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04 転移

戦闘があります。

多分分かりずらいと思いますが、

そのときはすみません。

召喚魔法を実践し失敗してから1週間経った。

しかし何度も召喚魔法を詠唱しても、魔法陣が光るだけで何も起こらないのだ。他の召喚士の人にも聞いたが、理由は分からないらしい。

才能の癖して出来ないって…なんか虚しいな…。


まあ召喚魔法しかやっていないと言ったらそうでもない。すぐに出来るようになった誰でも覚えることの出来る魔法、強化魔法の練習もしていた。


強化魔法は、色々と便利だ。重たい物を楽々と持ち上げることも出来るし、動体視力を向上させたり、防御力も上げることが出来る。何より良かったのが、足に力の補正を掛けると面白い。5メートル位跳躍が出来たり、走ると広い城が数分で一周することが出来るのだ。召喚魔法いらなくね?って思ってくる程に。


そして俺は召喚魔法が使えないから、強化魔法を使って前衛の訓練をしていた。

前衛の皆は剣や槍を使っていたが、俺は違う。槌矛メイスを使っている。

何故かと言われたら1番は取り回しが良いからだ。ただ降るだけで大ダメージを与えることが出来るし、振り回しやすい。星球式槌矛モーニングスターもあったが、あれは殴ると血が出そうだから止めた。あとダサい。

メイスの悪い点といえば、リーチが短いところかな。自分の腕より短いから結構近くまで行かなければならないのだ。まあ別にいいんだけど。


何故剣や槍を使わないかというと、重い。重すぎるんだ。剣はリーチは普通ぐらいなんだけど、切るとき腰を使わなければ上手く切れないし、血脂で斬れ味がどんどん落ちるらしいし。

槍はリーチは長いからいいんだけど、重いし柄の部分が木製なのだ。両手で攻撃する武器だから防御が出来ない。受け流すしかないのだ。


といろいろある為、俺はメイスを使うことにした。


訓練内容はまず基本の素振りをやってから、打ち合いをし、御前試合みたいなのをする。

剣や槍を使っている人は色々指導されているが、メイスは違う。どんな方向からでも大きなダメージを与えることが出来るからな。人間相手だったら、上から振りかぶれば頭を潰すことが出来るし横から殴れば肋骨が逝く。斜め上に振れば顎を砕くことも出来る。まあ腰を使わなければ上手くダメージを与えることが出来ないんだけどね。しかし便利な武器だ。一撃で相手を殺すことが出来るからな、人間相手だったら。


そんなことを考えながら素振り、打ち合い終え、御前試合みたいなのをする時間になった。

俺は相手をしてもらう為、声を掛けるのだが…皆恐ろしいものを見るかのように逃げてしまうのだ。

なんでだろう…。


そして逃げられまくっていて相手がいない俺に御前試合を頼んできた男がいた。


「おい相良ァ。俺と殺試合ころしあいしようゼェ…?」


男はヘラヘラしながら俺に試合を申し出てきた。そいつの名は吉崎 涼平だった。彼はクラスの中で不良の位置に立っている人で、気に食わないやつを片っ端からボコボコにしていたらしい。…映姫に手を出してボコボコにされたらしいのだが。


「殺し合いってなあ…。普通の試合ならまあいいけど、殺し合いはしないぜ。あと試合のルールは分かっているよな?相手が降参するか武器破壊、気絶で試合終了だからな?」

「ンなこたァ分かってるからよォ…早く試合しようゼェ?」


こいつ分かってないな。表情で分かる。ヘラヘラし過ぎだ。麻薬でも使ってんのか?

そう思いながら俺は腰にぶら下げているメイスを抜いた。

涼平の方は戦闘用ガントレットを自分の手に取り付けた。


ガントレットとは実際は西洋の鎧の腕部分の甲冑である。日本の鎧で言うところの籠手だ。

それに魔石などを埋め込んだ物が戦闘用ガントレットである。一応、魔法具アーティファクトの一種である。

それはさておき、


「それじゃ始めるか」

「そうだなァ…」

「頑張って下さ〜い!兄さ〜ん!フレッ!フレッ!に・い・さ・ん!」

「………」


集中しているのに声掛けやがって…また集中しなくてはならないじゃないか。

そう思いながら俺は映姫を見た。…なんだあれは。チアガールのボンボンだと…!しかも衣装がチアガールそのものだ。一体何処から持っていたんだよ…。まあ気にしたら負けだ。


「それじゃ騎士の人、審判お願いします」

「分かりました。それじゃあいきますよ。始めっ!」


そう騎士が掛け声を出した瞬間に俺は、脚部と腕に強化魔法を掛けた。

掛けた俺は地面を蹴り上げ、涼平の目の前に瞬時に移動し、メイスを上から振りかかった。

しかし涼平はバックステップを取り、俺の攻撃を躱した。そして足を振り上げ、俺の視界を何かが塞いだ。

次の瞬間、俺の腹に衝撃が加わった。


「グハッ!」


腹を殴られたことにより、肺にあった酸素を全て吐き出してしまった。


「オラ!オラ!オラ!」


それが隙になり、涼平から第二撃、三撃を食らってしまった。

第四撃の攻撃はバックステップを取り、ギリギリ躱した。


「畜生…。痛えじゃねえか。んだ?あの目潰しは…」

「フヒヒヒヒ…あの目眩しはなァ…砂だ。お前がその棍棒ものを空振りした時、地面にある砂を蹴り上げオメェの視界を一時的に塞いだんだゼェ?どうだ?これが俺の戦い方だよォ…。卑怯だろォ…」


俺らの試合を観戦していた他のクラスの皆は卑怯だ、と口々にしていた。

あの足の振り上げは砂で俺の視界を塞ぐ行為だったのか。確かに空振りしたら隙が出来るからな。

戦い方にしては良く考えたと思う。


「卑怯…か。俺は卑怯とは思わない。相手の動きを止めることの出来る唯一の方法だからな。勉強になったぜ」

「チッ、面白ェやつだなァ…。それでこそりがいがあるってもんよォ!」


そう口に出した後、瞬時に近づき、ハイキックを繰り出してきた。

その攻撃に俺はメイスで受け流し、左足で後ろ回し蹴りを食らわせた。


「くッ!」


俺の後ろ回し蹴りをモロに食らった涼平は足元をおぼつかせ、バランスを崩した。

その隙を逃さない為に俺は足払いをし、


「ゴハッ!」

「オラ!」


足払いをして地面に寝っ転がっている涼平に、腕に強化魔法を全開にしてメイスを叩きつけた。

ドォーン!

まるで爆発が起きた様な音が聞こえ、地面を見たら、涼平は地面に寝っ転がっている姿はなく、代わりに地面に叩きつけて出来たクレーターを見ることができた。

強化魔法パネェ…。


「ハア…ハア…危ねェじゃねえか…。あのままじゃ俺がミンチになっていたところだったぜェ…」

「出来ればこのまま降参してくれると嬉しいな」

「やなこった!」


そう言い放った後、さっきと同じ様に瞬時に近づき今度はストレートを繰り出してきた。

俺はその攻撃を蹲んで躱し、左手を地面に着け右足で涼平の腹を蹴り上げた。


「さっきの腹パンのお返しだゴラ!」

「ゴホァ!」


蹴り上げたら何故か涼平が吹き飛んだ。

あ…ヤベェ…。蹴る時に脚の強化魔法を解くの忘れた。

でも俺は攻撃を止めない。俺はまた地面に寝っ転がっている涼平に1秒も掛けずに近づき、メイスを叩きつけようとした瞬間、涼平がニヤついていた。そしてーーーーーーー





なんか空中に移動していた。


「な、な、な、なんじゃこりゃあああああああああ!!!」


俺は何も出来ないまま、真っ逆さまに落ちていった。


「ゴハアッ!」


そして背中に激痛が走り出した。地面に激突した様だ。

腕と脚にしか強化魔法をしていなかった為、腕と脚は痛くなかったが、強化魔法を掛けていなかった胴体はモロに地面に激突に、声にならないぐらいの激痛が起きた。


ーーーー呼吸が出来ない。


地面と激突したときに酸素が全て吐き出され、息が出来なくなっていた。

そして俺の視界は歪み始め、どんどん目の前が暗くなってきたのだ。

それから俺は徐々に意識が遠のいっていった。









和樹さんメイスを一撃必殺用にしか使っていませんね。これが優しさってやつです。

次も不定期です。

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