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レベル上げ


 ギルドマスターのベノさんとこに世話になって数十日が過ぎた。

 僕はとある欲求が爆発しそうになていた。


「レベル上げしたい」


「は?」


 怪訝な顔をするベノさん。

 エルマンさん達との依頼のあとはずっとこの部屋に閉じ込められてひたすら魔法の練習をしていて流石に飽きてしまった。

 お陰で魔法はこの通り。


「ソウルタブオープン」

____________________

シロー 0歳 男 妖精族 Lv1

職業:無職Lv1

称号:渡来者


HP15/15 MP10/200


力:2

体:2

知:217

心:340

運:88


固有スキル

浮遊 千里眼


スキル

無限収納MAX

全言語理解MAX

結界魔法MAX

光魔法Lv5

風魔法Lv4

木魔法Lv4

水魔法Lv3

氷魔法Lv2

無詠唱Lv5

____________________


 こんな感じだ。

 魔法との親和性が極端に高い種族という事で上達はあっという間である。


 だけどMPが少ないから練習は休み休みしなきゃいけなくてそれもストレスになる一つの要因だ。


 自己鍛錬でレベルを上げることは可能だが経験値は極微量で、手っ取り早くレベルを上げるならモンスターを倒せばいいのだ。

 因みに止めを刺した者が経験値総取りだからパーティーの場合は譲り合ってレベルを上げてるんだとか。


「だからさぁ~レベル上げたい!

MP増やしたい!」


「あ~、わ~ったよ。

とりあえず今は任せられる奴居ないから俺がついてってやる」


「え~!!

ベノさんが~?」


 もうずっと顔を見ているから正直勘弁願いたい……。


「嫌なら大人しく魔法の練習してな」


「ぐぬぅ……、致し方ない……」


「そこまで嫌そうな顔しなくてもいいだろ~が!

傷つくぞ!?」


 という事でむさ苦しいおっさんの鞄に隠れて僕は今街を出る所だ。

 ベノさんの足取りが軽やかな所を見ると彼も書類と格闘するのに飽きていたみたいだ。


 街も出て街道を外れた草原。

 冒険者なりたての子供は大抵ここでレベル上げなりクエストなりをこなしている。

 いきなり森に行って痛い目に合うやつも良くいるとベノさんはボヤく。


 人気の少ないところに来て僕は鞄から出てのびのびと背伸びをして飛び回る。


「俺の見えない所に行くなよ」


「ほ~い。

早速スライム発見!」


 凍てつく風を発動しあっという間に凍らせる。

 こうすれば素材も無駄なく回収出来る。

 完全に凍ったのを確認して無限収納に入れた。


 ホーンラビットも見つけて、結界で捕獲し水魔法で結界内に水を発生させて溺死させる。

 これが一番新鮮さを保つ殺し方だと僕は思う。


「……可愛いナリしてえげつない殺し方するなら……」


 ベノさんは頬を引くつかせて言う。


 それから木魔法で雑草成長促進させ、操り絡めて動きを止めたり、風魔法で結界内を無酸素状態にしたりと試したい事は一通り試した。

 魔法の楽しさにどっぷりはまっていく。






 夕方になり、そろそろ戻る事にした。

 今日の戦果はこれだ。


 スライム(凍結)×14

 ホーンラビット(溺死)×9

 ゴブリンの睾丸×11


 あとゴブリンから魔石も取り出して11個。

 解体はベノさんにやってもらった。


 そして、待望のレベルだが。


「ソウルタブオープン」


____________________

シロー 0歳 男 妖精族 Lv17

職業:無職Lv1

称号:渡来者


HP48/48 MP172/406


力:2

体:2

知:377

心:660

運:88


固有スキル

浮遊 千里眼


スキル

無限収納MAX

全言語理解MAX

結界魔法MAX

光魔法Lv5

風魔法Lv4

木魔法Lv5

水魔法Lv3

氷魔法Lv3

無詠唱Lv5

____________________


「満足したか?」


「う~ん、まあストレス発散にはなったよ。

もっとレベル上がるかな~って思ったけど期待してた程じゃなかったかなぁ」


「まあ、今日はもうおしまいだ。

帰るぞ」


 大人しく鞄に入りギルドへと戻った。

 夕方という事もあり、ギルドは冒険者達の喧騒で賑わっている。

 ベノさんはギルドマスターだからいろんな人に声をかけられている。

 それを鞄の隙間から眺めていた。


 やっとの事でギルドマスターの部屋に戻ると、鞄から出て定位置となった一人掛けソファーに寝っ転がりだらける。


「モンスターの換金はどうする?」


「ん~、別にお金に困ってないから今度で良いや~」


 寝そべり怠惰を貪る。


「どれぐらい強くなったら外出ていいの?」


「俺を倒せたらな」


「……そい」


 ベノさんを結界で包んだら拳一発でガッシャアアアンっとガラスが割れるけたたましい音がして一瞬で崩壊した。


 額に青筋立てて僕を睨みつける。


 数秒見つめ合いお互い一瞬で動き出す。

 流石はギルドマスターと言ったところから。


「ゴメンナサイ、離してください」


 ベノさんは僕の体を絶妙な力加減で掴み、尻を向かせてデコピンをしようとしている。


 そして、これまた絶妙な力加減で放たれたデコピンは僕の尻に放たれペチンと音を鳴らした。


「いたああああああああい!!

うっそ!?

HP半分以上削れてる!!

フルヒール!!」


 体全体が光りに包まれ尻が癒やされHPが全快する。


「ったく、回復手段があるんじゃお仕置きにならねえな。

もう俺にイタズラしようなんて考えるなよ。

次は強くやるからな。

わかったな?」


「ハイ」


 これ以上やられたら瀕死になると思い心の中で自重しようと誓った。



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