ボクとママとパパと、天使
ボクのママは『テンネンさん』ってよばれてる。
ママのなまえにはテもンもネも、ないのにね。
ボクは『テンサイジ』なんだって。
どういういみかわからないけど、テとンとサがママとおそろいだね。
ボクはもうすぐよんさい、らいねんはネンチョーさんっていうのになるんだけど、もうすぐ『てんし』がおよばれしてくるんだって。
ママの『ことばえらび』と『せんす』は、ときどきふしぎで、なんどきいても、いみをおしえてもらっても、わからないことがある。
そういうとき、ママのそばにいるオトナが「みーなちゃんはテンネンさんねー」とかいったりする。
たぶんきっと『テンネンさん』ってふしぎっていみなんだとおもう。
そういったらパパが「たぁくんはテンサイだ! テンサイジだ!!」っていったから、ボクは『テンサイジ』なんだとおもう。
パパはいつもひとつきにいっかいしか、おうちにかえってこない。
ときどき、なんかげつもかえってこないで、かわりに『びでおめーる』っていうのをおくってくるみたい。
パパがなきながら「あいしてるぞー」っていろんなポーズでさけぶのをくりかえすのと、しらないばしょやいきものがうつってるの。
パパがしゃべってないほうは、パパがおしごとしているからだってママはいうんだけど、いつもはうるさいパパもおしごとしているときは、しずかなんだね。
ボクもほんをよむときは、とってもしずかだよ。
そんなママが、『てんし』をおうちにおむかえするじゅんびをするのに、しばらく『びょーいん』に『にゅーいん』するんだって。
ママのおねーさんだっていうおばさんがいうには、おばさんがときどきママのところへいくから、ついでにボクもつれていってくれるんだって。
おばさんもママといっしょで、はなしかたがふしぎだよね。
ボクをママにあわせるために、『びょーいん』へいくんでしょ。
まちがったことをいうのは、ダメなんだよ。
それって『ごかい』や『あやまり』のもとになるんだよ。
ボクがマジメにおこると、ママは「きゃー」とか「かわいい!」っていうの。
パパに「ママはときどき『テンネンさん』でふしぎでこまる」っていったら、マジメなかおで「たぁくん、すべてのいきものはみんな、ふしぎなんだぞ」っていわれたの。
どうしよう、パパもきっと『テンネンさん』でふしぎなんだ。
ボクのまわりにふしぎじゃない『オトナ』は、いないかもしれない。
きょうもママもおばさんもいないときに、パパから『びでおめーる』がとどいたよ。
まっくらなところに、たくさんのひかりが、ついたりきえたりするの。
たていっぽんせん、たていっぽんにみじかいよこせん、たてながのまる、さかさまになったやま、たていっぽんせんに、みっつならんだみじかいよこせん。
さかさまになったちいさいやまからのびる、たてせん、たてながのまる、おわんみたいなせん。
「おれだー! みーな! たぁくん! あいしてるー!」ってパパのさけびごえと、ちいさなわらいごえがたくさん。
おばさんがきたときに、「これってなんだとおもう?」ってきいたら「たぁくんがオトナになったらわかるわよ」っていわれたの。
ボクはひとりでおるすばんもできるオトナなのに。
そういうと、おばさんがおおごえでわらうんだ。
おばさんってやっぱりママのおねーさんだから、ふしぎなんだ。
たぶんきっと、まちがいない。
ノリと勢いと思いつきで書きました。
胃酸過多で2カ月ほど死んでました。
食後四時間までに出てくる時は嘔吐、九時間を超えて出てくる時は下痢だとわかりました。
でも個体差とかで違う結果になる場合もありそう。