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夢に久遠が出てくる

お久しぶりですどうやら最近ポッキーの日だったらしいですね

 

 鳴り響く電話に出る。


「もしもし?」


「彰人様ですか、よかった無事でしたか」


 聞こえてきたのは御嬢瑞希の声であった聞き覚えのある声に俺は安心する。


「うん俺は大丈夫だよ、少し訳あって今家に帰ってきてるんだ」


「そうでしたか、私も先程サラとホテルに帰ってきたので今からそちらに伺ってもよろしいですか?」


「うん問題ないよ、それ所かそっちの方がありがたい」


「そうですね夜も遅いですし今から向かっても車で一時間程かかるので、着く前にもう一度電話するので彰人様は少し仮眠をとってもらっても」


「あきとー」


 御嬢瑞希と通話している中さっきベッドに寝かした筈の影華さんがいきなり降りてきた。


「影華さん!? どうかしたの」


「歯磨いてなかったから歯磨きしにきた」


「そう……洗面所はそこ新品の歯ブラシ棚の中にあると思うからそれ使って」


「ありがとー」


 影華さんは洗面所の扉を開けて入っていく。


「彰人様、今久遠様と違う女性の声が聞こえたような気がするのですが」


「急に話止めてごめん、昔の知り合いが今家にいてね。それでも問題ないかな?」


「はい、問題ない所かその女性と少し会ってみたいです」


「じゃあ言う通り仮眠とっておくから、着く前にまた電話してもらっていいかな?」


「分かりました、彰人様失礼します」


 御嬢瑞希との通話が終わると洗面所の扉を叩く。


「影華さん歯ブラシ見つかった?」


 俺は影華さんに声をかける。だが洗面所にいる影華さんからの返事がない、洗面所の扉を開けると影華さんが倒れていた。


 そして見知らぬフードで顔を隠した人間が倒れている影華さんの真横に座っていた。こいつは危険だ油断していても影華さんを倒す程の実力者はそんな簡単にはいないはず。


「殺してない気絶させただけ」


 いきなり声をかけてきた、女性っぽい声に驚いてしまうがいつ襲ってきてもおかしくないので警戒する。


「今日はこれだけ届けにきた」


 そして封筒を手渡してきた、中身をみると体を縄で縛られている久遠の写真とスマミフォンが中に入っていた。


「次からそのスマミフォンに連絡するよう言われている、伝言は以上」


 すると蹴りをかましてきたが避ける。だが相手はそれが狙いだったらしく、俺が避けたと同時に洗面所の扉から玄関まで行き扉を開けてそのまま逃げていく。


 追っても危険なので気絶して倒れた影華さんを運んでまたベッドに寝かせる。


 俺はスマミフォンを起動する。電話だけ繋がるようにされていて他に入っているアプリは何一つない。


 いつ連絡がきてもおかしくないが、ずっと気張っていたせいなのか眠気が襲ってきて俺はその場で寝てしまった。


「にいに、にいに」


 その日久遠は学校から帰宅すると、慌ただしく部屋へとやってきた。


「どうした久遠?」


「えっとね……にいに今日が何の日か知ってる?」


「十一月十一日だろそれがどうかしたか」


 別に今日は祝日で休みではない、だが久遠は少し様子がおかしい。


「学校のね女の子達に教えてもらったんだけど今日はねポッキーの日らしいの」


「ポッキーの日……?」


 俺には久遠が何を言っているのか少し分からなかったポッキーって事はあのチョコのお菓子の事なのだろう。


「ポッキーの日っていうのは色々とあるらしいんだけどね、その友達に聞いたのはこれ」


 久遠はいきなりポッキーのチョコの端部分を口に咥えて俺に向けてくる。


「ん……」


「久遠いきなりなんだ」


「んー!!んー!!」


 もしかしなくても久遠は咥えろって言っているのか……?


 俺は訳も分からず向けられたポッキーのクッキーの部分を咥えるすると久遠は端から食べ始める。


 これはまさか食べ進めていって最終的にキスする流れなんじゃ……危険と判断した俺は咥えていたポッキーのクッキー部分を離そうとしたが、久遠がさせまいと俺の頬を掴む食べ進めていた久遠の顔が間近に迫ってくる。


 もう終わりだと思った直前でポッキーが折れて俺は久遠とキスせずに済んだ。


「残念……もうちょっとだったのに」


 久遠は本気で残念な顔をしている様子だ。


「久遠今回は許すがまた今度あんな事やったら母さんに話して戦隊の入浴剤を買うの止めるぞ」


「にいにそれだけは……私が悪かったから」


 久遠は必死になって俺に謝ってくるそして夢は終わり俺は目が覚めてしまった。


「あ……彰人様おはようございます」


 起きた俺のそばには不安な顔をする御嬢瑞希がいた。

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