●191日前
本作のコミカライズを担当してくださったぺぷ先生と新しいコミカライズがスタートしますのでご連絡です。
『愛され聖女は闇落ち悪役を救いたい』
KADOKAWA フロースコミック様にて
漫画/ぺぷ先生 キャラクター原案/春野薫久先生
コミカライズ2025/08/29日より開始です。
デスゲーム漫画の黒幕殺人鬼の妹に転生して失敗した。小説版にはない二人のその後も収録したコミック最終巻⑥巻が発売中です。
そして本作が韓国のRIDIさん(電子ストアサイトです。国内でいうシーモアさんやピッコマさんです)
RIDIAWARD2024(2024年のお祭り)の次に来るマンガ賞を受賞しました。ありがとうございます。
舞の弁当作りは、終わりが見えなかった。
「ふわああ」
学校に行くため家を出ると、舞は大きな欠伸をした。舞の右手は俺に繋がれていて、左肩にはスクールバッグを、手にはランチバッグをさげている。
「眠い?」
「うん……今日は一時間目に歴史があるから、その時寝ようかな……」
舞の目は半分開いてないかくらいで、感覚で足を動かしているような状態だ。
弁当作りによって舞は朝いつも眠たそうにしている。帰り道もぼーっとしていることが増えた。
「まぁ、歴史は予習復習もやりやすいからね」
眠いようなら作らなくていいよ。それが俺の模範的な回答で、良き兄として伝えなければいけない言葉だ。
以前なら躊躇わず言えたのに、今は言える気がしなかった。何故だか自分でもよく分からない。兄としてならそう言ってやることが最適解のはずなのに。自分の事なのに思い通りにいかなくて苛々する。いっそこのまま舞を歩道橋などから落としてしまおうか。
舞を盗み見ると、手にさげられたランチバッグが視界に入った。俺が右肩に下げているスクールバッグの中には色の違う、そして中身も違うランチバッグが入っている。
教科書に紛れて重みなんて分からないはずなのに、いま自分が下げている鞄から確かな重みを感じた。
「そうだ。今日帰りスーパー寄っていい? お弁当の材料欲しいんだけど」
「いいよ」
返事をすると、舞は「よし」と嬉しそうに笑った。その笑顔を見て、もどかしく思う。
「今日もすごいけど、明日ももっとすごいからね」
「……うん」
舞は自分の時間を犠牲にして俺に弁当を作る。それに対して俺は礼を伝えることしか出来ない。そのことに焦燥を感じる。
前までは人に感謝をするのもされるのも面倒だと思いながらも、そうした方が自分にメリットがあるからしていただけだった。人からされることには利益を感じるか、煩わしく感じるかの二つだけ。
なのに舞に対しては、もどかしい。
どうして礼一つまともに伝えることが出来ない。何か俺に出来ることはないか。そんなことを考える。気持ち悪い。俺は頭に靄を抱えながら舞と歩道橋の階段を上ったのだった。
本作のコミカライズを担当してくださったぺぷ先生と新しいコミカライズがスタートしますのでご連絡です。
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