御嬢瑞希は泣く
更新一ヶ月振りですね
お姫様抱っこされたまま高級そうなホテル前に到着する。そのまま降ろされホテルの自動扉が開いて入って行くので追う。
「おーい支配人呼んでくれ」
「はぁ支配人ですか?」
ホテルのフロントスタッフの女性に声をかけるが困惑気味に返答するフロントスタッフの女性、そりゃいきなり支配人を呼べっと言ったら困惑するだろう。
「お待ちしておりましたサラ様」
受付の後ろの従業員入口からスーツを着た黒髪の男性が現れ会釈をする。
「お嬢様から聞いてるだろ」
「はい御嬢瑞希様より承っております。こちら最上階スイートルームのキーになります。何かありましたら支配人室までお電話下されば」
「はい、はい。んじゃ行くぞ」
俺はそのまま付いていきエレベーターに二人で乗ることになる。
「あのここって……?」
「ここは御嬢財閥専用のホテルだお嬢様が連絡して部屋を用意したもうすぐお嬢様も来るらしいからそれまではベッドで休んでおいた方がいいぞ」
「ありがとうございます。えっとあの時と雰囲気全然違いますよね?」
「ん……ああ私はジェミニ、お前が知ってるサラとは別の人格なんだよ」
「それって二重人格とか多重人格って事ですか?」
「まぁな……」
ホテルの部屋の扉がノックされる。警戒して扉の方に近近付き扉を開けると御嬢瑞希が立っていた。
「彰人様!!」
いきなり抱き着かれる。御嬢瑞希に抱き着かれたまま扉を閉める。
「それじゃあこれは全部櫻木さんが御嬢さんを陥れる為にやった事ってこと……?」
「ええけど彰人様の拉致に関しては櫻木姫華ではなく天神舞亜の仕業でしょうね。あの子は彰人様を拉致するならもっと計画を立ててから慎重に行動する筈ですから」
「櫻木さんの事よく知ってるね」
「ええまぁあの時までは親友みたいに仲が良かったので」
御嬢瑞希と櫻木姫華の過去に何があったのか知らないが久遠にしているように御嬢瑞希の頭を撫でる。
「彰人様……?」
「御嬢さんと櫻木さんに何があったのか知らないけど俺の事助けてくれてありがとう」
「あのぉ助けたの私なんだが」
「あなたにも感謝してますよ」
突然ジェミニと名乗った彼女が話の間に割って入ってきた。すると御嬢瑞希の目から涙が流れる。
「えっと……ごめん嫌だったかな?」
頭を撫でるのを止めて御嬢瑞希の頭から手をどけようとするが御嬢瑞希は両手を使って止める。
「彰人様このまま朝まで撫で続けてください」
「朝まで!?」
「冗談です……私が眠るまででいいですそれまではこのまま撫で続けてください」
御嬢瑞希に言われた通り俺は御嬢瑞希が眠るまで頭を撫で続けた。
「んあ?」
いつの間にか寝ていたらしいだが隣のベッドで寝ていた御嬢瑞希の姿がなかった。
「お嬢様ならもう行きましたよ」
そう言って俺の前に現れた軍服の女性。
「あなたはサラさんですよね」
「ええそうです先日はあなたの家でご迷惑をおかけして失礼しました」
「それならもういいですよ、それで御嬢さんはどこに?」
「お嬢様は櫻木姫華に会いに行きました」
「それって危険なんじゃ」
「大丈夫です私の部下が数人見張っているので櫻木姫華がお嬢様に手を出せばすぐに止めに入るよう命令しています」
「そうですか」
「それとこちらお嬢様からあなた宛にと手渡されました」
いきなり便箋を手渡される御嬢瑞希が俺宛に書いたようだそのまま便箋に書かれた内容を読む。読み終わるとホテルの部屋から慌てて出ていく。




