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蒼龍ノ爪痕-わしジジイ、白髪少女になる。あと龍娘にもなれる-  作者: 東山ルイ
シーズン1 いざMIH(メイド・イン・ヘブン)学園へ
23/97

23 私と友だちになってくれませんか?

 白髪少女に成り果てたメビウスだが、射撃の腕前は相変わらずうまい。

 銃がなくなったことを音と目で知った、最前立ち尽くしていた少女のボディーガードが男たちを取り押さえる。


「クソッ!! なんであんなガキがハンドガン持ってるんだよ!?」


 疑問と憤怒が止まらないのであろう。だが気にする必要もない。メビウスは拳銃をコートの中にしまい、事情聴取のため警察を待とうとする。


 だが、()()姿()()()()()()()自分が蒼龍のメビウスであることを証明する方法を持たない。身元不明の少女がいて、しかも拳銃を持っているとなれば、むしろ強盗よりも危険視される可能性すらある。どんな魔術を使うか分からない以上、警官の裁量で逮捕されてしまうかもしれないのだ。


「困ったなぁ……」


 自分で蒔いた種とはいえ、困るものは困る。

 そんな困り眉のメビウスの袖を掴む者が現れた。


「ぁ、あの……」


 ずいぶん背丈が高いと感じた。たしかに自分自身の身長が縮んでいるということもあるが、それを加味しても170センチは越しているだろう。

 髪色はくすんだ茶髪。ボブヘアのくせ毛。服こそ高級ブランドだが、同時に服に着られてしまっている。


「なんだ?」


「ぁ、やっぱりなんでもないです……」


「そうか」


「あ、いや、なんでもあるんです」


「なにがあるのだね?」


「お、お強いですねって」


「ああ、ありがとう」はにかんだ。


「あ、あとひとつお願いして良いですか?」


「なんだ?」


 まずなにをお願いされたのか知りたいが、さほど気にせずメビウスは話を聞く。


「私と友だちになってくれませんか?」


 断る理由も特段ないが、受ける理由もない。こういうとき、軍にいた若者たちならばどうしているだろうか、と考え、メビウスは返事した。


「もちろん。バンデージだ」


 10センチ以上離れた少女に向けて手を差し出す。彼女はこの手の意味をすこし考えていたようだが、やがて両手でメビウスの右手を握った。彼女の手汗でメビウスの汗がべっとり付く頃、彼女は言う。


「ラッキーナ・ストライクです。よろしくお願いいたします」


 ラッキーナは頭をペコリと下げた。


「ストライク……君、元王族か?」


「え、あ、そうです。私みたいな落ちこぼれが元王族なんて笑えますよね……」


「落ちこぼれだとは思わないなぁ」


「え、や、なんで?」


「ただすこし自信をなくしているだけに見える。子どもの頃からこうだったわけではないしなぁ」


 メビウスは彼女を知っている。というか、いま思い出した。昔暮らしていた家の隣にストライク家があったのだ。あのときは陽気な少女だったと記憶しているが、なにかがあったらしい。


「ば、バンデージさん、わ、私のこと知ってるんですか?」


 そう思われても仕方ない口振りなのは否めない。

 しかしメビウスはうろたえることもなく、適当なことを言っておく。


「敬語はやめなさい。私だって敬語を使っていないだろう?」


「あ、え、あ、は……うん」


 そうやって誤魔化したときだった。


ヒロイン格の登場で──ィ!!

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先行公開しています~別サイトですがよろしければ!!(ブックマーク・通知オン・PLUSとなっている話を見るにはアカウント登録が必要らしいです。手間かかるけどよろしければ是非!!)

蒼龍ノ爪痕~わしジジイ、白髪少女になる。あと龍娘にもなれる~-

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