表向きは部活だけど…(2)
全く感想は来ませんでしたがせっかくなので続き書きました
今日も今日とて、川の周りをポケモンGOをしながら歩く高校生の姿があった。この川は橋が架けられているように、道路から見ると下を流れている。
「いつも思うけどさ、これって誰が書いたの?」
大塚の言葉に反応した3人は,大塚が指を差す先を見た。大塚が指を刺した先には川の周りを囲む、子供などの過失の転落防止に造られた高さ120メートル程の壁である。そんな壁には様々な絵が、一つずつ一定の距離を置いて描かれていた。一見なんじゃこりゃ?と不思議に思うが5つほど見てみるとある法則があることに気づく。
「あー、この絵しりとりね」
小川の言葉に大塚がそう、それそれと合いの手を入れた。
「やっていることのレベルで言えば幼稚園生・小学生じゃないか?」
正論だが、子供に対して酷くないかという考えを何の気なしに高橋は言った。
「で、でも子供のうちだけだよ、こういう風に無邪気に遊べるのは」
藤本は小さかった頃を思い出し、しょんぼりと寂しいという顔をした。
「えーと、いぬ・ぬりえ・えのぐ・グラタンあ、終わった」
小川が絵しりとりを読み上げて早々にゲームは終了した。
「ここが最後なんだ、中盤の方はかいじゅう・うきわ・わっか・かまちょ」
藤本は、最後のかまちょを読んで驚いた顔をしていた。小さい子供がかまちょという言葉を知っていたことに小川はツボにはまってしまった。
「あははははは、かまちょ知ってるの?今の子供」
甲高い声で大塚は笑い続けている。
「それにこの絵上手いな、かまちょがハブられている様子が忠実に描かれている」
評論家のような1言を頂けた子供の絵は確かに上手かった。ある少年が1発芸を上半身裸でしながら友達の輪に入っていこうとするが見事に露骨に嫌な表情をされている。
「どこの世界にもこういう可哀想な子は居るよね。いかにも不快感を表したような顔をされる子。お気持ちお察しするよ。」
藤本がそんな子に自分を重ねて同情する。
「確かにそういう奴は結構いる。俺は不快な顔をされたことはないが、インフルエンザで1週間休んで復帰した日に大丈夫だった?とか声を掛けられたことはない」
高橋がそんなの別に構わないという余裕な顔をした。慣れっこだいという強気な構えだ。
「でもこういうの荒んだ心が晴れる気がして僕は気に入ってるよ。」
藤本は子供がこの絵を描いていた様子を想像して幸せそうに清々しい顔をしている。
「子供が一生懸命何かを成し遂げようとしているのは応援したくなるよね」
流石、コミュ力の高い小川だ。そして、そんな小川と藤本が意気投合した場面でもある。
「幼稚園・小学校に通っていた頃に戻りたいよ。助動詞とか意味わからないし。」
大塚は勉強が好きではなく成績はいつも下から数えた方が早い補習レギュラーだ。
「あそこから毛が生えてなかった頃ねー」
小川はわかるわかるという意味に加えて、男性特有の絶対に盛り上がる話を語り合おうとしたのだろう。
「下ネタはよせ」
しかし、高橋は乗らない。
「そ、そういう話は…」
藤本は顔を赤らめて恥ずかしそうにしている。
「今となってはもうボーボーだよ」
唯一食い付いたのが、思春期の頃からそんな話が大好きなこの男、大塚である。
「ここは街の中だから控えよう」
小川は高橋と藤本が興味を引かなかったので、渋々下ネタ話を中断した。大塚は残念そうに肩を落とした。
「そんな残念そうにすんなって、代わりにグリコしようぜ」
「やるよ、やるやる」
真っ先に声をあげたのは大塚だった。さっきまでの顔はどこへ行ったと思わせるような切り替えのスイッチの早さだ。
「僕もやってみたい」
続いて藤本。
「俺は…やらない」
高橋も本当はやってみたいと思っているのだが負けるのが嫌で拒否した。
「何ならハンデやろうか?」
大塚は、ビビってんのかーと高橋を煽った。
「そこまで言われて黙るわけには行かない」
高橋の闘争心に火がついた。
「負けた奴は罰として全員にジュース奢りだ」
大体こういう奴に限って負けるのだ。
つづく
いかがだったでしょうか。感想や悪文の指摘,アドバイス待ってます
下ネタを少し入れましたが嫌だという方は遠慮なく言ってください