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壁ドン(?) チャラロンゲ編

本編との繋がりは一切ありません。

攻略キャラとお姉ちゃんが恋人設定。

時間軸未定。

糖分過剰。

お姉ちゃんがデレ。

キャラ崩壊。

本編との繋がりは一切ありません。(大事な事なので以下略)

 神様、ピンチです。何がどうピンチかって言うと、私にもどうしてこうなったのか経緯が不明なのですが、人生何度目かの閉じ込められ体験中です。おかしい…私の常識では一般庶民はそう何度も人生において閉じ込められる経験は繰り返さないと思っていたのに、どうして私に関してはこうも閉じ込められることへの経験値が積もっていくのだろう。このままでは閉じ込められレベルが上がってしまうんじゃないだろうか。何だ、閉じ込められレベルって? 場所とかがグレードアップするのか?


「まあまあ、落ち着いて、とりあえず座りなよ」

「…アンタは落ち着きすぎです」


 のんきな声で傍らの運動用マットをポンポンと叩く男、吉嶺よしみね橘平きっぺいをぎっと睨み付ける。そう、人生何度目かの閉じ込められ体験は人生二度目の同席者、吉嶺橘平と、場所、体育用具室という何とも既視感にあふれた状況で起こっていた。

 とりあえず、吉嶺の落ち着きようがムカつく。まさかとは思うが閉じ込められレベルが上がるとこうなるっていうんじゃないだろうな…。い、いやすぎる。


「まあでも、今回は前回と違って、今の時間が閉門後だから、このままだとお泊りコースだよねえ…」

「そんなレベルアップいらない~~~!!!」


 誰かいないかとドアをドンドン叩いてみるも、人が来てくれる気配はない。夢中になって叩いていたら、その手を後ろから掴んで止められた。


「ほら、そんなにしたら手を怪我しちゃうよ。前と違って、今の俺らならこの状況もそんなに悪くはないんじゃない?」

「良くもないですよ。さっさとここから出たいです」


ドアと吉嶺に挟まれ、彼の腕に囲われた、壁ドンならぬドアドン状態で不満を口にすれば、背後の男が笑う気配がした。


「恋人と二人っきりなのに、つれないな…。こういう時は状況を楽しんだもの勝ちだと俺は思うけどね」

「その恋人と喧嘩中じゃなきゃもっとたのしめたとおもいます。…っていうか、誰の所為で喧嘩になったと…」


 ふてくされて目を逸らせば頭上でくすくすと笑われ、怒りが増す。


「俺の所為、でしょ? 俺の所為で君が怒って、俺の所為で一日不機嫌で、俺の所為で目が合うたびに真っ赤になって睨んできて、俺の所為でこうやって閉じ込められてる」

「そうですよ! 全部先輩の所為です!! 私を怒らせてそんなに楽しいですか?!」

「うん、すごく」


 本当に心底楽しそうに言われ、かっとなって睨み付けたら、蕩ける様な笑顔で見つめ返され、髪に口づけられた。神経が通ってないはずの器官から一気に熱が上がっていくのを感じる。

 真っ赤になって硬直する私を、吉嶺先輩が愉快そうに見下ろしている。心底殴りたい。


「君が一日中俺の事で悩んで怒って、俺の事ばっかり考えて、俺の存在を意識し続けて、こうやって俺と二人きりでドキドキしてくれてるのがすっごく楽しい」


 ムカついて振り上げた手を掴まれ、ドアに押し付けられた。結局、こうして掴まるので、殴れたためしがない。


「だからさ、もっとずっと俺の事だけ考えてくれない?」


 そう言うと、甘い微笑みのまま、噛みつかれた。

 やっぱり閉じ込められレベルが上がってしまったのだ。厄介な男の腕に閉じ込められ、私は目を閉じた。

なぜかちょっとヤンデレっぽくなった吉嶺先輩。

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