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蒼龍ノ爪痕-わしジジイ、白髪少女になる。あと龍娘にもなれる-  作者: 東山ルイ
シーズン1 いざMIH(メイド・イン・ヘブン)学園へ
34/97

34 老後の過ごし方としては、なかなか刺激にあふれてそうですね

「あのー……、クール大統領。この方は一体どなたですか?」


 アーク・ロイヤルによる当然の疑問は、大統領クールに笑い飛ばされた。


「ははッ! アーク、オマエが派遣されてきたンか!」


「いや、質問に答えてくださいよ。大統領の隠し子ですか?」


「だってさ。年齢教えてあげてやってくださいよ、メビウスさん!!」


 メビウス、という単語を訊いた途端にアークはぎょっとした表情になった。されどメビウスは気にすることもなく、正直に答える。


「わしは72歳じゃ。まあもっとも、見た目と年齢、性別すらも一致していないが」


 アークは目の前にいる少女の、髪色や服装から派手に見える少女の素朴な笑みに、頭を抱える。


「……。老後の過ごし方としては、なかなか刺激にあふれてそうですね」


「おいおい! アーク、すぐ信じ込むのは良くねェぞ?」


「ジョンさんにでも訊けばすぐに教えてくれるでしょ? 軍を退役なさったメビウスさんがよもやこんな姿になってることを」アークは怪訝な目でメビウスを見て、「それに……男から女になったヒトなんて、友人

 や同僚にもいますからね」


「そんなにこの国の連中は美少女になりたいのか?」


「そうでしょう。みんな疲れてるんですよ。メビウスさん」


「疲れたら生娘になりたくなるものなのかのう?」


「…………? まあ、すくなくともぼくはそう思いますよ。いろんな問題から解放されたいんでしょ」


 元々美人のオーラが漂っているメビウスであるが、時々彼女はそのオーラをも超える雰囲気を醸し出す。絶世の美女と対峙するというのは、こんな感覚なのだろうと感じるほどである。


「おれァ女になんかなりたくねェけどなぁ。男に生まれてよかったって、物心ついたときから思ってるくらいだし」


「わしだってそうだ。性別で蔑視しているわけではないが、やはりどうしても男性だった頃が恋しく感じる」


「え、メビウスさんはいつ頃少女になったんですか?」


「一週間前くらいかのう。トイレだったり、生理用品だったりと……やはり慣れないものさ」


「……? ま、まあ。この話ってジェネレーションギャップっていうものかもしれませんね。世代ごとに価値観がまったく違うから、たぶんここで話し合ってても意味ないと思います。ですので、一旦帰りましょう」


 なんでこのヒト、老人臭い喋り方すると太陽のような笑顔を浮かべるのだろう、とアーク・ロイヤルの疑念は尽きない。

 ただ、メビウスとクールはここでようやく立ち上がり、アークとともにヘリの場所に歩いていく。


「ところで、アークくん」


「はい?」


「君はMIH学園に属しているのだろう?」


「そうですよ。あまり出席できていませんが」


「わし……ああ、この見た目なら私と言うのが適切か。ともかく、これからよろしく頼むよ、先輩たち」


「は?」最初に反応したのはクールだった。


「え?」


「言っていなかったか? 私はメイド・イン・ヘブン学園へ入るつもりだ」


次のお話でシーズン1おしまいです。

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