01 勇者召喚
書いてみました。
ミーンミンミンミン…
蝉が鳴いている。あともう少しで夏休みだ。そう思い相良 和樹は教室で昼飯を摂ろうとしていた。
「兄〜さん。お昼ご飯一緒に食べませんか?」
今声かけてきたのは俺の一歳下の義妹、相良 映姫だ。なぜ義妹かと言うと、俺の父親が再婚した時に母親側にいた女の子だった。勿論血は繋がっていない。しかしーーー
「兄さん今日私が作ったお弁当を一緒に食べませんか?私があーんしてあげますよ?何なら私を食べませんか?私なら兄さんに何されても嬉しいです」
そう、ブラコンなのだ。何故こうなったのかと言うと、映姫は元々いじめられっ子だったのだ。それで映姫をいじめていた子をボコボコにしたらもの凄く懐いてしまったのだ。それも異常なほどに…
「一緒にに食べてやるけどあーんはしなくていいからな!?お前も食わないからな!?」
「もう照れちゃって。そういう兄さんも好きですよ?さあ食べましょう!できれば私を食べてください!」
だめだこいつ…早く何とかしないと…
「相変わらず目の前でイチャコラしてくれてんなぁオイ」
今声をかけてきたのは俺の幼馴染の寺坂 響也だ。運動神経抜群でイケメンな俺の親友。しかし俺より少し頭が悪い。その頭が悪いおかげであまりもてないのだ。顔はいいのになぁ…それと俺はホモじゃないからな!?
「そんなこと言うならこいつを剥がしてくれよキョウ」
「剥がそうとする馬鹿がいるか?剥がそうとしたら映姫ちゃんの拳が飛んでくんだよ。映姫ちゃんに殴られる気持ちが分かるか?鼻が折れそうになったんだぞ?」
「まあ空手部の期待の星だからな」
「まあ兄さん!そんなに褒めなくても…嬉しいです。お礼にチューしちゃいます!」
「しなくていい、しなくていいからな!?」
抱きついてくるな。飯食えん。
映姫は空手をやっている。俺に助けられてから兄さんばっかりに守られたくない、自分のことは自分で守る!と言って空手を習い始めた。最近不良に絡まれたらしいがボコボコにしたそうだ。可哀想に…
「そこ!兄妹でイチャイチャしない!破廉恥だわ!」
怒鳴ってきたのは風紀委員の御坂 葉月。運動神経が良くて勉強もできる、そんな女だ。
だがイチャイチャしているところや、エロいことをしようとすると顔を真っ赤にして怒鳴ってくるのだ。
「何なら助けてくれよ風紀委員さん。抱きつかれてる俺も辛いんだ」
「そんなこと言わずに私とひとつになりましょう?」
「映姫さん!それは駄目です!破廉恥です!あたしもひとつになりたいのに…」
「おい葉月今さっきなんつった?なんつった!?」
「何でもないわよ!この馬鹿!」
だめだこいつら…早く何とかしないと…てか葉月も映姫と同じ感じだったのかよ…
「んのやろ〜…和樹だけもてて、何で俺はもてないんだよおおおおお!」
「知らねえよ!それよりこいつら何とかしろよ!」
「何とかしなくていいです響也さん。兄さんのことは任せてください」
「いや私が何とかするわ!私が直々に指導して和樹のシスコンを治すわ!」
「シスコンじゃないからな!?」
あぁ…誰か助けてくれないかな…体がもたんよトホホ…
ゴゴゴゴゴゴ…
地震が起きた。何故かと最近地震が多いのだ。なんかあるのだろうか。
「最近地震多くないかしら?」
「なんか起きるのでわ!?和樹が死ぬとか?」
「死ぬなら私と兄さんがひとつになってから一緒に死にます!」
「死なないからな?あとひとつにならないからな!?」
ピカッ!
「うおッ!まぶしッ!」
「何よこの光!」
「眩しいです兄さん。これからひとつになりませんか?私がリードしますよ?」
「眩しいがひとつにならないからな!?」
急に光がでて俺たちを含む、クラスのみんなが光に包まれた。
****************
「成功しましたわ!」
「さすがティル様!私どもにできないことを平然とやってのけました!そこにシビれます!」
「憧れます!」
光に包まれたと思ったらどこぞの奇妙な冒険譚に出てくるようなセリフが聞こえた。
目を開けたら、目の前は教室の中ではなく、西洋風の大広間だった。
「どこだよここ!?俺たちに何をした!」
「そうよそうよ!」
俺もそう思う。どこだよここ…あの光でどこかのお芝居をする場所まで移動できる移動手段はない。
「皆様落ち着いてくださいですわ。わたくしはこの国はレイスティア王国ですわそしてわたくしレイスティア王国の第一王女アスティルと申しますわ。ティルと呼んでくださいませ」
「そうかティルとやら。それで俺たちに何をするんだ!?誘拐か!?」
誘拐ね…まあそれもあるかもしれないな。
「兄さんこれから私達はどうなるのでしょうか…」
「何とかなるでしょ」
「兄さんは軽く考えすぎです!」
そう言われても何とかなるしか考えられない。殺されるかもしれないし、奴隷みたいに扱われるかもしれないし。
「皆様…この世界をお救いくださいませ!最近魔王が復活してこの世界を乗っ取ろうとしているのですわ!
だから勇者様方わたくし達をお救いください!」
一瞬間が空いて…
「は?」
何言ってんだこいつ。
ちょっと何言ってるのか理解できなかった。
3〜4日ペースで投稿すると思います。
どうぞよろしくお願いします。