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知り合いの女子は全員ヤンデレになった。  作者: ゆきいろ
アイセブンドラマ撮影
57/98

伊藤愛美の正体

 

 PrrrrrPrrrrrPrrrrr


「はいもしもし」

「約束なんてした覚えないけど」

「もう切るね。もうすぐ起きると思うから」


 途切れ途切れだが気を取り戻してきた、教室の扉付近で伊藤愛美が誰かと電話しているのを目撃する。


「ごめんねあっくん。スタンガンを二度も当てて」


 心配するような声音で頭を撫でる伊藤愛美。


「もう朝じゃないか」


 窓をみるともう朝日が昇っていた。


「一体何が目的か知らないけど、早くこれを解いてドラマの撮影に行かないと」


「あっくんは今の状況を考えてドラマの撮影に行けると思うの……?」


「上手くいくと思ったんだがな」


 流石に簡単にいくと思ってなかったが、やはり騙されなかったか。


「だけどあなたや俺がいないとドラマの撮影も始めれないでしょ」


「それは安心して、さっき天花にメールして私が風邪引いたから病院行く為にあっくんを借りてくって送ったから。まだ返信は返ってきてないけどまあ短期間なら誰も私があっくんを拉致監禁してるなんて気づかないでしょ」


「一体何が目的なんですか」


「目的……? 言ったよねあっくんに私の事を思い出させるって」


「だから俺はあなたの事を殆ど知らない」


「うんあっくんはそう思ってるんだよね……けど私は違うよ私の頭の中ではあっくんとの事をはっきりと全部覚えてる……なのにあっくんは私の知らない間に変わってた今じゃもう私の知ってるあっくんと違う。だからねあっくんには少し痛い目にあうけど我慢してね」


「何を」


 伊藤愛美は何かの機械を取り出すそれを頭に嵌められいきなり頭痛がしてきた。


「微量の電気だけど人間の頭ってね電気を流せば無くした記憶を思い出させる効果があるんだって。だから少しの間我慢して」


 頭痛が酷くなってくる。

 だがだんだんと伊藤愛美について思い出してくる気配がある。


「あっくん私ね将来あっくんのお嫁さんになる」

「まなちゃんあきとに近付かないで」


「なんで邪魔するのかーちゃん……?」

「だってまなちゃん、ずっとあきとと一緒に遊んでるじゃん私もあきとと一緒に遊びたいよ……」


「うう……二人ともそんなに強く引っ張りあわないで。腕千切れる」


「ごめんねあっくん」

「あきとごめん」


「どう思い出したあっくん」


 頭痛が治まる気を失う所ギリギリであった。


「……思い……出した……あんたの名前は伊藤愛美なんかじゃないあんたの名前は堺愛美。堺霞の双子の妹……けど事故で亡くなったはずじゃ」


「やった…!!やった…!!思い出したあっくん」


「ぐぅぇ死ぬ…死んじゃう……」


「ああ……!? ごめんねあっくん」


 急に首を絞める程の勢いで抱きついてきた伊藤愛美に伝えると、すぐに放してくれた。


「ゴホッ…ゲホッそれでなんで事故で亡くなったはずのあなたがこんな所にいるんですか」


「まず何から話せばいいか、今の私は人間じゃなくてアンドロイドなんだ」


「……は」


 いきなりぶっ飛んだ話をされて困惑気味に答えてしまった。

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