●140日前
本作のコミカライズを担当してくださったぺぷ先生と新しいコミカライズがスタートしますのでご連絡です。
『愛され聖女は闇落ち悪役を救いたい』
KADOKAWA フロースコミック様にて
漫画/ぺぷ先生 キャラクター原案/春野薫久先生
コミカライズ2025/08/29日より開始です。
デスゲーム漫画の黒幕殺人鬼の妹に転生して失敗した。小説版にはない二人のその後も収録したコミック最終巻⑥巻が発売中です。
そして本作が韓国のRIDIさん(電子ストアサイトです。国内でいうシーモアさんやピッコマさんです)
RIDIAWARD2024(2024年のお祭り)の次に来るマンガ賞を受賞しました。ありがとうございます。
結局、渡せたのはそれから一か月後の卒業式だった。
その日、俺は女子生徒たちから手紙をもらった。節目だからと人は口にする。だから俺も最後のチャンスとして舞にシュシュをあげようと思った。結局大した言葉を吐くことも出来なかったのに、舞は疑うことなくあっさりと受け取り拍子抜けした。もらった手紙は夜中に処分したけど、それを舞は見ていたらしい。翌日明らかに俺を見て怯える舞の髪には、シュシュがついていなかった。
捨てていた時忌々しさと嫌悪を感じていたから、きっと舞に向けたことがない顔をしていたのだろう。
舞に対しては意識的に優しい顔を作っていたから余計にショックだったのかもしれない。
事情を説明すると舞は考え込んだ様子で俯いた。少しだけ見える頭の後ろからは相変わらずあのシュシュは見えなくて、残念さを感じる自分に戸惑った。
人にあげたものを受け取られないことは「悲しい」に該当することを理解しながら、手紙を捨てたことに罪悪感も後悔も抱かない。結局自分はそういう人間なのだと考え舞から離れようとする俺に、舞はシュシュを身につけ笑いかけてきた。
他人の笑顔に、どうこう思ったことはない。
でも舞が笑うと漠然と、胸か腹の辺りで何かが浮かぶ。
それは舞が家族というカテゴリーの中に存在しているからなのかと考えたけど、俺は親である二人に対して何かを思ったことがない。
血が繋がっているほうと、繋がっていないほう。どちらに対してもだ。
ある意味俺は二人をきちんと平等に見ていると言ってもいい。その点で見れば、義理家族の理想形であるとは思う。
舞は死ぬかもしれなかったから、執着が芽生えただけなのだろうか。
親たちも死ぬような目に遭えばどうでもよくないと思うのか。いっそ火事でも起こすべきなのか。
しばらくシュシュが渡せなかったことから舞の命や死ではなく舞に執着していることは分かったけど、その執着が家族としてなのか人間としてなのか分からない。両親を死なない程度に痛めつけるにしても、そこそこリスクを伴う。
そうして、舞のことを考え続けていたからなのか、夢に舞が出て来た。いつかの時に読んだ保健の教科書の手順で、舞に触れる夢。
夢の中の舞は現実の舞と寸分変わらぬ声と容姿で、違いはなにもない。
ただ俺が触れると少し照れたような顔をして、甘い声を出す。そこしか違いが無かった。
目が覚めると俺の身体は確かな反応を示していて、ああ、俺は舞を家族としてではなく女として見ていたのかと気付く。
そう考えるとこの得体の知れない執着は、俺の心にすとんと落ちていった。
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