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●20日前



本作のコミカライズを担当してくださったぺぷ先生と新しいコミカライズがスタートしますのでご連絡です。

『愛され聖女は闇落ち悪役を救いたい』

KADOKAWA フロースコミック様にて

漫画/ぺぷ先生 キャラクター原案/春野薫久先生

コミカライズ2025/08/29日より開始です。




デスゲーム漫画の黒幕殺人鬼の妹に転生して失敗した。小説版にはない二人のその後も収録したコミック最終巻⑥巻が発売中です。


そして本作が韓国のRIDIさん(電子ストアサイトです。国内でいうシーモアさんやピッコマさんです)

RIDIAWARD2024(2024年のお祭り)の次に来るマンガ賞を受賞しました。ありがとうございます。




 本棚に手を加え新しく鍵付きにしたのは、舞への恋心を自覚したときだ。計画を立てるにあたって何か小道具が必要になった時……例えば贈り物だったりの保管場所にしようとしていた。


 でも、今鍵をつけ本棚にしまわれているのは鎖や手錠、昏倒させるための薬品だった。


 舞を眠らせ、この部屋に繋げるための道具だ。夏休みのどこかで実行することを予定していたけど、親二人が二泊三日の旅行に出ることになり計画は早まった。


 舞と俺の二人きり。絶好の機会だ。誰も手を出すことは絶対に出来ない。


 約三日の間に舞を強引に奪い心を壊して、俺を愛するように作り直す。


 不安はあるけど、人を極限状態まで追い込めば疑似的な愛を作り出すことが可能ということは、既に証明されている。効果ではなく症状にカテゴライズされるけれど、手段を問う気にはなれない。


 果たして俺が新しく作り直した舞が、俺が愛している舞なのかと思うけど、奪われるくらいならましだ。あの時……トラックに撥ね飛ばされたときのように、遠くへ消えて溶けていってしまうくらいなら、舞を壊して残骸をかき集めて抱いていた方がこの虚ろは満たされる。


 そう決めたのに、最後の最後まで俺の心は定まらなかった。しっかりとパズルのピースを埋め合わせているはずなのに、浮いて嵌まらないような不快感がこみ上げる。


 定まらない感情を埋めるため舞の傍にいたけど、舞を見る度にその心は乱れていく。


 舞を見る度に抱きしめたくなる。好きだと言って受け入れてほしくなる。喉が渇いて仕方がなくなって、舞に縋りつきたいとすら思うようになった。


 甘い幻想に焦がれる一方で、俺は夏休みに入って両親が発つ二日前まで、ずっと舞を殺す夢を見ていた。


 鎖に繋がれ俺を拒絶する舞の首を思い切り締め上げると、光を放っていた瞳が濁っていき、よく動いていた四肢がだらりと力なく下がる。俺に怯える舞の腹を貫くと、舞の唇の色よりも濃い赤が流れて来て床を染め上げていく。


 そして朝、腕の震えで目を覚ます。心にあるのは、殺したくなかった。殺したくないという後悔と祈りだけ。


 かつて生き死にに強く惹かれた頃はあった。舞のことも死んでもいいと考えていた。でも今は違う。それなのに心が手に入らなければ、身体だけならば、いっそ殺してしまってもいいんじゃないかとすら思う。なのに殺したくない。殺したくないけれど、このままだと間違いなく殺す。舞を殺す感触だって、こんなにも残っているのだから。




本作のコミカライズを担当してくださったぺぷ先生と新しいコミカライズがスタートしますのでご連絡です。

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