漫才『フェミニスト』
フェミニスト頑張れ!
決して差別を助長する者ではございませぬ。
ですので、暖かい目でお願いします。
二人「どうも~」
ボケ「上品な笑いを皆さんにお届けしますから、お楽しみに!」
ツッコミ「大丈夫ですか? そんな事言って」
ボケ「大丈夫ですよ。
僕は丁寧な人間ですし。
それより、さっきそこでババァがね」
ツッコミ「おいっ!
お前、上品にいくんじゃなかったの?」
ボケ「え?
ああ、すいませんね皆さん。
そこで、クソババァがね」
ツッコミ「まさかのバージョンアップ」
ボケ「フフフ、冗談ですよ。
僕が女性にそんな事言うなんてありえませんから。
なにせ僕は、女性を尊重している男ですからね!
フェミニストといって良いんじゃないんですかね?
いや良いでしょう。
世の中の男! 消えてなくなれ!」
ツッコミ「極端だな…… お前も男だろうに。
まぁ、でも、女性の皆さんが社会進出していくのは、良い事ですよね」
ボケ「……あのな、お前、ソレはダメだぞ。
男の傲慢なとこが出てる発言。
今の時代はな、些細な一言で炎上したりするんだ。
もっと、ちゃんとだな、考えてから発言してもらわないと」
ツッコミ「悪い事いっちゃってた?
そんなつもりは全然なかったんだけど」
ボケ「犯罪者は皆そう言うんだよ」
ツッコミ「犯罪者って……」
ボケ「お前の発言は完全に上から目線だったぞ。
さっき、女性が社会進出していくのは良い事だと言っただろ?
男とか女とか…… 男女差別だぞ。
男女関係なく社会で活躍出来るのが当たり前の考えじゃないのか!」
ツッコミ「いや、そんなつもりで言ったんじゃなかったんですけど…… すいません」
ボケ「気をつけろ! 男の分際で調子に乗るなよ」
ツッコミ「……分際」
ボケ「その点、僕なんて違いますからね。
テレビとか出てるフェミニストどもを、この僕が尊敬してあげてるんですからね」
ツッコミ「お前が傲慢で上から目線じゃねぇか!
良く解らないけど、その人達に謝れ」
ボケ「僕を否定するお前は、女性の敵か!」
ツッコミ「女性の敵では無いですが、犯罪者とか男の分際とか罵倒してくるお前の敵ではあるな。
フェミニストって最近知ったのかもしんないけど感化されやがって。
世の中には、いろんな考えの人がいて当たり前って事を忘れないようにね」
ボケ「色んな考えの人…… 頭の足りない女でも世の中には、ちゃんとわきまえた女もいますから、認めてあげましょうって事ですか?」
ツッコミ「言ってないし、ほんとにやめて!
絶対に怒られるから!」
ボケ「怒られませんよ。
フェミニズムに賛同しない外道など粛清すればいい。
僕だけが正しい!
そう、貴様らは正しい僕の言う事を大人しく聞いてれば良いんだ」
ツッコミ「正しい訳あるか、外道はお前だ」
ボケ「そんな事より、女性の味方の権化のような僕は思うんですよ。
性風俗の仕事なんて女性差別の極みと。
皆さんも勿論そう思いますよね?
あんなもの無くしてしまえばいいんです!」
ツッコミ「人の話を聞け。
風俗を仕事と選択して頑張っている女性の方もいるだろうに、あんなものってのは職業差別じゃないのか?」
ボケ「お前は差別主義者か!」
ツッコミ「なんで? お前にだけは言われたくないけどな!」
ボケ「性奴隷として働かされている可哀想な彼女達を救いたいと思わないのか!
お前のような奴は、フェミニストじゃねぇ!」
ツッコミ「いや、別にフェミニストとか解んないですし……」
ボケ「兎に角、俺は風俗反対!
金で一時の快楽を買うなんて、ダメだ!」
ツッコミ「う、うん……
何か、正しい事を言われている気がするが釈然としない」
ボケ「大体、料金が高いんだよ。
お金が続かないので風俗反対! タダにしてくださいと僕は強く訴えたい!」
ツッコミ「壊れたか?」
ボケ「出来れば男の娘風俗もタダに!」
ツッコミ「さっきから何を言ってるの?」
ボケ「差別するのか? 僕は男女差別などしない!」
ツッコミ「ホントに大丈夫か? 不安になるレベルだぞ!
女性でも男の娘でも良いけど、そもそも金で買うのはダメって言ってなかっ」
ボケ「だから、タダで!」
ツッコミ「言ってる事が無茶苦茶!
フェミニストや全ての人に今すぐ謝れ!」
ボケ「違うんだ、誤解だよ、話を聞いておくれよ」
ツッコミ「何が? 何も違わないだろう」
ボケ「僕が言いたかった事は、 ただ、みんなと仲良くしたいってこと」
ツッコミ「……いや、お前は無理だろ?
もういいわ」
丁寧な言葉使いで、上品に仕上がったと思います。
私の他の応募作も読んでもらえたら嬉しいです。