第二話─ふっかつ ラスプーチン─
「ん…んあ…」
私は目覚めた。ここは何処だ。何処かの路地裏か?
何故私はここに倒れているんだ?
「ベットで楽しく遊んでいたよな…」
まあ半裸なのはなんとか納得出来るが何故路地裏なんだ?
そして気づいてしまう。
「私のカラドボルグが…カルパスになっているだとおぉぉぉ!?」
カラドボルグ。刀身が無限に伸びる伝説がある魔槍。
ラスプーチンが悪行を繰り返す中でいつしか彼の「ブツ」はそう呼ばれるようになった。そして彼もその名を気に入り、彼もそう呼ぶようになった。まさに生涯の友、終生の伴侶のような関係であった。
しかしもうそれは手元になく、あるのはボルシチに入れるにぴったりサイズのひとくちソーセージのみ。
大泣きした。
「私のカラドボルグ(固有名詞)とまで言われた私の大切なカラドボルグ(代名詞)ちゃんがぁ…カラドボルグ(代名詞)…カラドボルグ(代名(略)ゥゥゥゥゥッ!!!」
私の人生で今日ほどボルシチが憎くなった日はあっただろうか。
そして泣き喚いている最中に気付いたが、やはりこれは私の体ではない。顎髭もなく、こんな路地裏で倒れるほどの軟弱な体である筈がないしついでにカラドボルグもない体など私の体と認める訳にもいかない。そして私をこんな目に遭わせた人間をアレクサンドラにでも頼んでシベリア送りにしてくれよう。
「とりあえず…動かなければ。」
ラスプーチンは動いた。元の体に戻る為に。
そして奴をシベリア送りにするために。
続く。
なんか思ったより見てくださる方が多くて震えてました。初投稿とは何と新鮮なものか!
相変わらず設定はザルです。勘弁。