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蒼龍ノ爪痕-わしジジイ、白髪少女になる。あと龍娘にもなれる-  作者: 東山ルイ
シーズン3 自分から助かろうとする者のみが助かる
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67 往年の覇気は戻ってると思うよ

「ミンティ……さん、アンタもバンデージさんの傘下に入るンかよ?」


「オマエの子分になったわけじゃないぞ? ヘタレのケーラ」


「誰がヘタレじゃ!?」


「どうせラッキーナ・ストライク襲って返り討ちにあったんだろ? それでも学習しないオマエはバンデージを襲おうとしたわけだな。もしも相性さえ良ければ、場面さえ合っていれば……弱者の考えってヤツだね」


 愚弄されたケーラだが、ラッキーナに負けたのは事実らしく、彼はしおらしく黙り込む。そしてその話を聞き流すことができないのがメビウスであった。


「ラッキーナを襲ったのか?」


「ああ、バンデージさん。アイツも馬鹿みてーに強かった」


「ラッキーナ……どっかで聞いたことある名前」


 メビウスは瞬時にモアへアイコンタクトを送る。メビウスが少女の姿になる前、ふたりはラッキーナと面識があると教えられたはずだ。


「……。ああ、元王族のラッキーナ・ストライクか。昔家が隣だったから遊んでたような気がする。というか、アンタも元王族よね? ケーラ」


「連邦政府との取り決めで、名字を名乗れる権利があとすこしで消滅するおれたち元王族になにか因縁でもあるの?」


「いや。同じ元王族でも実力差は激しいんだなぁって」


「ひでぇ言い方! おれ泣いちゃうよ!?」


「アンタ顔だけは可愛くて良い感じなんだから、泣いても良いよ」


「可愛いとか言うなよ~!! 昔からコンプレックスなんだぞ~!!」


 モアとケーラがじゃれ合っている間、メビウスとミンティは師弟関係に対する協議を進めていた。


「しかし、ミンティくん。私の修行は厳しいぞ? 基本的な理論を叩き込んだら即座に実戦じゃからのう」


「アンタ、もう正体隠す気ないよね。しかも妙に可愛い顔してさ」


「正体をどう思うかは君の自由じゃ。それに、私はこういう喋り方のほうが話しやすくてのう。老人性というものだろうなぁ」


「往年の覇気は戻ってると思うよ」


「んん?」


「アンタの妹だか孫娘だかは感覚麻痺してるみたいだけど、近くにいるだけで魔力に飲み込まれそうだもん。ほら、猫の尻尾は機嫌悪いと動くんだってさ」


 白い尻尾をブンブン動かすミンティは、つい先ほどまでのモアのように、時々フロンティアやラッキーナが見せるような、寂しげに染まった赤い目でこちらを見てくる。


「でも、それに萎縮しなくなればおれは強くなれる。ねえ、なんでおれが強くなりたいんだと思う?」


「私から聞こうと思っていたが」


「だろうね。正解は、最強やら無敵って呼ばれるようになってSNSで自己顕示欲を満たしたいからだよ」


「最近の若者のここがダメだ、という説教でもされたいか?」


「別に強くなる理由なんてヒトそれぞれじゃん。おれは軍隊に入るつもりなんてないし、なんなら魔術に直接関わる仕事すらしないかもしんない。けど、専属じゃないのにクソ強ェーのがいるってチヤホヤされたくね?」


 世の中を舐め腐った態度はかつてのクール・レイノルズにそっくりだ。DNA鑑定は必要ない。


不良ショタ&ダウナー獣人少年……作者の癖?

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蒼龍ノ爪痕~わしジジイ、白髪少女になる。あと龍娘にもなれる~-

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