表向きは部活だけど…(3)
下ネタを使うと面白くしやすいので使わせていただきます。
4人の男子たちによるグリコ最強決定戦が幕を開けた。
「グーリコ」
大塚と藤本はグー、小川はパー、高橋はチョキを出した。
「あいこか」
大塚は指の関節をポキポキ鳴らしながら言った。そんなこと何の意味もないのに。
「まあ、4人いるから妥当な結果だな」
高橋は必然的にこうなるのは当たり前だと棒読みした。
「グーリコ」
今度は高橋が1人負けをした。パイナツプルと唱えながらテンポよく3人は先に進んだ。
「お先です、先輩」
と小川が後ろを振り返りお前のことなんか誰も待ってやくれねーよとイラッとくる顔で言った。
「序盤にどんなに有利で最終的に勝ったやつが勝者なんだよ」
と高橋は一喜一憂せず落ち着いている。そんな会話の陰で藤本は、こういうの青春って感じがして良いなぁと心の中で思い、たった1回のジャンケンをしただけなのに満足そうにしている。
「グーリコ」「グーリコ」「グーリコ」
そんな掛け声を20回以上叫び、抜きつ抜かれつを繰り返していると校門まであと平均20メートルというところまで来た。現在一位の大塚はあと5メートル。二位の小川はあと10メートル。三位の藤本はあと15メートル。そして最下位は高橋の50メートル。
「高橋まだまだじゃん。笑っちゃうわー」
大塚は高橋を嘲笑っている。
「高橋には悪いけど先にゴールさせてもらうね」藤本も謝りながらも勝利宣言した。
「高橋も所詮凡人だったね」
小川も面白半分で茶化した。
「諦めなければ突破口は開ける」
高橋は不屈の精神でこの戦いに臨んでいる。
「グーリコ」「グーリコ」
すぐに決着はついた。ゴール手前の段階と順位は変わらず、大塚・小川・藤本・高橋の順に校門をくぐった。
大塚と高橋は勝利のハイタッチを交わし、ダンスを踊っている。
「正直、途中から高橋くんが何言ってるのか分からなかったよ」
言わない方が良かったかなと後悔し、藤本はソワソワしていた。
「もう1回やらないか?」
高橋は悔しくて連戦の意見を持ちかけると、大塚は
「別に良いけど、俺もう足がスティックだから」
大股で飛び続けたので3人の筋肉は悲鳴を上げている状態だった。ならどうする?と話し合ったところ、高橋がミッションにチャレンジして成功したら、他の3人がお金を出し合って高橋に奢るということ、逆に失敗したら高橋が3人に一本ずつ奢るという結論に至った。内容は体育館の外側の壁に設置されたバーに3分間ぶら下がるというもの。
「じゃあ3分測るよ」
藤本が携帯のアラームで3分間に設定をし、高橋からGOサインを受け取ったところでカウントが始まった。
「え、毛はみ出てるしへそ汚!」
大塚はそう言って喚き声を上げている。確かに、ぶら下がっていることでシャツとズボンの間に大きな隙間が生じ、チリチリの毛が何故か顔を出していた。
「モロ見えるね」
小川もへぇ〜と興味深げにじろじろ見ている。
藤本はあからさまには笑わず、顔を背けて、クスクス笑っている。高橋もふにゃふにゃした笑顔をしてしまい、手の力が抜け、
バーから手を離してしまった。
「お前、そういうこと言うなよ。絶対いけたのに」
高橋は悔しそうな表情を浮かべている。実際、高橋は持ち直そうとしていたが一歩間に合わずだった。その後、高橋は潔く負けを認め3人にジュースを奢った。
サブタイトルのずっこけ4人組は今日でおしまいです。テスト勉強のため,再開は20日辺りからにする予定です。