82 私が失敗を許す人間に見えるか!?(*)
「かもな。でも、これから死ぬ人間の魔力じゃないぜ?」
「いや、成功しているはずだ……!! 魔力が増幅し過ぎて失敗、要するにただの暴力装置に成り下がったわけじゃない。意味のある暴力仕掛けだ! うひゃひゃぁはははははッ!! これで世界は私のものだァ!!」
ルーシ・レイノルズは狂喜乱舞し、壊れたかのような笑い声を張り上げる。その異質な光景に、ぞお……とポールモールは背筋を凍らせた。中身が10歳程度の幼女でないことは周知の事実だが、だからといってここまでの迫力を出せるか?
魔力も膨れ上がり、廃工場のベルトコンベアらが吹き飛ばされる中、ついにラッキーナ・ストライクだったものは太陽のような光に包まれた。
「おォ!? 熱波がやべェな!? 核兵器かよ!?」
まるで地雷を、核の地雷を踏んでしまったかのごとく、爆風がルーシとポールモールの腕や頬をかすめる。
だが、慌てふためくような口調とは裏腹にルーシは冷静だった。
彼女は爆発と風で吹き飛ばされないように、手をラッキーナへ向ける。
当然、なんの意味もない動作ではなく、この数万人単位でヒトが死ぬであろうエネルギーには放射能が含まれていないことを見抜いたためである。
「レジーナ・マギアの最上位版みたいな熱だな!? ルーシ!! これでも失敗じゃねェのかよ!?」
「ああ!! 成功している!! 私が失敗を許す人間に見えるか!?」
それならばポールモールの言うように『レジーナ・マギア』のごとく四方八方へ撃ちまくっているだけだ……と考え、ルーシは手のひらから防御用の魔力を放つ。
超至近距離から核爆発級の攻撃を受けたことなんてないが、ここは凌ぐしかない。失敗は許されないのだ。
「うぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
もはや絶叫するだけのラッキーナ・ストライクは、やがて静寂の中に押し込まれた。
「ポール!!? てめェなに撃ち殺しているんだよ!!?」
彼が両手で持つ拳銃の筒先からは硝煙が立ち込めている。怒鳴る幼女ルーシにポールモールは反論し始めた。
「しゃーねェだろ!! この近距離であんな大爆発、受け止められるわけねェんだからよォ!! “悪魔の片鱗”使っても無理だわ!!」
そんな態度のポールモールへ、ルーシは眉間をピクピクさせ、されど笑みを浮かべて近づいていく。
「上等だゴラ。てめェ、私に弓引くってことで良いんだよなぁ!?」
150センチ程度の幼女に見上げられたポールモールは、「むしろオマエを守ってやったんだから給料増やせよ!! だいたい、おれはクールのアニキについていってるだけでオマエに忠誠なんて誓ってねェんだよ!!」と負けずと怒鳴り返す。
そんな口喧嘩のさなか、頭部に鉛玉を打ち込まれたはずのラッキーナ・ストライクの指がピクリ、と動く。
ノクターンの小説考えてたら異世界転生・転移のランキング隔離なくなるようて困惑してます。また転生/転移が流行るかもしんないッスね
ちなみにR18用に思い浮かんだネタ、『逆寝取らせ』です。ひがしやまの脳みそはぐちゃぐちゃ。
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