ホラーの様な……。
なんで虎なんだろう。
そしてなんで、人気モデルなのに、他人の洗濯物を干しに行っているんだろう。
夢をみた。
いや夢は良く見るのだが、久しぶりに物語性があり、かつ荒唐無稽であった。
ちなみに虎の夢は一昨日のもの。二本立て。
モデルの夢は今朝の夢である。
まず、比較的記憶が鮮明なモデルの夢から。
「彼女」は癖っ毛がつんつんと立つほど短い髪の、鼻の上にそばかすの散った
女の子であった。
年齢は定かではないが、肌艶やまだ育ち切っていない肢体と言動から、16、7?
行って18歳くらいか。
一見あか抜けていない彼女だが、有名な事務所に所属し、デザイナーであるそこの所長(美人長身黒髪長髪)に目をかけられているようだ。
事務所に所属しているとはいえ、彼女はたまに入る仕事をする程度だったらしいが、ある日偶然出演したショーで大化けする。
と言うか、コスメマジックで別人になる。
つんつんの癖っ毛は、身を覆うほどの長い黒髪に。
そばかすはファンデーションの下に隠れ、肌のきめ細かさと白さが強調され。
元から大きかった瞳は、何重か。化粧に疎いわたしには分からないほどのグラデーションで飾られ、けぶる様である。
まさに絶世の美少女、というより美女。
コスメマジックで20代半ばに見えている。
彼女のお陰でショーは大成功し、ファンが事務所前に詰め掛ける。
それに所長は満足そうだが、彼女は顔をひきつらせている。
彼女にもう一度会いたい、手紙を、花をプレゼントをと詰め掛けるファン達に対応すべく、彼女に化粧を施そうとするスタッフ達。
最初は逃げまどっていた彼女だが、所長の悪戯っ子を諌めるような物言いに、渋々従う。
で。ファンサービスにガラス越しににっこり笑って手を振り歓声(悲鳴に限りなく近い)をあげられていたが、終わったころには疲れ果て。
たのに何故か、事務所で出た洗濯物を干しに行くのだ。
コスメマジックで美女になったまま。
シーツやカーテンなどの大物を干すべく、事務所から遠く離れた草原? へ。
重い籠を抱えて小路(中世の面影を残したヨーロッパで良く見たような)を行く彼女。
なんとか草原に着いたものの、洗濯物を干すに適した場所は中々なく。
途中、橋のかかっていない水路(池?)があって大きく迂回したりと道のりは険しく、彼女はすっかり疲れてしまう。
なんとか小高い丘の上に植わった木の間にシーツとカーテンだけは干したが、そこまでで何かに追いかけられ、洗濯物を放り捨てて逃走する。
事務所を目指して走っている道すがら、バス停に座る彼女の父親(ダンディなおじ様で萌黄色のセーターに砂色のジャケット)に会い、彼は呑気に「しばらく見ないうちにすっかり綺麗になっちゃって……なんだか寂しいな」などと言いたれる。
その後、事務所まであと少しという住宅街の路地で、奇妙な女性に会う。
正確に言えば、見かけて足を止める。
はっきりいってその光景はホラーであった。
目覚めた後はその光景は、よほど怖かったのか不快だったのか、消去されている。
たしか長い黒髪を乱した少女のような女性が道端に蹲り、子供を産んでいたような……。
そしてその子供は人間ではなく、蜘蛛だったか、なにか黒い影だったか……。
異形の存在を目の前にして、彼女は当然逃げるのだが、黒髪を逆巻かせながら少女が追いかけてくる。
またその追いかけ方がホラーで、指先を強張らせた四つん這いの状態で、ブロック塀だの民家の屋根だのを這いまわるのだ。
コレは怖い。
追いかけっこをしている内に事務所に辿りつき、彼女は辛くも逃れる事が出来るのだが、呆然としているところに所長から彼女の血筋にまつわる因縁? 宿業? の話をされたような……。
そこらあたりで目が覚めた。
虎の夢の話は、ほとんど覚えていない。
確か虎に変身するイケメンに追いかけられる夢と、虎そのものを飼っていたのだが成長すると檻(と言うよりちゃちな木の箱)を破って出てしまうというものだった。ような。




