4話 赤髪少女は物知り少女
「あなた!ここで何してるの!!」
頭がおかしいくらい必要経験値が多くて途方に暮れていた僕に声をかけたのは燃えるような赤い髪に、同じように赤い瞳をしたスレンダー少女だった。
「あなた!ここで何してるの!!」
おっとNPCしているようだ。
「レベルアゲ?」
おっとレベルアゲの難易度の高さに動揺して棒読みになってしまったようだ。
「・・・ステータスを見せなさい」
ステータスをご所望のようだ。このゲームだとレベル30にならないとPKされないし、することもできない。ここで低レベルだとばれても襲われることはないだろう。
「ステータスオープン、ほい」
「ちょっと、初対面の相手に何簡単に見せてるの!!」
「えぇえ~、見せてって言ったの君じゃん」
「普通自分も見せるから相手にも一緒に見せるように言うの!」
「へぇ」
詐欺師職についてたら隠すこともある程度書き変えることもできるのに、意味あるのかな・・・というか同時に見せるなんてルールあったっけ?
「じゃあ君?のステータスも見せて?」
「・・・」
「どうしたの?」
「これってほんと?」
「これって?レベル?職業3つあるってこと?それとも種族?」
「全部よ!いや一匹狼系がついてるのにすごくレベルが低いとかも気になるけど、種族、職業ね。種族が動物人間ってことは到達者なんでしょうけど、称号に到達者が付いてない。職業を複数付けられるのは才能者だけだけど、才能者がこの世界に来るまではまだだいぶ時間があるし。」
何を言ってるんだ?このツルペタ少女、この世界?才能者が来る?
「称号は・・・ほら到達者もあるよ?」
「っ!! ほんとだ! じゃあその耳飾りって到達者の耳飾りと幻惑の耳飾り?」
このアクセサリーも知ってるんだ。右耳についてる白い狐の尻尾みたいなのが到達者の耳飾り。左耳についてる楕円形の模様入りの鏡みたいなのが幻惑の耳飾り。僕が初めて突破した人なのにこのアイテム知ってるってことはDMの人かな?
「よく知ってるね、それで君のステータスは見せてくれるの?」
「そうだったわね、ステータスオープン。私はサシャ・S・ホーエンハイム!賢者よ!!」
賢者?そんな職あったっけ?
ほんとだ職業に賢者Lv13ってなってる
「これでも最年少で賢者になったの」
「何歳?」
「17!」
「あ、うん」
身長は160弱?くらいあるけどペタンヌだからもうすこし下だと思った。
「それであなた才能者よね?いつこっち来たの?」
「昨日の夜くらいかな?こっち来た時は試練場の中だったら正確な時間はわからないけど、それくらいだと思う」
「昨日・・・神託が来たのは1か月前で、神託だと2年後ってなってたのに、1か月前後のずれはあってもここまで早いことは今までなかった、到達者だから?でも今回は複数人をまとめてって言ってたからそこからあぶれるとは思えない、いや現にあぶれてる。やっぱり到達者だからってのが一番あり得そう。でも複数職つけれるのだから詐欺師の職についててもおかしくない、いやそれは・・・」ブツブツ
「・・・どうしたの?」
「いえ、何でもない。それでこれからどうするの?」
「そうだなぁ、ひとまずレベルアゲと職業の熟練度が最優先かなぁ、あとひさしぶりに人魚の里にも行きたいなぁ、3か月も帰ってないから通行書も発行しなおさないといけないし」
「人魚の里!?知ってるの!?」
「ま、まぁ。あそこは高レベル帯のモンスターが出るし、凄く奇麗なところだから拠点にしてたし」
僕が拠点にしてたのは人魚の里、ハイエルフの森、あとは鬼族の城下町の3つだ、他の場所に行くときは宿を取っていた。ただどの拠点も1か月以上滞在していなかったら通行書を発行しないといけない。
まあ2度目以降は1次試験の戦闘能力テストはパス出来るんだけど、2次試験は試験とは言うが実際は人魚や鬼族、ハイエルフなどに危害を加えないっていう契約を結ぶんだ。まあ実際は危害を加えることはできるけどかなり強い衛兵に返り討ちにされる。そしてこの時に死んだ場合ペナルティが異常なほど高い。レベルが1、職業の熟練度が3下がり、所持しているお金の7割が没収される。低レベルの時なら問題がないだろうが1次試験突破が70レベル以上ないとほぼ不可能なため低レベルでの犯行自体難しい。
「一つ聞きたいことがあるんだけど、人魚のお姫様の名前知ってる?」
「ん? マリアマーレ・L・セイレーンだよね? Lは巫女に付けられるセカンドネームでリヴァの略、それと人魚の巫女は幻獣・リヴァイアサンと対話が出来る人に与えられる称号みたいなのだったはず」
「っ!? そう、わかったわ、しばらくあなたと一緒に行動しましょう」
「・・・え?いいの?」
鋼〇錬金術師の影響でホーエンハイムっていう苗字は賢者ってイメージが強かったので賢者の苗字は全員ホーエンハイムです
あとサシャの名前はフランス語で賢者がSages、さうじゃ、と読むのでさうじゃとサシャって似てね?って感じで決めました。SはそのままSouthのSです。
知的な感じにするつもりが幼くなってしまった。