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知り合いの女子は全員ヤンデレになった。  作者: ゆきいろ
アイセブンドラマ撮影
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城田亜梨沙と彰人の過去

 

「あーきーと、勝手に私のプリン食べたでしょ!!」


「いてぇいてぇよ亜梨沙姉ちゃん」


 お正月父さんの実家に数日間お世話になっていた、冬華姉さんは大人達に囲まれこっちに助け舟など来る筈もない久遠はビデオで録画してもらっていた戦隊物を観るのに夢中であった。


 今俺の頭をグリグリと攻撃してきてるのは城田亜梨沙父さんの妹の娘さんだ、俺が勝手に亜梨沙姉ちゃんのプリンを食べたことで怒ってるのだ。


「亜梨沙!! 何彰人君いじめてるの」


「い、いじめてなんかないよ。彰人が私のプリン勝手に食べるから」


「もう今年で高校生になるんだからそんな事で怒らない、彰人君もごめんね。亜梨沙最近アイドルになってから彰人君に会えてないから、怒ってみえても心の中じゃ嬉しいのよ」


「お母さん!!」


「もうそんな強く押さないでよ、はい彰人君お年玉」


「毎年ありがとうございます」


「それにしても彰人君ももう今年で中学三年生なのよね彼女とかいないの?」


「え……やだな、彼女とかいないに決まってるじゃないですか」


「そう彰人君の容姿なら誰かから告白されたりするんじゃない」


「はははは」


 ごまかし笑いでその場を過ごした。


「あれ亜梨沙姉ちゃん帰らないの?」


「今日は泊まってくおじいちゃんとお母さんには許可貰ってるから」


 親族は皆帰ったと思い片付けてる途中亜梨沙姉ちゃんが残ってる事に気付く。


「にいにお風呂入ろ」


「久遠ちゃん私と入ろ」


「やだやだ!! にいにと入る」


「ほら久遠ちゃんもあと一年で中学生なんだからそろそろ兄離れを覚えなきゃ」


「いやだ亜梨沙ちゃんと入りたくない。にいにと入る」


 じたばたと暴れる久遠だが亜梨沙姉ちゃんは軽々久遠を持ち上げ、そのまま風呂場へと連れていく。


「フゥー彰人上がったから入っていいよ」


「うぅ亜梨沙ちゃんににいにとのお風呂邪魔された」


 久遠は半泣きになり風呂場から戻ってくる。


「ほら久遠みかんでも食べて機嫌直せよ」


「うん食べるぅ」


 久遠は座りみかんの皮を剥いて、みかんを食べる、さっきよりも久遠は機嫌がよくなる。


「久しぶり亜梨沙ちゃん」


「冬華さんお久しぶりです」


「最近アイドルになったっておばさんから聞いたよ」


「冬華さんの方こそ今年で高校三年生なのにもう有名大学から推薦状を貰ってるってお母さんから聞きましたよ」


「私は勉強だけが取り柄だから、亜梨沙ちゃんみたいに可愛くないからね」


「それはどうかと冬華さんは可愛いよりも美女ですからきっと私よりもアイドルの素質は十分ありますよ。歌だって前に一緒にカラオケに行った時だって平気で九十点以上取るじゃないですか」


「亜梨沙ちゃんに言われると嬉しいわね、それで彰人に何か用があるの」


「別になんでもないですよ風呂が空いたから伝えただけです」


「そうなの? 亜梨沙ちゃんなんか私と彰人で態度全然違うくない」


「そうですか冬華さんの方こそ私が彰人に話しかけるのがそんなに気になりますか」


「風呂入ってこ……」


 なんかここにいたら地雷を踏みそうなる為そそくさと風呂場まで向かう。


「あぁぁーぎもぢいい」


 おっさんのような声が出て湯船に浸かる、やっぱ風呂はいいねぇと考え湯舟に浸かって数分後上がろうと風呂場のトビラを開ける。


「ひゃあ!?」


「ちょっ!! 亜梨沙姉ちゃんこんなとこで何してんの!?」


「おばあちゃんに彰人のバスタオル持っていってって頼まれたから持ってきたの。ここ置いとくね……」


「ああうんありがと」


 亜梨沙姉ちゃんはタオルを置くとすぐに出ていく、俺は体を乾かして、そのまま親族達がさわいでいたリビングで横になる。


「彰人りんご剥いたから食べな」


 ばあちゃんから皿にのっけられたりんご皿を手渡さられる、俺は家族の中でもフルーツはよく食べる方で毎回こっちに帰ってきた時、ばあちゃんが剥くフルーツを食べるのだった。


「ありがとうばあちゃん」


 ばあちゃんが剥いてくれたリンゴをフォークで刺し口に運ぶ。


「もういいのかい?」


「今日はもういいよ、てかもう疲れたから休むよ」


「そうそういつも通り三人で寝れるよう布団を並べてるからね、それと今日は亜梨沙も一緒に寝かせておくれ急に泊まるなんて言ってきたから部屋がないからね」


「ふわぁ俺は別にいいよそれじゃあおやすみー」


 実は母さんと父さんは親戚達と一緒に帰ってしまった父さんは明後日から仕事の為明日は家でゆっくり過ごしたいらしい。


 母さんも父さん一人じゃ心配だからと一緒に帰ったのだ、実際これから帰るとなると車や電車でも三時間は余裕でかかってしまうので、父さん達が帰る頃にはもう十二時を過ぎてしまっているだろう。


「彰人、どうする私の隣で寝るそれとも真ん中で寝る?」


「冬華姉さんの隣でいいよ」


「よしよし今日はもう疲れたでしょ」


 冬華姉さんに頭を撫でられる、なんか視線を感じで襖の方に注目する。


 襖が少し開かれこちらにじっと(・・・)視線を向けてきていた亜梨沙姉ちゃんを発見。


「もういいよ冬華姉さん」


「……あ」


 冬華姉さんは残念そうな顔をする。


「お邪魔しまーす」


 亜梨沙姉ちゃんが襖を勢いよく開け、布団に飛び込んできた。


「うわっと!!」


 亜梨沙姉ちゃんが飛び込んできたのは、俺が横になるつもりだった布団だったので俺の体も巻き込まれた。


「彰人大丈夫!?」


 冬華姉さんが心配して声をかけてくる。


「大丈夫、大丈夫、そんな心配しなくていいよ」


「私彰人と一緒の布団で寝るからこのまま一緒に寝ようね」


 亜梨沙姉ちゃんがそう答える、亜梨沙姉ちゃんとは前にも数回くらい一緒に寝てはいたのでそう恥ずかしくない、だが冬華姉さんの顔が急に不機嫌になる。


「どうかした冬華ちゃん?」


「なんでもない!! おやすみ」


 冬華姉さんは毛布をかけ布団にくるまってしまう。


「にいにおやすみ」


 久遠は久遠でもう夜遅いので襖を開け、そのまま布団に横になると寝始めた、俺の隣で寝てる亜梨沙姉ちゃんには気付かなかったようだ。


「こうして彰人と一緒に寝るなんてなんか懐かしね」


「そう? 去年も一緒に寝たと思うけど」


「彰人って本当デリカシーとかないよね」


 まさか亜梨沙姉ちゃんに言われるとは思ってなかった。


「彰人来年もこうして皆で一緒に寝ようね」


「そうだね」


 姉さんの事故さえなければ本当にお正月は皆で一緒に寝ていただろう、だがそんな事があるなんて誰も予想なんてしてなかった。

本日は無し

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