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●２２５日前

本作のコミカライズを担当してくださったぺぷ先生と新しいコミカライズがスタートしますのでご連絡です。

『愛され聖女は闇落ち悪役を救いたい』

KADOKAWA　フロースコミック様にて

漫画/ぺぷ先生　キャラクター原案/春野薫久先生

コミカライズ2025/08/29日より開始です。

デスゲーム漫画の黒幕殺人鬼の妹に転生して失敗した。小説版にはない二人のその後も収録したコミック最終巻⑥巻が発売中です。

そして本作が韓国のRIDIさん(電子ストアサイトです。国内でいうシーモアさんやピッコマさんです)

RIDIAWARD2024(2024年のお祭り)の次に来るマンガ賞を受賞しました。ありがとうございます。

　舞がトラックに轢かれてからというもの、俺はどうやらおかしくなったようだった。

　妹の姿が見えていないと落ち着かない。

　世間一般で言えばその執着は「過保護」だけど、俺の感情が果たしてそれに該当するかは疑問だ。

　兄として妹を死なせない為なのか、異常者として舞の命に執着しているのか自分でもよく分からない。

　俺は舞を一度だって対等な相手だと思ったことはない。後から現れた妹と呼ばれるもの。今更あれに何を思い求めるのか。

　だから今までを取り戻そうと思った。俺は変わっていないと証明がしたい。だから舞をそばに置くことにした。一方事故以降も妹の奇行は収まる様子はない。俺のためにと、変な弁当を作り続けている。

　味は普通だけど見た目が変。おおよそ人の感性から外れたそれは、凝っていて時間がかかったものだということが一目見て分かる。

「これいけるんじゃないかぁ！？」

　やる気なく明日のテストに向けて教科書をめくっていると、隣の部屋から舞の声が聞こえてきた。壁が薄いから意識して生活しないと物音が聞こえてくる。俺は別に舞と違って部屋でのこぎりを使ったりしないし、段ボールを何十枚も動かしたりしない。だからあっちは気付いていないだろう。

「卵焼きで出来るじゃんこれ！」

　舞は寝る前に弁当の内容について考えている。俺に「絶対食べるまで開かないでね！」と言っているのにこれでは筒抜けだ。

　俺はため息を吐いて、引き出しからイヤホンを取り出した。もともと勉強しているときに音楽は聞かないし、使うのはリスニングだけだった。でもここ最近使用頻度は増すばかりだ。

　今更舞の声を煩わしくは感じない。でも聞いてはいけない気がする。かといって、イヤホンをつけ曲を流す自分に疑問を抱かないわけではない。

　自分の中身が侵食されていくようで、不快には思った。