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BADENDの秘密、新たなルート

 

「ここは……?」


 目覚めた時白くて何もない空間に閉じ込められていた。


「およ、起きた……? もうまた死んじゃうだから」


 するといきなり現れて俺のおでこにデコピンしてきたのは純白の翼を背中に拡げ白いワンピースを着こなす金髪の幼女であった。


「俺は死んだんじゃ」


「そうだよ君はまたBADENDを体験して死んだの、どう私の事は覚えてる訳ないか……」


「それよりもまたって俺は前にもここに来たことが?」


「前に来たのは椎名胡桃ルートのBADENDの時だったね、ほら天神舞亜に閉じ込められて死ぬまで監禁されてたんだよ映像残ってるけど観る?」


 頷く、すると何もなかった空間から映像が流れ出す。俺が舞亜さんに捕らえられて地下牢の鉄格子に閉じ込められていた、そしていつの間にか俺の体は老けていき死んでしまうと映像は途切れた。


「今回君が選んだのは亜梨沙ルートだったけど、前に選んだ椎名胡桃ルートと同様にBADENDに入って死んじゃってここに来たって訳」


「椎名胡桃ルートに亜梨沙ルート? 一体何を言ってるんですか」


「特別に説明してあげる。君はねヤンデレの女の子達に好かれる体質なの、だからその子達から逃れる為に私と契約したの」


「言ってる意味が」


「私は恋のキューピッド、人の恋路を叶える為に遣わされた恋愛の神様、君の体質を知っていた私は君にある力をあげたの、それはね君が死んだら進んでたルートは崩壊する。だからさっき言った椎名胡桃ルートも城田亜梨沙ルートももう存在しないの、君が死んじゃったからBADENDを迎えて消滅しちゃったんだ。でも安心して君が死んでも私が君に与えた力のおかげで君はもう一度過去に戻ってやり直す事ができるの、私の仕事は君がBADENDを迎えないようにここから見守る事なんだけど、まさか二回もBADENDを迎えるなんて、君は相当ヤンデレ達に好かれる体質らしいね」


 最初は言っている事が出来ずにただ説明を聞くだけだった。


「どうこれで理解してくれた?」


「えっとある程度は……」


「それじゃあもう時間みたいだし、次のルートも頑張ってね、あと過去に戻ったら私の事や今まで出来事の事も忘れてるから気を付けてね」


 恋のキューピッドの声を最後にいきなり俺の体が光に包み込まれた。






「彰人君……」


「亜梨沙姉ちゃん」


「どうかしたの?」


「いやなんでもないよ、それより亜梨沙姉ちゃんこんなのダメだって」


 ホテルのベッドに馬乗りになってきた亜梨沙姉ちゃんの肩を持って退かす。危ないもうすぐで亜梨沙姉ちゃんとキスしそうになる所だった。


「やっぱり私じゃ冬華さんの代わりになれないの……?」


「ごめん俺は亜梨沙姉ちゃんの事は姉のように慕ってるんだ。だから亜梨沙姉ちゃんが望む関係にはなれない」


 泣く亜梨沙姉ちゃんの背中を撫でて落ち着かせる。


「うん分かった、こんな時間にごめんね明日も忙しいし私部屋に戻るよ、じゃあおやすみ彰人君」


「うんおやすみ亜梨沙姉ちゃん」


 亜梨沙姉ちゃんがホテルの部屋から出ていき、着信が鳴っていたスマミフォンを取って電源をつける。どうやら先程の着信はLAMEからの音声通話だったようだ。


「もしもし」


「あっ彰人さんですか、私です湊心愛です」


「名前表示されてるから知ってるけど、どうした」


「いやーちょっと話がしたくてもしかして忙しかったですか、さっき出れなかったみたいですけど」


「いや別に……今終わったよ」


「何かありました……? 元気ないみたいですけど」


「何でもないよ、それで話したい事って?」


「そうそう、彰人さんにお願いがありまして、このドラマ撮影が終わったら一日だけ私とデートしてほしくて」


「デート!? 俺と君が……?」


「はい!! もしかしてダメですか……?」


「ダメって事はないけど、それってやっぱりまずいでしょ」


 デートと言っても湊心愛はアイセブンのメンバーだ、もしファンに見つかってしまえば愛刀天花のファンみたいに追いかけられるかもしれない。


「うーんそれはちょっと考えさせてほしいな」


「それじゃあドラマ撮影が終わる日までに返事くださいねこんな遅くに電話してすみませんでしたおやすみなさい」


 湊心愛から音声通話を切ってベッドに横になりスマミフォンを置く。


「あれ……? 俺いつの間に寝てたんだ」


 どうやら湊心愛との音声通話が終わってからすぐに俺は寝ていたようだ、スマミフォンの電源をつけて時間を見るともうロビーの集合時間を過ぎていた。


「すみません遅れました」


「しっかりしてよねあんたマネージャーでしょ」


 ホテルのロビーのソファにアイセブンのメンバー全員と久遠が座っており、着いて早々三島奏に怒られてしまう。


「まぁまぁいいじゃない、彰人君今日もよろしく頼むね」


 愛刀天花が三島奏を落ち着かせて、そばに駆け寄ってくると一言言ってくる。


「あの……早く行かないと……遅れちゃいます」


「そうだね、それじゃあ行こうか」


 愛刀天花を先頭に一同がホテルから出て撮影所に向かう。


「彰人さん、彰人さん」


 ホテルから出て撮影所に着く間際湊心愛が先頭から離れ最後尾の俺の所に寄ってくる。


「これどうぞ」


 すると湊心愛は持っていたバッグから袋に入ったパンを差し出してきた。


「ドラマ撮影は長いですからね、ちゃんと朝食べておかないと倒れちゃいますよ」


「ありがとう、後で食べるよ」


 湊心愛から袋を受け取る。湊心愛はそのまま歩いて行き先頭に戻る。そして昨日と同じ撮影所に着くとアイセブンのドラマ撮影が始まった。

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