3人目『Complex-2』
エロの前兆が・・・!短くてごめんなさい。
♪rain♪
初めて出会ったとき、こういう男を美男と言うんだと幼いながらに思った。
当然、最初の頃は恋愛対象外。血の繋がりはなくとも兄であることには変わりないから。
でも、時間が経つごとにさらに男らしく成長した彼に兄に対する以上の感情を持ってしまった。
その頃、中二ぐらいから始まった怪異。
私と喋った人が翌日には入院していた、なんてマシなほう。
何人もの男の子が私と関わりを持ったが為に学校から姿を消した。
そして噂される『死神』の噂。私が一晩で男を捨てただの、人を雇って亡き者しただの。
あんまり不愉快だから一人で調べたことがある。
そしたら。
浮上するひとりの男。
「宏貴」
私の兄。家族。
これは、聞かなくては。
「どういうことか、知ってる?」
「・・・・お前はどこまで知っている?」
床に座る兄は私を見上げて聞く。
「何も知らない。あなたが怪奇の主犯であることぐらい」
兄の目は潤んでいた。少しの熱を持って。
「それを全て知っているというんだが」
「いいえ。肝心なことを知らない」
私はじっと上から兄を見つめた。
「兄さんはどういうつもりでしたのか私にはわからない」
「わからないか。じゃぁ」
兄は立ち上がり、私の手を引っ張りベッドに押し倒した。スプリングが軋む。
「こういうことだ」
兄の手は私の頬に添えられ、兄の声は私の耳元で甘く響いた。
両親は不在。大雨がこの部屋と外の世界を隔てていた。