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●338日前



本作のコミカライズを担当してくださったぺぷ先生と新しいコミカライズがスタートしますのでご連絡です。

『愛され聖女は闇落ち悪役を救いたい』

KADOKAWA フロースコミック様にて

漫画/ぺぷ先生 キャラクター原案/春野薫久先生

コミカライズ2025/08/29日より開始です。




デスゲーム漫画の黒幕殺人鬼の妹に転生して失敗した。小説版にはない二人のその後も収録したコミック最終巻⑥巻が発売中です。


そして本作が韓国のRIDIさん(電子ストアサイトです。国内でいうシーモアさんやピッコマさんです)

RIDIAWARD2024(2024年のお祭り)の次に来るマンガ賞を受賞しました。ありがとうございます。




 俺の一歳年下の妹が馬鹿になった。


 成績は良かった。でも人の倍やらないと身についていないところから、頭の出来は良くない気はしていたけど、熱中症で倒れて脳がおかしくなったらしい。


 翌日から池に自分から飛び込むようになった。元は父さんが再婚した相手の娘で血は繋がっていないし、出会ったのも俺が十歳の頃だったから、元の頭の出来を全部知っているわけじゃない。元々素質があったのだろうか?


 変化はもう一つある。少し前までは「お兄ちゃん何処へ行くの」と俺の後をついて回っていた。中学生になってもべったりで構い方を間違えた気もしていたけど、適当に世話をしていれば周りは勝手に「優しい普通のお兄ちゃん」として俺を見る。便利に使っていたのに俺を見ると避け、傍に近づかなくなった。


 公園の池を見ると必ず飛び込むのは死にたいからと思ったけれど、自分が死なないように配慮はしているみたいだった。気が触れたのか、リストカットの亜種か。


 それとも別の理由で飛び込んでいるかはよく分からないし、別に知りたくもない。興味が無い。


 妹が小さい頃は、公園の池を覗く姿を見て突き落としたらどうなるんだろうと考えていた。


 けれど実際妹が落ちるのを見ても何とも思わなかった。中学二年生になり、死亡率が幼少期より下がったからなのもあるけれど、なんだか拍子抜けしてしまった。


 もう少し面白いものだろうと期待していたのに。生きていたのがいけなかったのか。


 ぼーっとベッドの上で妹の奇行について考えた後、俺は階段を下りて庭へと向かった。空には満月が浮かんでいて、懐中電灯を照らす必要はない。月明りを頼りに縁側の奥に隠している箱を取り出して、ポケットに入れていたピンセットでつまんだ。


 ぶちぶちと、糸を引き抜くみたいに足を引き抜いていく。虫はじたばた暴れていて、やがて動かなくなった。少しピンセットでつつくと弱々しく足が動いてすっとする。


 幼稚園生くらいの頃から何にも興味が持てなかった。でも、ある時虫を殺してみて、さっきまで生きて動いていたものが痛めつけられ、じたばた暴れてから死んでいくのを見ることはとても楽しいということに気付いた。


 だから舞が幼稚園で捕まえてきた虫を俺のもとへ持ってくるたびに、箱に詰めて保存しては殺していた。


 でも、最近舞は池に飛び込むばかりで、俺が生き物を捕まえる時間が潰れてしまっている。不愉快だ。


 一瞬事故に見せかけて怪我でもさせようかと思ったけど、一度失敗しているからやめて家族会議にかけた。舞は外出禁止となり、夏休みが終わるまでの一週間、俺は自由だ。


「もっと大きいものもやりたいな……」


 犬とか、猫とか。


 とりあえず今は手のひらサイズのものしか扱えていないから、今度はもう少し、両手に収まるくらいのものに触れたい。


 舞とかはどうだろう。池で溺れて死んだなら事故に見せかけられそうだけど、バラバラにしたら流石に難しいかな。


 俺は残念に思いながら虫をしばらく弄び、また継ぎ足しをしてから箱をしまった。




本作のコミカライズを担当してくださったぺぷ先生と新しいコミカライズがスタートしますのでご連絡です。

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