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常識についての2分程度の講義

作者: 脳内企画

テスト投稿を兼ねています。

地の文ナシ。会話文のみです。2~3分程度の長さの作品です。

教授「私たちの中での常識というのは、

   それまでの経験の積み重ねで出来ているのだと考えられます。

   それまで感じてきたもの――現象であれ習慣であれ、

   一定の持続性があるとそれを常識として私たちは認識します。」


生徒「はあ…、当たり前のことを難しく言いますね、教授」

教授「当たり前を言葉で説明しようとするとそうなってしまうのですよ。

   要するに常識とは、特定の社会の住人が共有し、前提として疑わない認識です。

   君、これのポイントはわかりますか?」

生徒「ポイントですか?うーん…。

   ―――文脈から察すると、『特定の社会』の部分、ですかね?」


教授「そのとおり!社会によって常識というものは異なります。

   なぜだかわかりますか?」

生徒「ええと…、常識というのはそれまでの経験の積み重ねだから

   環境などが変わればその社会の人々の経験も変わるから……

   ううん、説明が難しいです……。」

教授「いえ、間違ってはいませんよ。

   環境の違いなどによって、社会Aの常識は社会Bにおいて非常識となりえます。

   たとえば、太陽は東からのぼり西に沈むのが私たちの常識です。

   これは地球の公転によるものですが、

   仮に地球と逆方向に公転する星の住人がいた場合、

   彼らの常識では太陽は西からのぼり東に沈むものとなるのです!」

生徒「う、うーん…わかるような、わからないような…。

   やっぱり教授の説明はなんだか難しいですね。」


教授「つまり!私たちが当たり前と思っているものも、他の視点から見ると異質なものに見えるということです。

   自分のことや身の回りのこと、すべてを一度疑ってみると何か面白い発見があるかもしれませんよ」

生徒「ふうん…。僕は今のままで問題なんてないけどなあ。

   けどそれが変に見える人もいるかもしれないということですね。」




教授「そういうこと。君は水色の培養ケースの中、

   十七本のチューブに繋がれた脳ミソで、

   機械によってつくられた音声で私と会話しているでしょう?

   昔の人たちはそんなものに入らず、外を自由に出歩いていたのですよ。」




生徒「教授って毎回そんなこと言いますけど、そんなの信じられませんよ!

   だってここから出たら死んじゃうじゃないですか!」


教授「……本当なんですよ。

   ちなみに私、昔はもっとスマートな体をしていたんですよ?

   放射能から逃れるため体の半分以上を機械につなげてしまいましたけどね。」


生徒「うーん、でも僕の中ではやっぱりその姿が教授ですよ。

   僕自身何も不自由ありませんし。

   チューブから毎日決まった時間に栄養液が送られてきますし?

   普通に幸せですよ。これでいいんじゃないかなぁ。」


教授「――なるほど。それが君の常識というやつですね。」



ここまで読んでいただきありがとうございました。

またどこかで縁があり他作品に触れていただける機会があれば嬉しいです。

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