたいから」


「…ありがとう」


 カリーナは扉の前で踵を返すとディアの胸に身体を預ける。心細さが伝わる様で、ディアはただその頭を優しく撫でる事しかできなかった。モニカは一呼吸おいてからゆっくりとディアの腕から離れると、泣き笑いした顔で微笑んだ。


「…開けるね」


 モニカは扉を開く。少し冷たい風が月明かりと共に部屋へと舞い込んだ。その風に揺られる紅い髪の少女は何処か虚ろな表情で月を見ていた。その表情は心神喪失という言葉がそのまま当てはめられる様で、危うく感じる程ディアの心に突き刺さる。


「…貴方が、ディア?」


 怯える様な声だった。その声音は初めて出会った時のモニカによく似ていて寂しく抱えた恐怖に怯え竦む幼い少女の様。ディアは月明かりに照らされたカリーナを見て、初めて彼女が年相応に感じられてしまった。


「…うん。僕が、ディアだよ」


 風がそよいだ。静かな蒼い夜の沈黙が二人を繋いだ。


「……そっちに行ってもいいかな?」


「……うん。いいよ」


 ゆっくりと時間を置いて彼女は返答をする。男性という存在は考えるだけで恐ろしかった。彼が異性であると考えただけで、一歩一歩と近づいて来るだけであの時のあの男の顔が、脳髄の奥までに焼き付いて離れない男の顔が浮かぶ。足が竦み、声が詰まり、呼吸を忘れそうになる。カリーナは恐怖に耐えかねる様に震えながら、全身に刻まれ絡みつく様に覚えた手の感触を振り払おうと身体を貪る様に引っ掻いた。


「ぅ゛っあッ…! ぁ゛ッ…!」


 その拒絶にディアは立ち尽くした。心の何処かで在ったきっとが崩れ去っていく。頭の中が真っ白になり気が付けば彼はゆっくりと踵を返していた。


「ごめん、ごめんね、まだ、怖いよね」


 嘘をついた。


「君を怖がらせたくない…から、だから、今日は帰るね。ごめんね、本当に」


 ディアはその場から逃げる様に扉へと向かい、ドアノブに手をかけた。


「……待って!」


「…ご、めんなさい、アイツの顔が離れないの…!誰を見ても、誰がいてもずっと纏わりついてくるの…!だからごめんなさい、ごめんなさいっ…、違うの、私貴方を拒絶したいわけじゃないの!」


 必死に言葉を紡いだ。沢山頭を掻きむしって言葉を探して、カニスの顔を遠くへとやろうとする。


「…我儘だって、わかってるけど、貴方も嫌かもしれないけど、お願い…」


「顔を見せて…?」


 ディアは自分の顔に触れた。水面に映る自分の顔は、身体は全身に火傷痕が広がった醜い顔そのものだ。だから子供たちにも虐められた。だから大人からは見ないふりをされた。自分にとって忌々しい事この上ない顔だ。


「駄目だよ、駄目だ…僕の顔はきっと怖いよ。君をもっと怖がらせてしまうから…これ以上君を怖がらせたくないよ」


 この顔が普通だったらどれほど良かっただろうか?傷も無く、痣も無く、ただ目と口と鼻があるだけでどれだけ良かっただろうか?呪う様に心が叫ぶ。この姿はきっと誰からも嫌われる様にデザインされていると頭の奥で悪魔が嗤う。だから今のカリーナの前に出る勇気が今のディアには無かった。


「…怖がったり…しない。しないよ」


「私、貴方が好きだったから…」


「……っ!」


 それは記憶が混濁する前の僅かな記憶の欠片。胸に刻まれた最後の灯。あの時カニスから引き剥がされた時、最初に受け止めてくれた人の腕。今の記憶と過去の記憶が唯一繋がる細い糸。泡沫に映し出された夢の様に曖昧でありながらも確かにあったという夢と現の境界線。しかしそれはディアにとっては残酷な回答でもあった。


「…こんなの…」


 思い続けている方がずっと楽だった。目の前にいる人は自分を好きだったと語る。恐らくそれは自分も同じだった。だからこそ、だからこそ、だからこそ


「こんなの…ないよ…」


 張り裂けそうだった。胸がぐちゃぐちゃになって頭がどうかしてしまいそうになる。目の前で月明かりに照らされているカリーナの瞳の中に自分は居ない。居るのは自分じゃない。きっと〝空想のディア〟だ。だからこそその瞳に映るのが怖かった。本物のディアはこんなに醜いというのに。


「ごめんなさい。でもね、本当に私は貴方の顔が見たいの。確かに男の人は怖いけど、貴方の話を聞いて、ずっと、貴方が私にとって特別な人だって思ったから」


「僕は烙印者で、身体中火傷痕だらけの醜い化物だ! だから、だから君の理想の姿や存在なんかじゃない! だから、だからね? もう、僕の事は忘れて生きて行ってくれないか?」


 とんと、背中に何かが触れる。ディアが振り返ると服の裾を白い指先が摘んでいた。


「そんな風に、自分を…言わない…で。」


 本能的な恐怖に抗いながらカリーナは言葉を繋げていく。


「カリーナ…?」


 カリーナは恐怖に耐えながらディアの腕を取ると無理矢理窓際へと連れて行く。ディアは抵抗する間も無く、呆けた表情のまま、月明かりの元へと晒された。蒼い月が窓から差し込んで、ディアの白い肌に巻き付いた火傷痕を照らし出す。


「…やっぱり、怖くない」


 カリーナはディアの両頬に手を伸ばしながら笑う。それと同時に目から零れた涙は温かった。怖くて泣いてばかりの日々だったのに今日今流れた涙はずっと違う。


「あれ、どうしてかな? 怖くないのに、ごめんね、涙が、止まらないんだ」


 カリーナの胸の中で誰かが叫んでいる気がした。「ああ、この人に会いたかったんだ」と。失ってかけたモノが満たされていく様な感覚が、異性への恐怖を払拭していくかの様だった。あの日手折られた花の芽が再び芽吹いてく。


「…大丈夫、大丈夫だよ。ずっと傍に居るから」


 ディアはその中に自分の知って居るカリーナを見出した。自分を好きでいてくれて、自分が好きになった彼女の姿を。カリーナはずっとそこに居た。身体を穢されて精神を壊されても、記憶を失い自分の事を忘れてしまっても、ディアの知るカリーナはすぐそこに居た。

ディアはゆっくりとカリーナを抱きしめる。彼女もまたそれに応える様に腕を回した。カリーナは指先の震えが収まり、身体が拒まないのを感じ、確信する。私がちゃんと好きになったのはあの男じゃない。ディアなんだと。胸が温かった。その心に溜まった苦しみがすべて溶けて涙となって溢れ出る。男性の事を想像するとまだ竦む身体は、彼だけは例外だった。


「僕は君が好きだ、カリーナ」


 月の涙が一雫、零れる様に言葉を紡いだ。その一雫がぽたりと心を揺らし、静かに揺蕩う。水面に映った恐怖や妄想の幻影を打ち滅ぼして、透き通った水面だけが静かに広がった。


「…ッ…、私、もう綺麗じゃないよ…?」


「そんなの、関係ないよ。僕が好きな君は、今目の前にいる君なんだ。思い出ならまた作ればいいんだ」


 カリーナはずっとカリーナだ。失って無くしたならまた作ればいい。ディアは漸くそう思えた。


「良かった、私ね、ずっと不安だったんだ」


「貴方の事が解らなくなって、男の人が全部怖くなって、皆怖かった。でもね、貴方の事を聞いたとき、凄く会いたくなったの」


「でもね、でもね…でもね?」


「私、貴方まで怖かったらどうしようって。貴方を傷付けたらどうしようって、貴方の事全然わからないのに、貴方の事ばかり考えて、でもどうすればいいかわからなくて…勘違いだったらどうしようって思ったら、凄く怖くて…」


「でも、今やっとわかったの…私、やっぱりディア、貴方が好き」


「大好き」


 それは紛い物でも無く、本物だった。カニスが押し付けたものとは違う。明確な愛と呼べるものだった。例え記憶を書き換えられたとしても、酷い目に遭ったとしても。記憶を失ったとしても、身体を穢されたとしても、想いは変わらない。カリーナとディアはゆっくりと指先を絡め合い、握り合った。


「ねぇ、ディア。お願いがあるの。私に貴方の事をもっと教えて?」


「それでね、全部貴方で忘れさせて欲しいの」



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