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初めてのお仕事

 あれから数日、魔法の訓練は順調で、低級だけ攻撃魔法を出来るようになった。

 エアボール、リーフカッター、ウォーターボール、アイスボールだ。

 結界魔法でも色々出来るみたいだけど魔力が足りなくて単純な防御結界しかできない。

 後は光魔法のヒールを使えるようになったのは大きい。


 ギルドマスターもヒールがあればそれだけで重宝されると言っていた。


 それから休憩の暇つぶしがてら生活魔法を覚えたんだけどこれがまた便利だ。

 特にクリーンの魔法はよく使う。

 一日の汚れをクリーンでさっぱり落とすのは思いの外気持ちよかった。

 

 これがここ数日で得た新しい魔法だ。


 そして、今日は仕事の日。

 安心して僕を任せられるパーティーがこの前帰ってきて、今日またクエストに行くらしいから同行するように言われた。

 僕の役割は荷物持ちと後方支援だ。


「昨日も話したがシローの役割は荷物持ちと魔法での後方支援だ。

まああいつ等は優秀だから荷物持ちだけで終わるかもしれないが、現場で冒険者の事をいろいろ教えてもらってこい。

シローの事はもう話してある、それと隣の会議室であいつ等は待ってるから行くぞ」


 ベノさんは隣の部屋まで付いてきてくれて、パーティーと引き合わせてくれた。


 中には女二人と男一人が居た。


「今回皆さんに同行しますシローと言います!!

よろしくお願いします!!」


「本当に妖精なんですね……」


 男の方は興味深そうに僕を見て、女二人はキャーキャー騒いでいる。


「この優男がパーティーリーダーのエルマンだ。

優しい顔してるが戦闘は滅茶苦茶だから驚くなよ」


「エルマンです。

よろしくお願いしますシロー君。

こっちの杖を持っている方が光魔道士のセレナ。

もう一人が盗賊のリナです」


「よろしくお願いしますねシローさん!」


「よろしくぅ~!シロー!」


 爽やか金髪イケメン兄ちゃんは鎧を着込み両腰に剣を携えている。

 双剣士だろうか?

 なんか見た目に合わない凄みを感じる。


 杖を持っているお姉さんはおっとりとした雰囲気で、タレ目に泣きホクロがセクシーなお姉さんだ。

 白いローブを着ていてむっちりしている。

 巨大な双丘に目尻が下がる。


 盗賊のお姉さんは露出多めで膝までのパツパツのズボンに引き締まったお腹を見せびらかしている。

 このお姉さんの丘は控えめだけどなんか艷さがある。

 髪は短めで鋭い視線で見られると世の男共は……。


 三人とも20代前半位だろうか、若さのエネルギーが漲っている感じだ。


「それじゃトロール討伐頼んだぞ。

あと、くれぐれもシローから目を離さないように。

こいつは色々と規格外だからな。

まだ隠しておきたい。

慎重に頼むぞ」


「了解ですベノさん!

僕達に任せてください!

それじゃあシロー君、早速荷物をお願いしていいですか?」


 エルマンさんの後ろにはたくさんの保存食やら水やらポーション等のアイテム類、調理器具、よくわからない道具かあった。


 とりあえず全部無限収納にしまうと、改めてベノさんには驚かれ、エルマンさん達には凄く喜ばれた。

 

 いよいよ出発という事で僕はセレナさんの鞄の中に入り隠れる。

 鞄の中はキチンと整っていてなんだかいい匂いがする。


 ベノさんに見送られてギルドを出て外壁の門へ向かう。


 久しぶりの町中は相変わらず賑やかだった。





 今は街を出て街道を外れ、草原を歩いている。

 人の姿はないから僕は鞄から出て空を飛びながら三人についていく。


 空は快晴で風は穏やかで心地いい。


「シロー君はなんで冒険者になろうと思ったのですか?」


 気持よく飛んでいたらエルマンさんにそう質問される。


「う~ん、一番の理由は人間と一緒に自由気ままに生きてみたいって思ったからかな~。

僕弱いし人間に守ってもらいながら何かお手伝いしてのんびり気ままに生きていこうかな~って」


「人間を怖いと思わなかったのですか?」


「全然思わなかったよ。

最初に会った人間は優しい人だったし、ゴブリンの方が怖いかな。

あいつら僕を食べようとしてしつこく追っかけてくるんだよね。

その時に初めて人間に出会って助けてもらったんだ」


「良い冒険者に出会えたのですね」


 エルマンとエレナさんは微笑み、リナさんは頭に手を起き気ままに付いてきていた。

 しばらく歩いているとホーンラビットが遠くに見えた。


 角は装備の素材や錬金術の素材に、肉は柔らかくて美味しい教えてもらった。

 皮も鞣してお金の小袋とかに加工出来ると色々使えるという。

 だけど警戒心強く逃げ足がかなり早くて、捕まえるのに一苦労するのだとか。


「それっ!」


 気づかれない距離で結界魔法でホーンラビットを捕まえる。

 最も得意とする結界魔法はすでにスキルMAXだから自在に操れる。

 もっとMPが多ければ教えてもらったいろんな結界を使えるけど、今はこの単純な防御結界だけでもこうして使い勝手がいい。


 結界で捕らえたホーンラビットをこっちに引き寄せる。

 必死に逃げようとあちこち跳ねまわり角を突いていくがビクともしない。


「これは……結界魔法ですか!?

かなり珍しい魔法ですよ!

確かにこれはあまり人には見せれないですね……」


 エルマンが驚きながらそう言ってセレナとリナさんは驚きのあまり言葉に出来無いと言った様子だ。


 そんなに凄いスキルだったのか。

 ただ自分を守る力が欲しくて選んだんだけど……まぁいっか。


 結界の中のホーンラビットは暴れ疲れたみたいでぐったりしている。

 このホーンラビットをエルマンさんにお願いして絞めてもらい、夕食に捌いて食べるとして無限収納にしまった。


 その後は特に問題なく平和に草原を進んだ。



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