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二体目

 

 仮眠で寝ていたのだが、実際に起きてみるともう既に夕方になっていた、ベッドから起き上がり部屋の扉を開けたらサラが立っていた


「ようやく起きたか、お嬢様がお待ちだ一緒に付いて来い」


 言われた通りサラに付いていく、サラの髪はツインテールをから会った時と同じロングストレートに戻していてメイド服から軍服に着替えていた。


「彰人様……!! どうぞこちらに」


 サラに連れて来られた場所には御嬢瑞希の他にメイドや執事達が十数人横に並んでいた。御嬢瑞希に引っ張られ席に着く長テーブルには初めて見る食事が並んでいた。


「えっとこれは……?」


「勝手ですが彰人様と一緒に食事をしたくて、やはり迷惑でしたか……?」


「別に迷惑とかは考えてないけど、それに俺はここでお世話になってるんだし、何も言えないよ」


「よかった……本日はメイドではなく三ツ星シェフに直接料理していただいたので彰人様も気にいると思います」


 そして長テーブルに並んでいた食事達をメイド達が近くに運んでくる。


「いただきます」


 俺が手を合わせるていただきますと言うとメイドと執事達全員から視線浴びた。


「俺何か変な事言った」


 傍に立っていたサラに聞いてみる。


「この家でいただきますは禁止されていて黙って食べるのがルールだ、なんでも何百年と続くしきたりらしい」


 それなら俺も黙って食べよう、だがやはり無言で食べるのは少しおかしな感覚があるがこれが御嬢瑞希の普通なのだろう。


「大変美味な食事でした、彰人様はどうでしたか三ツ星シェフに直接料理していただいた味は」


 正直味など食べている時に考えていなかった、俺は率直に美味しかったと言って切り抜ける。そして食事が終わり、大浴場に来てみたが、大浴場の中に入って広さに驚く、俺の家位あった。


「でも今日は久しぶりに人間らしくなったな」


 ずっと亜梨沙姉ちゃんの事が頭から離れなかったので最近何も感じなかったのだ、だがここに来て少し自分に変化があったのかもしれない。


 のぼせる前に大浴場の湯船から上がって部屋に戻る、閉まっていたはずの窓が開いていた、誰かが換気の為に開けたのだと思い、ベッドに寝転ぶ。


「ずっとこのままって訳にはいかないからな」


 いい加減自分でも立ち直らなきゃと思っているのだがやはりそう簡単には亜梨沙姉ちゃんの事は忘れられる訳がない。


「亜梨沙姉ちゃん」


 愛刀天花から受け取った写真を着替えたズボンのポケットから出す。ずっとポケットにしまっていたので少しくしゃくしゃになってしまった。


「……」


「おい、お前何やってる」


「……!?」


「ちっ……これで昨日今日と合わせたら二体目だぞ」


 深夜寝てる彰人をずっと眺めていた不審者の首をガーターベルトに仕込んでいた短刀で斬る。首はゴロゴロと転がっていき、胴体が寝てる彰人に倒れそうだったので受け止める。


「全く城田亜梨沙の願いとはいえ、こう簡単に侵入されたら……幾ら私でも寝てる時にまで彰人を守る事は出来ないぞ」


「あ……あ……あっくん」


「へー今回は首を斬られても喋れるのか。流石アンドロイド一日でそこまでの改造をしてきたか」


 胴体と転がった首を持ち上げて部屋から出ていく。


「いつまであっくんをここに閉じ込めておくつもり」


「別に彰人をここに閉じ込めてる訳じゃない、今は彰人自身がここにいたいと思ってるからいるだけだ。もし彰人がここから出たいと言うなら私が全力で手助けする。私は城田亜梨沙から彰人の事を頼むとお願いされたからな」


「死んでもなおあの女はあっくんを独占する気なのね」


 斬った首が話しかけてきたので答えると、最後に一言だけ言い残して首は喋らなくなった。首と胴体を本邸の外にある大型焼却炉に突っ込んで、持ち場である彰人の隣の部屋へと戻る。

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