21 おじいちゃんという成果物でクラスのクイーンになってやる!!
冗談めかしく祖父のことを高校生活に誘ったわけだ。が、本気の眼差しで凛と構えるメビウスを前にすれば、さしものモアも慌てるしかない。
「え、え? おじいちゃんって72歳だよね?」
「ああ。実年齢72歳だ」
「年金受給者が高校通うって聞いたことないよっ!? それに軍学校出てるんでしょ? しかも見た目も入れ替わってるから、戸籍だって消滅してるようなものなのに!」
「ロスト・エンジェルスの軍学校は学歴のひとつに入らん。すくなくとも60年以上前はそうだった。戸籍などいくらでも融通が効く。この学校でわしの正体を知っている者は君とフロンティアくんしかいないわけだし、問題はないだろう」
あくまでも押し切る構えだ。ことし16歳になる少女と中身72歳男性の少女の激突が始まろうとしている。
とはいえ、モアはMIH学園へはあまり友だちのいない身分である。いくら喧嘩の腕が立つからと、モアも女子だ。どうせならば友だちをつくりたいし、あわよくば彼氏も、そのままスクールカーストの頂点へ……。
故に、モア思う。目の前にいる少女は絶世の美少女。こんな子を隣に連れて歩いていれば、自分のカーストも自ずと上がっていくのではないか……と。
そんな打算だらけの計算は、モアの答えを決定付けた。
「……。あたしとおじいちゃんは一卵性双生児。顔や髪色似てなくても双子。その設定しかない」
「おお。前向きに考えてくれるのかね?」
「おう!! ノッてやるよ!! おじいちゃんという成果物でクラスのクイーンになってやる!!」
「わしはこの学校に興味があるだけなのだがなぁ」
「おじいちゃん、いや、お姉ちゃん!! わしなんてシワシワ単語使っちゃダメ!! きょうから一人称私で固定して!!」
保護者として訪れたはずの学校に、妙に老人臭い喋り方をする少女が入学するのはもうすこし先のお話。
*
クール・レイノルズという者がいる。ロスト・エンジェルス連邦共和国第25代大統領である。伝統的に強かった大統領権限をさらに強め、支持率は90パーセントと高水準だ。
彼の主たる事業は、『200年先の技術を絶やさない』ことだ。
世界中の鉱物資源が眠ると思われる場所を征服し、現地民を雇うことでそれらを採掘させ、本国ロスト・エンジェルスへ大量に持ち込む。時代は18世紀末期。最大の敵国であるブリタニカですら、原油の使い方は極々限られている。
いまやガソリン代は半ば投げ売り状態──1リットル 50円程度で売られているものになった。対外的にも強硬路線をまったく恐れず、クールは理想的な最高指導者として君臨していた。
そんな英明な大統領閣下はいま、服を着直したところであった。ベッド上で絶頂の余り気絶している女を横目に、彼は言う。
「あーあー。たまにァマジの殺し合いしたいぜ」
そんな折、クールの携帯電話が鳴る。相手はかつての師匠、メビウス元上級大将だった。
暑すぎてくるちいお
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