sandman
眠れなくなって2週間
今夜も目は冴えてる
一階の両親は寝静まっている
月のひかりが二階の私の部屋を照らす
影をつくるくらい強いひかり
眠ることを諦める
学校の制服のポケットから畳まれたチラシを取りだす
『ハロウィン特別企画!
初回無料!
出張サンドマン』
眠りの砂をかけて眠らせてくれるそうな
電話した
30分ほど掛かるとのことだったが
一時間待ってもこないので
電話してみる
『申し訳ございません 本日 道が混んでおりまして』
車でくるんだ・・・サンドマン
信号待ちのサンドマン
地図を確認するサンドマン
給油をするサンドマン
2階の窓をコツコツ叩く音
スマホくらいの大きさの男が窓の外に立っている
部屋に入ってきた男を月あかりが照らす
白いツナギでサンタのような袋を担いでいる
髪がもじゃもじゃ
痩せてて 三十代くらい?
「おっさんやん」
「!?」
「天使みたいなのかと思った」
「いや・・・」
窓際の机のうえのサンドマン
「チェンジで」
「・・・そういうシステムではありません!」
「できないの?」
「できません!」
「はずれだ・・・」
小声で言った
「聴こえてますよ」
めんどくさそうな顔のサンドマン
「あなたですか?眠れないのは?」
「よく考えたらさ・・・」
「なんですか?」
袋のひもをほどいてる
「その砂かけたら私 寝ちゃうんだよね?」
「そ〜ですよぉ〜・・・」
袋の中を覗きながら適当な返事
「危険じゃない?それって」
「大丈夫 朝には目が覚めます」
「いや そうじゃなくて」
「?」
「朝になったらあなたが隣で寝てたりしない?裸で」
「ありません!!」
照れてる?
かわいい奴
「砂 見せて」
手を出してみる
「・・・こぼさないで下さいよ」
砂場の砂と変わらない
ちょっと甘いにおい
「グラムいくら?」
「量り売りはしてません!」
えいっ!
サンドマンにかけてみる
きょうつけ の姿勢で砂を浴びたサンドマン
「なんてことを・・・」
机のうえに倒れたサンドマン
月あかりに照らされて眠るサンドマン
気持ちよさそうに眠るサンドマンを見てたら眠くなってきた
眠る小人にハンカチをかけて私はベッドに潜り込む
ひさしぶりの眠りに落ちる感覚
Sandman is coming




